板尾創路さんは、旬の秋だけでなく春も夏も、
365日毎朝、りんごを食べています。
好きなのか? と問われれば
「そういうわけではなく」と返します。
なぜなら無意識で食べているからです。
渋谷PARCO8階の「ほぼ日曜日」で、
さまざまな種類のりんごが登場する
イベントが開催されます。
りんごは世界中に1万を超す品種があるそうです。
私たちはそのうちの何種類を一生に食べるのでしょう。
自分が歩くりんごの道すじを、
今年はちょっとはみ出してみませんか。
Mr.りんごナチュラルフレンドリーの板尾創路さんが
いろんなりんごを、つぎつぎにあじみします。

(聞き手:ほぼ日 菅野綾子)

>板尾創路さんについて

板尾創路(いたお いつじ)

1963年大阪生まれ。
お笑い芸人として
テレビ番組で活躍する一方、
俳優としてドラマや舞台、映画など
数多くの作品にかかわる。
映画監督作品に「板尾創路の脱獄王」
「月光ノ仮面」「火花」などがある。
『板尾日記』をはじめとする著作も多数。

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第4回 当ててみよう。

板尾創路さんが、りんご味当てクイズにチャレンジします。

──
りんごは品種によって
旬がとても短いです。
11月18日から開催する「ほぼ日曜日」の
「りんごかもしれない展2022」には、
今日とまたちがったラインナップが並びます。
今日は最後に、
食べ比べて品種を当てるクイズを
やりたいと思います。
板尾
はい、わかりました。

▲いざ、クイズに挑戦。 ▲いざ、クイズに挑戦。

──
当てていただくのは、
「サワールージュ」「ブラムリー」
「さんたろう」「ひめかみ」「紅玉」の
5種類です。
板尾
これはあかんで、色でばれるよ。
──
皮好きの板尾さんには申し訳ないですが、
クイズの際には、
皮をむかせていただきます。
まずはひとつずつ食べて、
味を憶えていただきます。
板尾
これが「サワールージュ」ね。
おいしいで。

▲まず、全種類食べてみます。 ▲まず、全種類食べてみます。

──
つぎは「さんたろう」。
さっきも食べましたが、
もういちど食べますか?
板尾
うん。もう忘れてるわ。
──
これがさんたろうです。
板尾
これもおいしいで。
──
おいしいですか。
板尾
むずかしそうやな。5種類あったら。
──
「ひめかみ」は‥‥。
板尾
甘い。おいしい。
──
「紅玉」は‥‥。
板尾
あ、食べたことある味や。独特のな、
あの、うす硬い皮のやっちゃな。
──
そうです、そうです。知ってる味。
そして最後に「ブラムリー」。
さっきも食べましたが、
もういちどめしあがりますか?
板尾
うん、もう忘れたわ。
‥‥うわ、すっぱ。
──
「ブラムリー」は強烈ですね。
でもお菓子に使うと激変するやつです。
板尾
はい。これはわかると思います。
──
5つ、
味を憶えていただけましたか。
板尾
はい。
──
このカードをお持ちください。

▲りんごカードを配ります。 ▲りんごカードを配ります。

板尾
はい。あ、なるほどね、そういうことね。
どれからいこうかな、
ええ。ええええ。
──
ええええ。
板尾
いきなりわからんな。
──
えええええ。
板尾
これはさっき食べたやつやから、わかる。
これは、これやわ。
──
はい、すっぱい「ブラムリー」ですね。
板尾
ぜったいこれやわ。はい、いいですか。
これは「ブラムリー」です!

▲おみごと。
▲おみごと。

──
おっ。
当たりました。
板尾
それから「サワールージュ」は、これちゃうかなぁ。
最初に食べたおいしいやつ。
いったろ。
「サワールージュ」です。
──
あ、合った。(拍手)
板尾
あとはわからん。
結局、いちばん知ってる「紅玉」の味が、
ぜんぜんわからんようになってるねん。
まどわしよるなぁ「紅玉」。
よし。決めた。
これは「ひめかみ」やと思います。
──
どんっ。
板尾
ああーー、違った。

▲痛恨のミス。
▲痛恨のミス。

──
これが「紅玉」でした。
板尾
まずい。じゃあもう、
たぶんぜんぶが合ってない。
これもちがうし、これもちがう。
それじゃこっちが「さんたろう」でしょう。
これは「さんたろう」だと思います。
ああー、違った。

▲大混乱。
▲大混乱。

──
じつはこれ、
かなりむずかしい問題だったんです。
「さんたろう」「ひめかみ」「紅玉」は
味がけっこう似てるんですよ。
板尾
わからんもんやなぁ。
「紅玉」ですべてを見失い、
頭のなかで味が混ざってしもた。
ああ、そうかそうか。
むずかしいな、りんご。
──
「ひめかみ」は「ふじ」に「紅玉」を
交配したそうです。
だから似てるに決まってますね。
「さんたろう」も酸味が強いというから、
味の系統は同じですね。
むずかしくても、りんごは
嫌いにならないでください。
板尾
食べていきますよ、変わらず、
明日も食べるし。

▲りんごは毎日の友だち。 ▲りんごは毎日の友だち。

──
ゆるがない板尾さんで、よかったです。
板尾
西洋では「りんごは医者いらず」っていうよね。
りんご食べると医者が青くなるっていうのは、
たぶん、青いりんごのことを、指してるんやろね。
──
いや、え、あ、
そんなことはないんじゃないですか。
板尾
青いほうがポリフェノールが多いらしいよ。
毎日青りんごを1個食べられると、
医者は儲からないという例えなんかな、と思う。
だからきっと、医者の顔は、
青いりんごを指してるんだよ。

▲医者の顔と、りんご。

──
ああ、そうかもしれないですね。
板尾
だね。
──
‥‥‥‥。
板尾
‥‥‥‥‥。
──
これをきっかけに、板尾さんも
ちょっと青りんごのほうに
手をのばされてはいかがですか。
板尾
ああ、なるほどね。
──
はい、医者いらずなんでしたら。
板尾
青いのもあり、かな。
しかし、おなかいっぱいなってきたな。
──
ちいさく切るようにつとめていましたが、
けっこうな量をめしあがりましたね。
板尾
なんだかんだいって
1個分くらいは食べたんちゃうかな。
外国のりんごって、けっこう高いでしょ?
──
これ、ぜんぶ岩手産なんですよ。
板尾
あ、日本で作ってんねや。
すごいね、岩手。
こんな種類、作ってんねや。
──
もともと、品種的にはどれも
外国から来てると思うんですけど、
今日食べたりんごの農園はすべて岩手です。
岩手のサンファームさんからすべてやってきました。
サンファームさんはりんご130種類ほど作ってるらしいんです。
板尾
おいしかったです。
18日からも、岩手からいろんなりんごが
やってくるんですね。
みなさん、PARCOにりんごを食べに来はんの?
──
「ほぼ日曜日」の会場の中に
大きい樹を立てて。
板尾
りんごを吊るすの?
──
はい、紐で吊るして、
みなさんにりんご狩りのようにして
取っていただきます。
板尾
へええ。
──
しかし‥‥
板尾
はい。
──
板尾さんのりんごの接し方が、
すごく自然だったことが、
今日いちばんの驚きでした。
りんごを食べ慣れてるって、
こういうことなんですね。
板尾
そんなことない。
普通に口入れてるだけや。
──
食べるのによどみがなかったです。
しかも、たくさんめしあがって。
板尾
いや、いま夕飯どきやけど、
ごはん食べたらきついなと思って、
何も食べてなかったから、ぜんぜんいける。
夕ごはん、今日はもう、りんごや。
──
はははは。
板尾
はははは。

▲りんごでおなかいっぱい。

──
りんごを毎日、丸ごと1個を、
夏も食べてる人は、
もしかしたら板尾さんだけじゃないでしょうか。
板尾
そんなことないよ、きっとたくさんいる。
でも俺、もう何年やってるやろ。
──
10年以上ですよね。
板尾
りんごを食べなかったこと、
ほんまに記憶にないもん。

▲板尾さんの思い出にはいつも、 あたりまえのようにりんご。

──
りんごのほかに、なにか
「頼りにしている食べもの」はありますか?
板尾
ほか?
ほか‥‥なんやろ。
納豆は食べるけどな。
まぁでも納豆はみんな、食べるもんね。
──
いや、そんなに毎日は食べないですよ。
板尾
毎日食べないですか。
納豆は、毎日食べてるよ。
──
納豆も‥‥
じゃあ、こんどは
「納豆のいたおのあじみ」ですね。
板尾
ははは。
──
はははははは。

(おしまいです)

2022-11-18-FRI

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  • いろんな品種がやってくる! りんご狩りかもしれない展 2022 11月18日(金)~12月8日(木) 11:00~20:00 入場無料 渋谷PARCO8階 ほぼ日曜日