JAXA+PARCO+ほぼ日でお届けする
地球観測衛星の大特集ですが、
大変ながらくおまたせしました!
これまで幾多のガンダムシリーズを
プロデュースしてきた、
バンダイナムコフィルムワークスの
小形尚弘さんの登場です!
ガンダム好きがたくさん集まる
JAXAさんの中でも
ガンダム好きが嵩じて入社したという
「筋金入り」の重藤真由美さん、
いつもの明るいコーディネイト役・
安部眞史さんと、
ガンダムについて、人工衛星について、
さらには「地球」について、
アツく語り合っていただきました。
全5回、担当は「ほぼ日」奥野です。

>小形尚弘さんのプロフィール

小形尚弘(おがたなおひろ)

『機動戦士ガンダムUC』『機動戦士ガンダム サンダーボルト』『機動戦士ガンダムNT』『Gのレコンギスタ』など多くの作品でプロデュ―サーをつとめ、近年のガンダムシリーズ劇場作品『閃光のハサウェイ』『ククルス・ドアンの島』ではエグゼクティブプロデューサーをつとめる。現バンダイナムコフィルムワークス執行役員。

前へ目次ページへ次へ

第1回 JAXAの「ガンダム大好き」さん。

小形
小形と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
安部
JAXAの安部です。
今日は、よろしくお願いいたします。
重藤
JAXAの重藤です。
今日は、よろしくお願いいたします。
安部
あれ、緊張してる?(笑)

左が緊張気味の重藤さん、右がいつも明るい安部さん。 左が緊張気味の重藤さん、右がいつも明るい安部さん。

重藤
はい‥‥(笑)。あの、このあたりって、
アニメ会社さんがすごく多いですね。
小形
ええ、そうなんですよ。
新海(誠)さん関連のスタジオもあるし、
MAPPAさんもあるし。
安部
じゃ、居酒屋で横の席で飲んでいる人が、
アニメ関係者だったりとか(笑)。
小形
なくはないですね(笑)。
でもつくばとか、もっとじゃないですか。
宇宙関係者ばっかりですよね?
安部
ええ、やっぱり研究者は多いですね。
われわれJAXAだけじゃなくて、
産業総合研究所や
高エネルギー研究所などもありますから。
小形
はい、はい。
安部
ただ、つくばは
「ずっと農業をやってます」みたいな
昔からの住人の方と、
東大やMITで博士号をとってきました、
みたいな研究所の人が
同じ空間に混じり合っているので、
あそこはあそこで、
なかなかおもしろいところ‥‥だよね。
重藤
はい(笑)。
──
えーと、緊張もほぐれましたでしょうか。
今回、こちらJAXAの重藤さんが、
非常に、ガンダムがお好きということで。
小形
あ、そうなんですか。
重藤
はい。大好きです‥‥とっても(笑)。
──
つくばからおいでいただきまして、
さらには小形さんにもお時間をいただき。
こうして、ご対面いただきました。
小形
ありがとうございます。
ちなみに、重藤さんは、
どのガンダムがいちばんお好きですか。

重藤
最近でいうと、やっぱり
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
(以下『閃光のハサウェイ』)です!
劇場に、何度も観に行きました。
小形
あ、本当ですか。ありがとうございます。
──
小形さんのプロデュース作品ですね。
安部さんもガンダム好きなんですか。
安部
ぼくもガンダムは大好きなんですけど、
JAXAでは、派生作品を含めて
「ぜんぶ」見てはじめて一人前として
認定される感じなので‥‥。
ですから、ぼくは「まだまだ」ですね。
──
はあ、JAXAさん‥‥。
ちなみに、安部さんのお好きな作品は。
安部
はい、ちょっと昔の作品なんですけど、
いちばん好きなのは
『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』
ですね。
小形
おお、シブいところを。
ありがとうございます。
──
そんなにガンダム好きが多いなかで、
選ばれたわけですから、
重藤さん‥‥とりわけ
「筋金入り」ってことでいいですか。
重藤
いえいえいえ、わたしなんかとても‥‥。
小形さんとお話できるって
同僚に知られたら大変なことになるので、
今日は内緒にしてきたんです。
安部
そう、小形さんとお話するなら、
「俺だろう」みたいな人がたくさんいるんで。
──
ふふふ(笑)。
ちなみに、重藤さんが
ガンダム大好きになったきっかけは、
どうしてなんですか。
重藤
はい、わたし、リアルタイムで見たのが
『∀ガンダム』(ターンエーガンダム)で、
すごくおもしろいなと思ったんですけど、
就職活動の直前に、
インフルエンザにかかってしまって‥‥。
小形
ええ。
重藤
寝込んでいるときに、
母が、
『機動戦士ガンダム』の
劇場版三部作を借りてきてくれたんです。
小形
お母さんが?
重藤
はい。
小形
めずらしいですね。
お父さんだったらわかるっていうか、
就職活動で面接に来てくれる方の話を聞くと、
「お父さんが、ガンダムファンで」
みたいなケースはあるんですが‥‥お母さん。
重藤
そうなんです。
それを見て、もう、本当におもしろくて‥‥。
そのことがきっかけとなって、
JAXAを受けて、運よく受かったんです。

小形
え、お母さんの借りてきた
『機動戦士ガンダム』劇場三部作がきっかけで
JAXAに入ったんですか。
重藤
はい。面接でも、その話をしました。
──
おお‥‥めぐりあわせですねえ。
重藤
「めぐりあい」ですね(笑顔で、ビシッと)。
※『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』
という劇場作品が存在する。
──
あ、ああ、ここは「めぐりあい」ですね。
失礼しました(笑)。
ガンダムのシリーズには、
たくさんの作品があると思うんですけど、
重藤さんは、大まかにいうと
どういうところに惹かれるんですか。
重藤
わたしは、派生作品も含めて
「たくさんの物語がある」という、
もう、そのこと自体が大好きなんです。
いつまでも見ていられる、うれしさです。
夢が終わらないみたいな感じです。
──
おお‥‥その境地ですか。
でも、わかる気がします。
小形
ありがとうございます。
逆に、作品が多すぎて
どこから入っていいかわからないとも、
よく言われますね(笑)。
とくに、海外の方なんかと話すと
「ガンダム、メニュー多すぎ!」って。
重藤
なので、わたしは、ぜんぶ見るって
決めたときに、
自分なりに整理してから見はじめました。
小形
その整理術、教えてもらいたい(笑)。
重藤
あとは、月並みな意見ではありますが、
やっぱり、
最初のガンダムからの「宇宙世紀」ものは
物語のスケールも大きいですし、
あと、ガンダムって
ぜんぜん「きれいごと」がないし、
そういうところが、ぜんぶ大好きです。
小形
うれしいです(笑)。
重藤
すいません、熱く語ってしまいまして。
──
いや、そのために来ていただいたので。
どんどん熱く語ってください。
こういう方が、日本はもちろん、
いまや世界中にいると思うんですけど、
どうですか、お聞きになって。
小形
本当に、ありがたいです。
ぼくは主にプロデューサーの役割なんですが、
ここには、500人とか600人の
フリーのクリエイターがはたらいていて‥‥。
安部
そんなに!
──
フリーのクリエイターさん‥‥というと、
職種的には‥‥?
小形
演出家さんだったり、作画さんだったり。
基本的には、
原画や動画を描いてらっしゃる方々です。
いまでもフリーの方が多い職種なんです。
──
へええ‥‥作画の方は、
フリーのイメージがあったんですけど、
演出家の方もフリーなんですね。
小形
そうですね、演出家の方もフリーです。
とくに作画さんは、
いま、なかなか「なり手」がいないので、
育成していこうという
会社的な取り組みもあるんですけれど、
基本的に、
このホワイトベースでは、
フリーの方と
ぼくら200人くらいの社員が一緒になって、
作品をつくっているんですね。
──
ええ、ええ。
(ホワイトベース、なんだよな、ここ‥‥)
※バンダイナムコフィルムワークスの拠点は、
「ホワイトベース」という名称なのである。
小形
で、日々ああでもないこうでもないって
ときには
ケンカもしながら作品をつくってますが、
やっぱり、ファンの方の声を聞くと、
うれしいし、そんな苦労も報われますね。

『機動戦士ガンダム』より ©創通・サンライズ 『機動戦士ガンダム』より ©創通・サンライズ

(つづきます)

2022-10-03-MON

前へ目次ページへ次へ