もともとお笑いの世界にいながら、
ひょんなきっかけで画家としても
活躍されるようになったジミー大西さん。
現在、画業30年記念展の真っ最中です。
ほぼ日のYouTubeチャンネル
「ほぼべりTUBE」では先日、
そんなジミーさんのアトリエにお邪魔して、
たのしい時間をご一緒させてもらいました。
（「ほぼべりTUBE」でご覧いただけます）
‥‥と、このとき、
20代のほぼ日乗組員、ひなともえが、
人生の大先輩であるジミーさんに、
これまでのことや仕事について、
いろいろとお話を聞かせていただきました。
岡本太郎さんや横尾忠則さんのこと、
明石家さんまさんとのエピソード、
個性はどう見つける？といったことなど。
その時間がおもしろかったので、
「ほぼ日刊イトイ新聞」の読みものとして
ご紹介させていただこうと思います。
どうぞ、おたのしみください。
ジミー大西（じみー・おおにし）
1964年大阪生まれ。
画家、お笑いタレント。
1982年、吉本興業に入社。
明石家さんまさんの運転手を務めながら、
芸人としても活躍。
1992年、テレビ番組の企画で絵画発表、
注目を集める。
1993年に初の個展を開き、
本格的に画家としての活動を開始。
現在、画業30年を記念した作品展
「POP OUT」が全国巡回中。
作品集に『Jimmy Onishi ART WORKS
1993-2022』（ヨシモトブックス）など。
- ひな
- ‥‥ジミーさん、今描いてる絵は、
北海道の展覧会用ですか？
- ジミー
- 北海道用。
60パーセントはいけてるやろ？ - （ジミーさんとほぼ日乗組員のひなは、
もともとプライベートでも友人同士です）
- ひな
- 確かにけっこうできてますね。
‥‥ね、絵の下に本が積んであるの、
なんで？（笑）
- ジミー
- こうやる（かがみこんで描く）から、
首が痛いねん。
どんどん積み重ねたいぐらいやわ。
- ひな
- しかも占いの本ばっかり‥‥。
『姓名判断開運術』
『秘密瑜伽占星法』‥‥。
- ジミー
- その本（『秘密瑜伽占星法』）、
10万するんやで。
もともと１万8000円やったけど、
今は10万以上出さないと古本が買えない。
そんな本を下敷きに（笑）。
- もえ
- あ、もしかして、占いできるんですか？
- ひな
- ダメ！ そんな振りしちゃダメ！！
- ジミー
- 誕生日と画数でね。
占い、ちょっといってみましょうか？
- ひな
- いいですいいです！ あとででいいです！
- ジミー
- 締め切り近いし、時間かかるから
今日はせえへんで（笑）。
ひなちゃん、前に占ってるやんな？
- ひな
- なんども占われてますよ。
- もえ
- ここにある暦表も、
なんだか書き込みがすごいですね。
- ジミー
- ぼくね、自分のスケジュールを
この暦表に書いているんですよ。
なんでか分かります？
- もえ
- え、なんでですか？
- ジミー
- ぼく、日があるんですよ。
だからこれで悪い時期を避けるんです。
「こんときは絶対動かんぞ」みたいな。
- もえ
- おおー、そういうのを大事にされている。
- ジミー
- だからマネージャーが
「ジミーさんのスケジュール、暦表や」
言うて、ケラケラケラケラ笑いよる（笑）。
- もえ
- 今日はいい日ですか？
- ジミー
- 今日？ 中ぐらいやな。
- もえ・ひな
- （笑）
- ジミー
- もうええわ。それより絵描くわ。
- ひな
- そうだ、おみやげもってきたんだ。
約束の「おちつけ」グッズ。
キーホルダーと、こっちはピンバッジ。
- ジミー
- わぁ、ありがとうございます。
さんまさん、ラジオで言うてはったで。
ほぼ日の「おちつけ」グッズもらったって。
- ひな
- そうなんです。
前に、お渡しさせていただいて。
しかも、スマホの裏に
ボンドでつけてくださってて。
- ジミー
- おれも「おちつけ」グッズつけよ～！
ピンバッジつけよ～！
- ひな
- もっとおちついてください（笑）。
- ジミー
- だれがおちついてないねん！
- （笑）とりあえず‥‥置き場がないからここに。
おこられるで。
- ひな
- どうしてたわしの上に（笑）。
- あと、よく汗ふいてるから、
ほぼ日のハンドタオルと、
横尾（忠則）さんの本も持ってきました。
- ジミー
- おみやげ、ええのに。
横尾さんの本も出されてるんや。
- ひな
- そうなんです。
この本、すごくおもしろいですよ。
- ジミー
- ぼくね、いちばん最初に絵を描いたとき、
横尾さんに言われたんですよ。
「絵を本業にするな」って。 - もう忘れもせんわ。
「あくまでも趣味で描いたほうがいいよ。
職業にすると自然な色が出てこないから」
って。
- もえ
- へぇー！
- ジミー
- いまになって、それがすーっと分かりますね。
みんなに見てもらうと思うと、
うまく描こうとしてしまうんよ。
すごく分かる。
- もえ
- それは、どういうときに言われたんですか？
- ジミー
- いろんなタレントさんが描いた絵を
オークションするっていう
テレビ番組の企画やね。 - でもみんな、絵描くのうまいやろ？
だからさんまさんが
「もうオチやけどな」って言って、
最後にぼくの絵を紹介したんです。 - そしたら‥‥あんな値段がつくなんて
思わへんかったわ。
- もえ・ひな
- おおー。
- ジミー
- そのときに、横尾先生や、
もう亡くなられてしもたけど
大島渚監督からもアドバイスもろたんよ。 - しかもその番組を、
岡本太郎先生が見てくださってて。
「キャンバスからはみ出せ」って、
FAXで手紙を送ってくれたんです。
- もえ
- すごい。
- ジミー
- だから、あれからやな。
太郎先生のあの手紙がなかったら、
ぼく絵描いてへん。 - ほんで太郎先生は亡くなられたけど、
あとで岡本敏子さん
（太郎さんのパートナーであり養女の敏子さん。
マネージャー的なこともされていた）が、
「あの手紙、ほんまですよ」って教えてくれて。 - それ以降、太郎先生関連の仕事を
よう回してくれてたんです。
- ひな
- ジミーさんが前に「ほぼ日」に
出てくださったのも、
岡本太郎さんの特集コンテンツでしたよね。
20年くらい前。
- ジミー
- そうそう。
糸井さんにもお世話になりました。
- ひな
- そして今年で絵を仕事にされて30年。
‥‥それだけ続けるって、
すごい大変なことですよね。
- ジミー
- まぁ、ぼくも途中で５年間、
ちょっと休んだんですけどね。 - でも、なんでも続けることは大変なことですよ。
- ひな
- なにかを続けるコツってあったりしますか？
わたし、すごく飽きっぽいんですよ。
- ジミー
- コツは気分転換ですね（笑）。
ずっと家におらずに遊びに行くこと。
それがいちばん大事かなって思いますね。
ユニバ行ったり、ユニバ行ったり、
ユニバ行ったり‥‥。
- ひな
- ユニバばっかり！（笑）
- ジミー
- （笑）だけどまあね、
そういうことをしながら、やりきる。
もうやりきってしまうんだね。
- ひな
- ‥‥やりきらないとダメ。
- ジミー
- うん。なにかが完成するまでは、
ちょっと頑張んないとね。
そうしないと評価がないよ。
- ひな
- 確かにまずは
見せられるところまでいかないと、
誰も見てくれないですもんね。
- ジミー
- 評価なんて、あとでついてくる
ものやからね。 - やめたくなったとしても、
途中なんだったらそれは、
「いいか・悪いか」判断できるところまでも、
まだ全然いってないかも分かんないからね。
- もえ
- あぁ。
- ジミー
- だから、そのあいだは環境変え、何々変え、
とにかくやりきる。
「飽きたら違う場所でやってみる」
とかもいいし。 - あとは、みんなが一所懸命に
仕事してるところの横でなにかするのも
ええことや思いますけどね。
いろんな刺激を受けますから。
- ひな
- そっか。そうですね。
- ジミー
- ‥‥でもとにかく、
あきらめたらちょっとね、もったいない。
- ひな
- はい。
- ジミー
- まあ、あきらめるいうのは、
さんまさんも嫌いや思うで。 - だからぼくはいつでも、絵については
あきらめずに描こうと思ってますね。 - どうしようもないときは
締切を延ばしてでもね、やりきるんです。
（つづきます）
2022-10-03-MON
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協力：ブラインドライターズ