毎週日曜日にたくさんの視聴者を
テレビの前に集合させた大河ドラマ、
『鎌倉殿の13人』がNHKオンデマンドで
全48回すべてを観られるようになります。
それを記念して、実衣役の宮澤エマさんと
ドラマの大ファン糸井重里が対談し、
オリコンニュースさんの広告記事になったのですが、
その場だけではとても収まらず、
急遽、ぜんぶ掲載バージョンを
ほぼ日に掲載することになりました。
宮澤エマ（みやざわ・えま）
女優。11月23日生まれ、東京都出身。O型。
カリフォルニアオクシデンタル大学卒業。
2012年 、芸能界入り。
映画『記憶にございません！』、
舞台『日本の歴史』、
NHK連続テレビ小説『おちょやん』など、
数々の作品に出演。
- 糸井
- たくさんしゃべってきましたけど、
まだまだ名前を挙げてない人がたくさんいますね。
- 宮澤
- いや、もう、全員について、思い出すこと、
言いたいことがありますから。
- 糸井
- ほんとうにきりがないです。
どうしても終盤の印象が強いですけど、
途中でいなくなった人たちもたくさんいますし。
- 宮澤
- 佐藤浩市さんの上総介の死とか、
中川大志さんの畠山さんもすてきだったし、
金子大地さんの頼家の死だってすごかったし‥‥。
- 糸井
- 川で死んじゃった最初の奥さんと、
小四郎のきのこのやりとりとか
おもしろかったなぁ。
- 宮澤
- 八重さんですね、新垣結衣さん。
３人もすばらしい奥さんでした。
- 糸井
- それぞれに個性があってよかったですね。
- 宮澤
- あと、すごく個人的な思い入れになるんですけど、
実衣の息子の時元という人物がいるんです。
いってみれば彼は鎌倉の中枢から
ものすごくないがしろにされてるんですね。
でも、終盤にすごく大きな事件が起こって、
実衣と時元が、短い時間ですけど
ふたりで話す場面があるんです。
そういうふうに親子で向き合う場面って、
じつはそれまでほとんどなくて。
時元は、歴史上の人物として見てみると、
正直、重要な人ではなくて、
それはもうしょうがないんですけど、
あの親子のシーンが短くてもあったことで、
名前を残さなかった人たちの生き様にも、
愛が注がれている物語なんだなと思ったんです。
歴史がどうこういうんじゃなくて、
ふつうに母親の愛が欲しくて生きていく息子とか、
なんかそういう瞬間、そういう観点を、
忘れずに描いてくださっているんだなと。
いまから『鎌倉殿の13人』を観る方は、
そういうとろにも注目しながら
観ていただけるとうれしいなと思います。
- 糸井
- そうですね。
いまからこの物語を観る人もいるんですね。
歴史に残ってる人も、残ってない人も、
ひとりひとり、おもしろいですよ。
- 宮澤
- そうですね。
なにしろ、まったく個性の違う人たちが
たくさん出てきますから、
いわゆる「推し」という観点からいうと、
観る人それぞれにきっと刺さるキャラクターが
いるんじゃないかと思います。
- 糸井
- 観てると自然に好きな人ができてくるというか。
- 宮澤
- はい。でも、あんまり好きになると、
ちょっとつらいことになるかも（笑）。
- 糸井
- そういうことが、ありますね、このドラマは。
でも、ぜひ、そういうところも含めて、
たのしんでもらえれば。
あと、これから観る人に
おもしろがってほしいんですが、
『鎌倉殿の13人』って、
すごろく型の展開じゃないんですよね。
主人公が生きて、成長して、進んで、
どんどん新しい場所に行って、
登場人物もどんどん変わって、
っていうんじゃなくて、鎌倉という
ひとつの場所に居着いている話なんですよね。
- 宮澤
- ああ、たしかに。
- 糸井
- だから、全48話の長い物語ではあるんですけど、
観ていても「いま、なんだっけ？」
「どこだっけ？」「誰だっけ？」ってなりづらい。
鎌倉ぜんたいがひとつのホームになるというか。
- 宮澤
- そうですね。
- 糸井
- ホームが鎌倉のホームドラマを
ぜひ、たのしんでいただければと。
で、アウェイが京都。
- 宮澤
- はい、京都はアウェイです（笑）。
- 糸井
- いやーー、ずいぶん、しゃべりました。
- 宮澤
- はい、語りました。
- 糸井
- やっぱり、しっかり本気で観てたからね。
１年、ひとつのドラマをずっと観てるって、
けっこうすごいことですよね。
- 宮澤
- ほんとですよね。
そして、たぶん、このドラマって、
５年後に観ても色あせないと思う。
５年後も、10年後も、その先も。
- 糸井
- そう思います。
これって、ぜんぶで48話？
- 宮澤
- 48話です。
- 糸井
- 48っていうと、７×７＝49か。
いや、海外のドラマでよくある
７話ずつのシーズンで考えると、
「７シーズンの連ドラ」ですよね。
- 宮澤
- ああ、そっか、ほんとだ（笑）。
- 糸井
- 外国のドラマとかを観るときって、
なんとなくそういう感覚あるじゃないですか。
- 宮澤
- あります、あります。
そう考えると、なんて贅沢な。
７シーズン分も続いたドラマなんですね。
- 糸井
- そんなドラマについて、
今日はたくさんしゃべれてうれしかったです。
- 宮澤
- はい、ありがとうございました。
- 一同
- （拍手）
- 糸井
- おもしろかったね。
- 宮澤
- おもしろかったですね。
- 糸井
- いいドラマは、終わったあとに、
こういう機会が持てるのもいいよね。
- 宮澤
- ほんとですね。
（最後までお読みいただき、ありがとうございました）
協力：NHKオンデマンド ORICON NEWS
写真：仁科勝介
2022-12-31-SAT