かなりの人もそうだと思うけれど、
全国の天気予報は毎日見る。
いまの季節は積雪。
気象庁の積雪の深さ一覧表を見ていると、
同じ日本でも全然違う世界なんだろうなあと思ってしまう。
まだ雪国で冬を越したことがなくて、
ゆくゆくはその機会をつくりたいとも思う。
軽い気持ちというより、
自分にはまだ足りていないことだから。

それに、天気予報を見る動機として、
「もし東京で雪が積もる日があれば」と思う。
とはいえ現時点では、
まだ気配も感じないのが正直なところだ。
あくまで現時点でだけれど。

この日は午前中まで雨予報で、
午後からは晴れの予報だった。
お昼に家を出るときには雨が止んだので、
予報通り神田に着く頃には
晴れているかなと思っていたら、
着いてもまだ空がどんよりしていて、
世界がグレー色だった。
そして、散策していた途中からは
いよいよ雨が降ってきたのだった。

天気予報が当たらない日もあるなあ。
それでも、すぐに雨は止むだろうと思っていた。
しかし、雨脚はどんどん強くなるばかり。
冬の雨が体を冷やす。
やっぱり天気はわからないと、
いろいろ振り出しに戻った気持ちになった。

やがて、空から光が差し込んで、
天気雨に変わった。
そのときに雨粒が、
光を浴びてはっきりと目に映ったのだった。
雪の日の写真も撮りたいが、
雨の日に撮りたい写真があるとすれば、
雨粒が写っている写真だった。
いままでそれは神田で撮れずにいた。
条件として雨粒が大きい必要があって、
日光が差し込んだ上で、
背後が暗くなければならないから。
この日はその条件がすべて整っていた。
想定外の天気の日に、
もっと想定外の機会がやってきた。
秋葉原の東、
神田川に架かる美倉橋のそばで写真を撮った。