2019年の夏の終り、
ほぼ日の山下と光井は富良野を訪れました。
『北の国から』の展覧会を開く準備のために。
せっかく北海道に行くのだから良い写真も撮ってほしくて、
写真家の池田晶紀さんにも同行してもらいました。
池田さんは『北の国から』の大ファンなんです。
その道中を振り返って、レポートします。
ゆるゆるとした記録ですが、
レポートの中には「北の国から資料館」の館長だった、
仲世古善雄さんへのインタビューも、あります。
そこでは貴重なお話を、たっぷりどうぞ。
いや~、
富良野はいい場所でしたよ~。
- 山下
- 拝啓、光井ちゃん。
- 光井
- はい?
- 山下
- 拝啓、光井ちゃん。
- 光井
- なんですか。
- 山下
- ぼくらは富良野に行ってきたわけで。
- 光井
- ‥‥ああー、それはあれですね、
『北の国から』に入る、
純のナレーションですね。
「拝啓、恵子ちゃん。
ぼくはいま、富良野にいるわけで」
- 山下
- そうです。
最近、ぼくはまた、
『北の国から』を最初からぜんぶ観たわけで。
- 光井
- 何回めですか?
- 山下
- たぶん5回めくらいなわけで。
- 光井
- ナレーション口調はもういいです。
だいたい、
ドラマを観てない人にはなんのことだか‥‥
- 山下
- わからないでしょう。
でも、それはもう、しょうがない。
大の大人が
いまだにこんなに夢中になっているのを見て、
若い人には
「そこまでさせるドラマってどんなのだろう?」
と思ってくれればしめたものです。
- 光井
- たしかに。なるほど。
わたしも『北の国から』ファンだけど
観てない人にすすめるのは難しいです。
- 山下
- 「ほぼ日曜日」で開催する
『北の国から』展もそうです。
まずはファンが盛り上がることで、
観てない人にも興味をもってもらいたい。
- 光井
- はい。
- 山下
- というわけで、
ぼくらは富良野に行ってきたわけで。
- 光井
- 行ってきました。
『北の国から』展の準備のために。
- 山下
- せっかく富良野に行くのだから
きれいな写真を撮っておきたい。
いっしょに行くのなら、
『北の国から』のファンがいい。
- 光井
- そこで、
写真家の池田晶紀さんにも
いっしょに行っていただきました!
- 山下
- 池ちゃんでーーす!(拍手)
- 池田
- いやぁ~、感謝感謝感謝!
- 山下
- わはははは! モノマネが、スゴイ!
- 池田
- 感謝感謝感謝!
- 光井
- 『'89帰郷』の冒頭、居酒屋の五郎さんだ。
モノマネのクオリティが高い‥‥。
- 池田
- 息子からの仕送りで‥‥飲んでます。
感謝感謝感謝!
- 山下
- 似てるなぁ(笑)。
そんな池ちゃんは、
いつから『北の国から』を観ました?
- 池田
- えーと(モノマネをやめる)、
ぼくはスペシャルからですね。
- 山下
- 連続ドラマは、あとで観た。
- 池田
- そうですね、
連続ドラマのころは3歳とかでしたから。
- 光井
- わたしも、スペシャルから観はじめました。
- 山下
- そっかー、ぼくは当時高校生で、
連続ドラマを最初の放送で観てました。
- 池田
- それはうらやましいですねぇ。
- 山下
- という3人で、
富良野に行ってきたわけで。
- 光井
- 去年の夏の終りでしたか。
- 池田
- 9月の頭だったから、
もう秋ですよ、北海道では。
- 山下
- ぼくと光井ちゃんが先に到着しました。
ええと‥‥(PCを操作)、
こんな感じで。
- 池田
- 山下さんが運転。
- 光井
- こわかったです‥‥。
- 山下
- 安全運転に徹しました。
でも、運転が得意ではないぼくでも、
北海道の道路はとても走りやすかったです。
なにしろまっすぐですから
- 光井
- その油断もこわかった‥‥。
- 山下
- そうですね、油断はいけません。
法定速度を厳守して、
ゆっくり進むフロントガラスに見えるのは
すばらしい景色ですよ。
- 光井
- すばらしかったんですけど‥‥。
- 山下
- ぼくらの写真じゃぜんぜんダメだ。
- 池田
- そんなことないですよ。
風景は難しいんです。
見た感じには撮れない。
- 山下
- フォローをありがとうございます。
こうして、ぼくと光井ちゃんは
池ちゃんと合流する前に、
さっそくちょっと
『北の国から』ゆかりの地を訪ねました。
- 光井
- こことかですね。
- 池田
- はい、富良野プリンスホテル。
- 山下
- うわーって思いました。
ドラマに何度か出てくる場所なので。
- 光井
- あとはここに。
- 池田
- 「富良野・ドラマ館」。
これは、新プリのほうにあるんですよね。
- 光井
- ええ。新富良野プリンスホテルのとなりに。
- 山下
- 『北の国から』の限定グッズが
たくさん売ってて。
- 光井
- わたしはこれを買いました。
- 池田
- ああー(笑)、いいですね。
- 山下
- ドラマのファンの方が
けっこういらっしゃいましたよ。
- 光井
- 『2002遺言』からずいぶん経っているのに、
すごいことですよね。
- 山下
- ねえ!
そして、
そうこうしているうちに約束の時間が。
- 池田
- 約束って‥‥ああ! 倉本先生。
- 光井
- はい、『北の国から』原作脚本の
倉本聰先生にごあいさつにうかがう約束です。
- 池田
- 行ってきましたか。
- 山下
- 行ってきました。
- 池田
- お会いしたんですね。
- 山下
- お会いしました。
- 池田
- どうでした?
- 山下
- 緊張しました。
- 池田
- そのときの写真は?
- 光井
- や、撮れなかったです。
取材のお約束じゃなかったので。
- 山下
- リスの写真は撮りました。
- 池田
- なにこれ?(笑)
‥‥あ、よく見るとリスがいる。
なんなんですか、でもこれ(笑)。
- 山下
- 倉本先生のアトリエの窓の外に
リスがいたんです。
「あ、リスだ!」と言って撮りました。
- 池田
- 先生とお話しの最中に?
- 山下
- ええ。
- 光井
- これを撮ってる山下さんのうしろに
倉本先生がいらっしゃるわけです。
- 池田
- どんなお話をしたんですか?
- 山下
- 基本的には、ごあいさつを。
渋谷PARCOで『北の国から』展を開きたいです、
という。
- 池田
- そしたら?
- 山下
- 「いいですよ」と。
とてもやさしくしていただいて。
- 池田
- へえーーー。
- 光井
- わたしたちは一方的に
『北の国から』への愛を話しました(笑)。
- 山下
- 先生は富良野に住んでいるので、
この場所での暮らしについてうかがったり。
- 池田
- ああー、よかったですねぇ。
- 山下
- はい。
最初にごあいさつがしたかったんです。
- 池田
- それはよかった。
- 光井
- ごあいさつが終わってから、
「北の国から資料館」の展示品が保管されている
収蔵庫に向かいましたね。
- 山下
- そうそう。
そこがもう、お宝の山で‥‥。
- 光井
- 目移りしながら「ほぼ日曜日」で展示するために
お借りするものを選ばせていただきました。
- 山下
- もう、ここまでで、
この旅の重要な部分は終わったと言えます。
- 池田
- ほんとだ、終わちゃったよ(笑)。
- 山下
- でもここで、池ちゃんと合流です。
- 光井
- ほっとしましたー。
運転と写真が心配だったので。
- 山下
- 上富良野で合流しましたよね。
- 池田
- そう、吹上温泉で。
- 山下
- そこで池田さんが撮った写真がこちら。
- 光井
- わあーー‥‥。
- 池田
- 十勝岳です。
活火山の稜線を雲が流れてて、きれいでした。
- 山下
- ほんと‥‥池ちゃんといっしょでよかった。
- 池田
- 吹上温泉には、
五郎さん(田中邦衛さん)と
シュウ(宮沢りえさん)が
いっしょに入ったシーンで有名な
混浴の露天風呂があるんです。
- 山下
- 露天風呂、男性が数名入ってましたね。
- 池田
- 入ってた。
入ってたから写真は撮れなかった。
光井ちゃんが近づいてくるから、
「来るな!」って(笑)。
- 山下
- (笑)ちょうど夕日が差し込んできてね。
- 池田
- 露天風呂のかわりに、
夕日に映える光井ちゃんを。
- 光井
- はははははは。
- 山下
- という、一泊二日の初日でした。
(つづきます)
2020-01-29-WED