この漫画のもとになった投稿
遠くて通うのが大変だから。
ひとつランクを落としても、
大学には行けるからという
たったそれだけの理由で、
特別に勉強をしなくても入れる
高校を受験して
通うことになった。
イジけた気持ちがずっと
心の底に澱のようにあり続けた
高校時代だった。
２年生のときだったか、
３年生のときだったか、
記憶もあいまいになってしまったけれど、
クラス対抗の体育大会で、
運動部に所属していない私が
1000m走にクラスの代表として
出ることになった。
スタートのピストルが鳴る前から、
少しでも良い位置で走り出したいのか、
前の方で
肘で小突きあっている同級生を見て、
ものすごく自分が場違いなところにいるような、
そんな気がして、
自分にできる精一杯の走りをなんて
考えすら起きず、
もっと速く走れたのに、ゆっくり走りました。
あのときは、こんな罰ゲームみたいなのから
早く解放されたいと思っていたけど、
今になって、たまに、
かつてないくらいの最速の走りをしてやろう
みたいな考え方が、
スタート直前の小突きあいを見たときに
できればよかったなぁと後悔しています。
（クラス代表は向いていなかった
／いつかの「今日のざんげ室」より）
2024-05-04-SAT
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エピソード、募集中です。
あなたの心のなかにある大切な思い出や
忘れられないエピソードを
よろしければ、メールで教えてください。編集部で大切に拝読させていただき、
今日さんとも相談のうえ、
採用された投稿は
今日さんに漫画にしていただきます。あるていど「長さ」のある文章のほうが
物語にしやすいかもしれません。
みなさんのご応募を、お待ちしています。
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「今日の小ネタ劇場」とは
2005年から連載を開始した読者投稿コンテンツです。2022年時点ですでに17年以上、「今日のコドモ」「今日のダンナ」「今日のじーばー」「今日の気になるあいつ」….などの20以上のカテゴリから、日替わりで毎日欠かさず3ネタを更新してきました。アーカイブを残していないため、その日のネタは、その日にしか読めません。2016年には、過去の傑作から選りすぐって書籍化もされました。ほぼ日に来たら、まずはここからという読者も多い、大人気のコーナーです。今日の「今日のコドモ」は、こちらからどうぞ。
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今日マチ子
漫画家。1P漫画ブログ「今日マチ子のセンネン画報」の書籍化が話題となる。文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に4度選出。戦争を描いた『cocoon』は「マームとジプシー」によって舞台化。2014年に手塚治虫文化賞新生賞、2015年に日本漫画家協会賞大賞カーツーン部門を受賞。『みつあみの神様』は短編アニメ化され海外で23部門賞受賞。コロナ禍の日常を絵日記のように描いた近著『Distance わたしの#stayhome日記』が、2022年1月『報道ステーション』にて特集された。
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漫画：今日マチ子
編集：奥野武範（ほぼ日）
デザイン：杉本奈穂（ほぼ日）
感謝：「今日の小ネタ劇場」を愛する
すべてのみなさま