さあいよいよGWは「生活のたのしみ展」。
「ほぼ日」内の飯島奈美さんのウェブショップ
「SUPER LIFE MARKET」では、
いままでに展開してきた食品・グッズ・書籍に加え、
新製品がずらりとならびます。
すでに「生活のたのしみ展」サイトでも
お伝えしておりますが、
新製品のこと、もっと知っていただきたくて、
ここで、さらにくわしい情報をまとめました。
ここで紹介したアイテムの一部は、
後日ウェブショップにもならぶ予定です。
どうぞおたのしみに!
[対談]児玉洋樹(lelill)×飯島奈美飯島さんの念願だった
オリジナルのエプロンが
できました。
じつは、飯島さんと「ほぼ日」で
「エプロンをつくりたいですね」
というお話を始めたのは、かれこれ10年ほど前のこと。
フードスタイリングという職業柄、
毎日のようにエプロンを使う飯島さんにとって
エプロンに求めたい第一条件は「機能的であること」。
もちろん「清潔感」だとか「おしゃれさ」も
大事な要素ですけれど、
長く着用していても疲れない工夫であるとか、
脱ぎ着のしやすさとか、
メモやボールペン、携帯をしまうポケットであるとか、
そういう機能性って、なによりも重要なのです。
けれどもあまたのエプロンを使ってみての思いは
「もうちょっと、ここがこうだったら」ということばかり。
ならば、つくりましょう! ‥‥でも、どうやって?
その答えが、ようやく出ました。
機能性にすぐれるレディスウェアをつくるブランド
「lelill(レリル)」のデザイナーである
児玉洋樹さんと組んでの、
「SUPER LIFE MARKET」初のアパレルです。
いいものが、できました。
同時に「いろんな布もの」も開発。
そのいきさつ、どうぞごらんください。
児玉洋樹(こだま・ひろき)
1972年東京生まれ、専修大学卒業。
ジーンズメーカー・エドウィンでキャリアをスタート、
2004年にアパレル「アナディス」の創業メンバーに。
「Luxluft」のデザイナーとして15年活躍したのち、
2020年春夏シーズンに「レリル(lelill)」を立ち上げる。
年齢にとらわれないベーシックなアイテムを、
機能性素材/自然素材/デニムの3つのラインで展開。
- ──
- なぜ10年も「飯島さん理想のエプロン」が
実現しなかったかというと、
やっぱり飯島さんとつくるからには、
ただかわいいとか、ただおしゃれなだけじゃなくて、
機能的なものがつくりたいっていうことがあったんです。
でも、それを一緒に考えてくれるデザイナーがいなかった。
そんななか、「白いシャツをめぐる旅。」で
児玉さんと知り合って、やっと現実味を帯びてきたんです。
- 児玉
- お声掛け、ありがとうございます。
- ──
- 児玉さんだったら
新素材も含めて、いろんな生地にくわしく、
デザインとパターンによる機能性についても詳しい、
そしてなによりフットワークの軽い方なので、
相談してみようというのが最初でした。
児玉さんは、最初の
僕らのリクエストをどう思われましたか?
- 児玉
- プロの方を前にして言うのもなんですが、
僕も料理が好きで、よく作るんですよ。
だから正直「エプロン」っていわれたときに、
「エプロンって、もう完成しているものじゃない?
これ以上なにをやれるの?」と思いました。
でも実際に飯島さんと話してみると、
「え? そんな細かいところまで?」
という「こうしたい」という思いが
すごくたくさんあることがわかって、
なるほど、それは自分にとっても
いいチャレンジになるだろうと。
たくさんある飯島さんのリクエストを、
どうやってひとつのエプロンとしてまとめようか、
そこからのスタートでしたね。
- 飯島
- とりあえず「ぜんぶ」ぶつけてみました。
- 児玉
- マシンガンのように来ましたね(笑)、
ぜんぶ受け止めましたよ!
そのときに飯島さんが言った一言があって、
それは「洋服っぽいものが欲しい」でした。
それを聞いた瞬間に、
その方向で行こう、と決めました。
- 飯島
- 基本、エプロンって
「首にかける」ものが多いんですよ。
でも私は「着る」ものがいいなと。
なぜなら、それだと肩が凝らないからです。
だから洋服っぽいほうがいいかなって。
- ──
- その後、飯島さんが
「こういうことなんです」と、
民族衣装みたいなものを
持って来られたんですよね。
- 飯島
- そうでした! あれは、タイのムン族の衣裳ですね。
- ──
- お祭りに使うものなのか、とても素敵なものでした。
ワンピース型の、いわゆるジレのかたちで、
ラクさ、簡単さ、脱ぎ着のしやすさがありました。
男性には似合わない感じのデザインでしたけれど。
- 児玉
- あれがエプロンを考えるときの
ブレークスルーになりました。
それが今回のジレ型エプロンにつながるんですから。
- ──
- 今回、2つのかたちのエプロンが出来ました。
ひとつがその「ジレ型」で、ちょっとフェミニン。
もうひとつは「ワークウェア型」で、
性別に関係なく着ていただけそうなデザインです。
共通しているのは、脱ぎ着がしやすいこと。
五十肩の人でも、なるべくつらくないように
デザインされていますね。
- 飯島
- そうなんです、年齢のこともあるんですよ。
私も若かったら、
肩なんていくらでも上がるんですけれど、
「歳を重ねると、服の脱ぎ着もたいへんになるんだ」
ということが、だんだんわかってきて。
- ──
- それで「洋服としてのエプロン」の方向に、
一気に舵を切ったわけですね。
- 飯島
- はい。
- 児玉
- ここまでいったら、完全に洋服ですね。
- ──
- 僕ら、エプロンはエプロン、
洋服とは別なんだということを、
児玉さんと話すまで理解していませんでした。
- 児玉
- 通常はエプロンはユニフォーム屋さんが
シンプルなパターンをもとに作るんです。
でも今回はパターンが複雑で、
こまかな仕様があるので、
洋服の工場で縫っています。
クオリティの部分では恐らく
通常のエプロンのレベルを
高く逸していると思いますよ。
生地も、洋服に使うもののなかから選びました。
- ──
- 生地選びは、どういう考え方で?
- 児玉
- エプロンは「火・熱」が一番怖いものでもあるので、
耐熱性の高い素材がいいと考えました。
綿は、他の繊維と比べても耐熱性がかなり高いんです。
みなさんお使いの軍手やミトンは綿のものが多いですよね。
天然繊維のなかでは麻とほぼ同じでトップクラス、
絹や羊毛より耐熱温度が高いと言われます。
化学繊維だとナイロンがやや燃えにくく、
ポリエステルは燃えやすいという特徴がありますが、
どちらも熱で溶けます。ナイロンの融点は225℃、
ポリエステルは225℃からと言われます。
でも綿は熱で溶けることはありません。
といっても完全な防火ではありませんから、
275度から燃焼が始まります。
そんな個性を総合して考えると、
飯島さんのエプロンは綿100%でいきたいと思いました。
ただ、綿にしたのはもうひとつ理由があります。
長く愛用していったときに、
綿はデニムみたいに味が出るんですよ。
そのほうが愛着が湧くかなと思ったんです。
そういうことを踏まえて、
今回は「タイプライタークロス」という生地を
使っています。
糸が高密度に打ち込まれているので
強度もあるし、なおかつ薄い。
飯島さんが最初に「重いのは嫌です、肩が凝るから」と
おっしゃっていたので、そこは大切にしました。
- 飯島
- 「いっそ、ペラペラでもいい」
みたいな感じでしたね(笑)。
- ──
- 最初、4型、つくったんでしたっけ?
- 児玉
- そうです。
そのうちインパクトのある
2つが採用されました。
- 飯島
- その試作品を、実際に着て、
改良してもらいましたね。
「かわいい!」って周りからも言われたりして、
それも重要なポイントでした。
- 児玉
- 大事ですよね、ありがたいです。
- 飯島
- これはきっとみんなに喜ばれるデザインだし、
人気が出そうだなと思っています。
- ──
- では、それぞれの特徴を、
くわしく紹介していきましょうか。
まずはいま話題に出た「ジレ型エプロン」から。
そのまま外出できるデザイン、ジレエプロン。
- 児玉
- これはさっき飯島さんがおっしゃっていた
タイの民族衣装から着想しました。
このエプロンに関してはもう、
完全に「洋服」のつくりです。
着たまんまお買い物に行っても大丈夫。
前を開けて羽織ることで、
ジレにしか見えないようにつくってあります。
「えっ、エプロンなの? 洋服じゃなくて?」と
言われるくらいのところを狙ってつくりましね。
- ──
- たしかに、きちんと締めると、
ちょっとワンピースっぽいですよね。
- 飯島
- そうですね。
腰の紐のとめかたで、
ひだをどこに出すかで印象も違う。
- 児玉
- 前じゃなく、後ろにひだを
寄せてもらってもいいですよ。
- 飯島
- 紐を結ばずに着ても、
またかわいかったりする。
- 児玉
- 紐を結ばないときに
邪魔にならないよう、
そして先端をポケットにしまいやすいように、
ループをつけています。
ボタンをはずせばもう完全にロング・ジレです。
- ──
- ジレはここ数年、
街でよく見るようになった印象があります。
- 児玉
- そう、一昨年ぐらいからですね。
ロング・ジレは、いまの女性誌で
スタイリングとしてマストになってきていますね。
トレンドっていう意味でも、
これはすっごくいいと思います。
- ──
- いいですね。かわいい。
- 児玉
- カジュアルっぽい服と合わせてもかわいいし、
きれいなブラウスと合わせてもかわいい。
料理プラスαの楽しみもそのまんまできる、
という感じです。
- ──
- もちろんこれにも、
タオルや手拭いをかける大きめのループも、
ポケットもついています。
- 飯島
- お財布も大きいのが入るから、
このまま買い物に行けますよ。
- 児玉
- そう、お財布の話もしましたよね(笑)。
長財布も入りますよ。
- ──
- 思いつくことは全部やりました。
- 飯島
- やりましたね。ね!
- 児玉
- そんなふうに「全部入れた」のにもかかわらず、
すっきりまとまったなと思います。
これだけガジェットがたくさんあるのに、
ガチャガチャしていません。
- 飯島
- ありがとうございます。
- ──
- では、もうひとつの
ワークウェア型エプロン。
家族みんなで着られるワークウェア型。
- 児玉
- これはほんとうにもう、ワークウェアですね。
「ミリタリーオーバーオール」っていう
フロントのファスナーで脱ぎ着ができる
オーバーオールがあるんですけれど、
そこからイメージを引っ張ってきました。
そうすることで着脱は早いほうがいいっていう
リクエストも叶えられると思ったので。
男性も違和感なく着れるような
感じになっているかと思います。
- ──
- これは男性も使っていただけるように
サイズも大きめまで揃えています。
色も渋いですよね。
- 児玉
- 色は飯島さんが「油が飛んだときに目立たないように」
という具体的なイメージを投げてくれて、
この色になったんですよ。
僕もベストだと思っています。
本当に汚れが目立たないから。
- 飯島
- 着てみますか。
- ──
- あ、ぜひぜひ。
(試着)
うん、かっこいい!
細かい直しをたくさんしたのは
覚えていらっしゃいますか?
- 児玉
- もちろん覚えています。
- 飯島
- ジレ型にもあるんですが、
腰のところにフキンがかかるように
大きめのループがついているんですよ。
フードスタイリングの作業中は、
ちょっと食器拭かなきゃ、とか、
ぱっと手を拭こう、ということが多いんです。
- ──
- 便利!
- 飯島
- ときにはここにコンビニ袋をつけて、
撮影でキッチンペーパーとか入れるゴミ袋に。
- 児玉
- なるほど(笑)。
それはプロの仕事ですね。
- 飯島
- で、ここにペンを入れられる。
- ──
- ペンホルダーがある!
飯島さんはフードスタイリストなので、
いつも資料とか、メモとか、台本とか、レシピとか、
書いたり読んだりするからですね。
- 飯島
- 油性ペンを挿しておけば、
タッパーに中身を書いたりもできます。
- 児玉
- 菜箸入れても大丈夫ですよ。
- 飯島
- ちっちゃいハサミとかも入れられる。
で、ここにはスマホかな。
- 児玉
- 説明文ではあえて
「ガジェットポケット」っていう
言い方をしました。
- 飯島
- ここにガジェット(小さな道具)が入る。
ほんとにもう最高ですね。
取り出しやすいし。
- ──
- 肩のところの処理、
相当工夫してもらいましたよね。
- 児玉
- はい。ずり落ちにくく、っていうところですね。
肩紐の太さ、長さ、アジャスター、
何度も見直しました。
アジャスターはオーバーオールでよく使うタイプの、
さらに軽量版みたいな感じで、
引っ張って調整しやすいようにしています。
エプロンなので、毎日使っていて
苦にならないようなものにと選びました。
- ──
- 長さ調節がしやすい、着脱がしやすい、軽い。
- 飯島
- そしてここが大事、
ジッパーは上からも下からも開けられる!
- 児玉
- はい、スライダーが上下に2つついています。
下から開けられるといいのは、
座ったときに足が開放されやすいこと。
結構細かい部分ですけど、重要です。
- ──
- 男性はスカート状のものだと
足さばきがしづらいから苦手って人もいます。
そういう人は少し開けて
スリットを長めにするといいですよね。
- 児玉
- はい、いちばんいいところで留めて使ってください。
そもそもこのエプロンは後ろのスリットも深めなので、
歩きにくさはないと思いますけれど。
- ──
- さて、どちらも、洗濯は普通にしていいんですよね?
- 児玉
- もちろん、大丈夫です。
- 飯島
- これ‥‥キャンプのときとかもいいんじゃないですかね?
- ──
- いい!
- 児玉
- じつは、そこも少し意識しました。
僕も買うと思います(笑)。
- ──
- ご本人が。
- 児玉
- はい(笑)。
- 飯島
- 色が悩みますよね。どっちもいいから。
- ──
- デザイナーとしては、どうアドバイスされますか?
- 児玉
- 色に関しては、飯島さんのおかげなんですけど、
どちらも、みなさんがお手持ちのものと
比較的合わせやすい色になっていると思います。
何毎日使うものとして、
どっちを選んでもはまるんじゃないかなと思います。
- 飯島
- ひとつ買ったらもう一色も欲しくなっちゃう。
- 児玉
- ちなみに見えにくい部分をアピールしてもいいですか。
内側のこういうところ(縫い目)も全部、
暴れないように裏からテープを叩いているんですよ。
- 飯島
- すご~い!
- 児玉
- 綿は使い込んで、洗濯乾燥を繰り返すことで、
生地が縮みで暴れてくるので、
それを防ぐためのものでもあります。
- 飯島
- ひと手間ですね。
- 児玉
- せっかくの飯島さんとのコラボだったので、
こういうところまできちんと指示しました。
エプロンの縫製って簡単なものが多いんですけど、
今回はすぐに違いが分かってもらえるぐらい
きれいに縫えていると思います。
背中の中心の部分も、
歪まないように全部ステッチが入っているんです。
本当はこんなにいっぱい縫わなくてもいいんですよ。
だけどやっぱり着込んでいったときのことを考えると。
- 飯島
- エプロンは、洗濯も多いですしね。
- 児玉
- この縫い方のほうが
きれいなエイジングをちゃんとしてくれるので。
そこはぼくのデザイナーとしての「しつこさ」かも。
僕の勝手な「ほぼ日」さんのイメージって
「オーバークオリティが常」なんですよ。
そこまでする? というものをつくる。
だから今回も、
どこまで「ほぼ日」っぽく表現できるかなって考えました。
こういうことって、長く使ったときに初めて分かる
部分ではありますけどね。
- ──
- ありがとうございます!
さて、飯島さんと児玉さんとは、ほかにも
いくつか「布製品」をつくりました。
いままでなかったサイズのランチョンマット
- ──
- 今回、せっかく児玉さんにお願いできたので、
「布が得意な児玉さんだから、あれもこれも」と(笑)、
ランチョンマット、風呂敷へと広がりました。
- 児玉
- ランチョンマットは、エプロンと
おんなじタイミングで考えはじめましたね。
「ほぼ日」の方から、
ランチョンマットがほしいんですと。
- ──
- ランチョンマットは、飯島さんのような食卓を演出したい
という「ほぼ日」乗組員女子からの、たっての希望でした。
- 飯島
- (笑)
- ──
- 飯島さんの食卓がほんとに楽しいのは、
器だったり、カトラリーだったり、
ランチョンマットだったりすると。
なかでも「ランチョンマットの存在って大きいよね」
という話になったんですよ。
- 飯島
- たしかに私はよくランチョンマットを用意しますね。
- ──
- 今回はそんな飯島さんが
サイズの提案もしてくださって。
- 飯島
- 通常のランチョンマットのサイズだと、
例えば目玉焼きを乗せたプレートとパン皿、
そこにコーヒーカップ、
あとはお水のコップも、ってなったときに
のりきらないんです。
だからコップは外に出しましょう、
ということになるんですね。
- 児玉
- はい、はい。
- 飯島
- もうちょっと大きければな、ということで
横幅を 長くしたんです。
そのぶん縦幅は減らしたんですよ。
というのも横幅は広いほうがいいけれど、
2人で取り分けたい料理皿を真ん中に置いた時に、
ランチョンマットに乗っちゃうとガタッとするので、
縦幅は使いやすいギリギリに。
- 児玉
- そういうことだったんですね。
改めてサイズの妙を聞きました。
- 飯島
- さらに「2人用のランチョンマット」ですね。
- 児玉
- これがすごいですよね! びっくりしました。
90センチ×55センチ、
テーブルの「向こうとこっち」に渡して使うんです。
- 飯島
- 1人用とは逆の発想で、
大皿ががたつくなら、
2人で1枚にしてしまおう、と。
- ──
- 色もまたいいですね。
エプロンの色選びと似ているんですけど、
お皿って、極端にいうと白と黒と色が基本、
そのどちらも引き立てる色で、
藍や茶系の器も合うと思います。
- 児玉
- 合うと思います。
テーブルの上に拡げるもの、
って感じがする色ですよね。
アイデア満載のストレッチ風呂敷。
- 児玉
- 風呂敷は、
ランチョンマットの素材を検討しているときに
生まれたものですね。
- 飯島
- そうですね。
- ──
- いろいろ素材を見ていると、
ストレッチ素材や撥水素材の存在に気が付いて、
ランチョンマットとしては違うけれど、
風呂敷にしたらいいんじゃないかっていう
飯島さんのアイディアがカタチになりました。
でも実はちょっと意外でした、ストレッチ。
- 飯島
- 伸び縮みしない素材だと、
結び目の跡がすごくついたりしますから。
- 児玉
- かたく締まっちゃうとほどくときが結構大変ですしね。
- 飯島
- この風呂敷はとにかく使いやすいです。
大きめのボタンホールが2角(すみ)に
ついているんですけど、
たとえば旅行に行くときに、
洋服とか下着を包んでスーツケースに入れますよね。
でも、そういうときはゆるっと包めばいいので、
縛る必要はない。
その場合はボタンホールに布の角を入れて
軽く留めたらいいっていう。
- 児玉
- 簡易的にそこで留めておくのはいいですよね。
- 飯島
- しっかり留めたいときは、さらに結わえればいい。
- ──
- しかもこの布は撥水なんですよね。
- 児玉
- 強力な撥水です。
なので、外で食事するときとか
飛行機で機内食を食べるときに
ナプキン代わりにもなります。
機内食はとくに、
ボタンホールを、着ている服のボタンに
ひっかけたりもできるかなと思います。
- 飯島
- 便利ですよね。
- ──
- 色もいいんですよ。
洋服みたいに馴染んで。
- 飯島
- (笑)たしかに馴染みますね。
あと昨日発見したんですけど、
雨の日、傘がないとき、
撥水なので、あたまにかぶってキュッ(留める)。
- 児玉
- なるほど!
- 一同
- (笑)。
- 児玉
- これだけ撥水がかかっていると、
当然汚れにも強いので、
例えば外でちょっと芝生に座りたい、
でもちょっとじめじめしてるな、
というときに、地面の上に敷いても
汚れがつきにくいです。
- 飯島
- それいいですね!
- ──
- 撥水は両面ですか?
- 児玉
- 両面です。だからどっちでも大丈夫です。
- 飯島
- すごい!
水を汲みにも行けますね(笑)。
- 児玉
- 行けます、行けます。
- 一同
- (笑)。
- 児玉
- あとは、冷凍食品を包むのにも向いています。
冷凍食品って移動の間に解凍されて、
水分が染み出たりするじゃないですか。
これなら水が染み出てくることはないです。
水分がたまったら、
手洗い場とかでピッと捨てることもできるので、
非常に便利ですよ。
- 飯島
- はい、ほんとに。
- ──
- しかもほどよいストレッチがきいているから。
- 児玉
- 「ほどよく」ないんですよ。
「とてつもなく」ストレッチがきいてます。
(引っ張って)
こ~~~~~んなに、いきますからね。
- 飯島
- すごい。
- ──
- 破れないですか?
- 児玉
- 多少のことでは破れないです。
ナイロンとポリウレタンをミックスした生地で、
両方に伸びる性質があるので、
4方向に伸びるんですよ。
だから風呂敷で使うとき、
多少カサが大きいものでも、
ギュッと引っ張りながら結わえると、
それだけで安定感も増します。
- 飯島
- たとえば口が開いてるカバンを
隠すのにもいいですよね。
- ──
- 撥水でストレッチってことは、
カメラを包むのにいいかもしれない。
- 児玉
- あぁ、そうですね。
- 飯島
- 雨が降ったらかぶれるし。
- ──
- それ強く推しますね、飯島さん(笑)
- 児玉
- UV加工も施してあるので。
- 飯島
- じゃあ、屋外での撮影のとき、
三角巾みたいにしたり、
首に巻けば日焼けが防げますね。
- 児玉
- そうなんですよ!
- 飯島
- ハッと気付いたら真っ黒になってたりするんですよ。
- 児玉
- フードスタイリストならではの使い方ですね(笑)。
- ──
- 撥水がかかっているとはいえ、
汚れたらどうしたらいいんですか?
- 児玉
- 撥水がかかっているので、
繊維の奥まで汚れがいきにくいと思いますけれど、
汚れが目立ってきたら洗ってください。
どれぐらい撥水が効き続けるかは
正直使い方によっても変わってきちゃうんですけど。
でもよくある生地にコーティングをした撥水じゃなく、
糸の段階での撥水なので、持ちはいいですよ。
洗濯のたびにどんどんなくなっちゃうような
ものではないです。
- ──
- まさに、オーバースペック。
- 児玉
- オーバースペックです。
これぞ「ほぼ日」、みたいな。
大きいサイズのほうも
使い勝手いいと思いますよ。
- ──
- 大と小があって、色が各2色あります。
お求めになったみなさんからの
さらなるいろいろな使い方が出てくると面白いですね。
児玉さん、ありがとうございます。
- 児玉
- いやいやとんでもないです。
- 飯島
- 本当にありがとうございました。
念願叶いました。
- 児玉
- そう言ってもらえると本当にうれしいな。
僕も楽しみながらやりました。
- 飯島
- ほんとにもう待ち遠しい!
早くあのエプロンを着て撮影に行きたいです。
原稿協力:中川實穗
2022-04-28-THU