『MOTHER2』に登場する「マニマニのあくま」は、
謎に満ちたアイテムである。
ゲームの序盤に登場し、さまざま人の手に渡り、
それを手にした人の運命を狂わせていく。
いわば、物語のキーアイテム。
そんな不思議なアイテムを実際に商品化し、
受注販売の注文を受けつけたとき、
正直、私たちはすこし不安だった。
なぜなら、それは、
MOTHERのロゴがプリントされたTシャツや、
ネスやどせいさんのかわいいぬいぐるみなどとは、
かなり性質が違うプロダクトだったからだ。
具体的にいえば、それは金ピカの置物で、
帽子やタオルのように役立つものでもなく、
キュートで癒やしを与えるようなものでもない。
さらにいえば、名前が「あくま」である。
ほんとの悪魔じゃないものの、
名前に「あくま」が入っている。
あくまの置物を、人々は欲しいと思うだろうか?
製作をお願いしている工場の方たちと何度もやり取りし、
とてもよいプロダクトに仕上がりはしたものの、
私たちは「大丈夫かな?」と不安に思いながら、
販売開始の日を迎えた。
しかし‥‥杞憂であった。
結果的に、とても多くのファンの方が、
「マニマニのあくま」を注文してくださったのだ!
なんなら、注文が予想を大きく上回ったため、
工場とまたやりとりして
生産の計画を見直したくらいだった。
さて、このたび、そんな「マニマニのあくま」を、
すこし事情があって、少量、再販することになった。
事情については、すこしあとでご説明するとして、
まずは先日行ったアンケートの結果について
ご報告することにしよう。
そもそもこのアンケートについて、
ご存知ない方も多いかもしれない。
じつは数ヶ月前、私たちは、
「マニマニのあくま」を購入してくださった方に、
直接メールを送ってアンケートをとっていたのだ。
「マニマニのあくま」を再販するにあたって、
話題の糸口をつかみたいという動機もあったが、
なにより、純粋に、知りたかったのだ。
あの金ピカのあくまの像が、
それぞれのお宅でどのような存在になっているのかを。
アンケートの質問は全4問のシンプルなものだ。
最初の質問はこういうものである。
問1
マニマニのあくまを
買ってよかったですか?
そう、これはとても気になっていた。
述べたようにそれは「あくま」の像である。
物語の生みの親である糸井重里が、
悪いことなど起こらないように手書きした
「封」の文字をシールにして同封したものの
(このオマケ、とても好評でした)、
買ったことを後悔している方も
いらっしゃるかもしれない‥‥。
選択肢は肯定的なものから否定的なものまで4つ。
はたしてどういう結果になるのだろう。
どきどきしながら集計結果をチェックすると、
答えはこんな割合だった。
マジですか!
「買ってよかった! 最高だ!」が8割以上!
「おおむね満足している」と合わせると
じつに90%以上の方が満足している。
(こころから)‥‥ホッ。
「後悔している」と同じくらい
「なにもかも、よくわからない」という
回答があるのもリアルである。
たしかに、「どうして買ったんだろう?」とか、
「よくわからない」という気持ちもわかる。
それこそまさに「マニマニのあくま」である、
という気もする。
そして、我々は、こんな質問もしてみた。
問2
マニマニのあくまを、
どうしてますか?
あれ、ちゃんと飾られてるんだろうか。
部屋に来た恋人が「なにこれ?」と言いそうな
金ピカの像を、みなさんどうしてらっしゃるのだろうか?
答えはこんな感じだった。
おっ! 飾ってくださっている!
「箱から出して飾っている」人が約4割、
「箱に入れたまま飾っている」人が約3割、
つまり7割の「マニマニのあくま」が
きちんと部屋に飾られているではないか。
ああ、よかった、よかったなあ、マニマニ。
おまえ、人気者じゃないか、マニマニ。
一方で約2割の方が
「しまっている」のも無理からぬことである。
そして、気になるのは、若干の
「どこにいったかわからない」という方。
それ以上に心配なのが、
「誰かに譲ってしまった」という方である。
‥‥大丈夫だろうか。
譲られた人が、なにもかもを青く塗るような
おかしな運動を起こしたりしていないだろうか。
さて、アンケートの続きはもうすこしあるので、
ここまでを発表の前編とさせていただき、
後編へと続くことをおゆるしいただきたい。
で、ここからは、ちょっとした事情のある、
「マニマニのあくま」少数再販の話である。
記事の性質が変わるため、
ここから先はかこみ記事として、
指をパチンと鳴らしてページの雰囲気を変えよう。
ワン・ツー・スリー‥‥‥‥パチン!
「マニマニのあくま」
再販のおしらせ。
なんと「わけありマニマニのあくま」も?
ずばり、「マニマニのあくま」を、
再販するつもりはなかったのです。
数量限定とはっきり言ったわけではないけれども、
「こういう遊びは一回きりじゃない?」
みたいな心づもりがあったわけです。
おそらく、それは、『MOTHER』ファンのみなさまにも
伝わっていたんじゃないでしょうか。
それが、なぜ、再販することになったのか?
きっかけは、「マニマニのあくま」をつくっていた
工場からのこんな連絡でした。
「マニマニのあくまを
ちょっと余分につくってあるのですが、
こちらは破棄してよろしいでしょうか?」
さらに詳しく説明しましょう。
まえにもちらっと言いましたが、
「マニマニのあくま」という
金ピカの像をつくるにあたり、
私たちは工場とかなり綿密にやり取りをしました。
というのも、あのおかしなかたちで、
きれいな金ピカの像に造形するのが、
なかなか難しかったんですね。
「これじゃちょっと」「そうですね」
「うーん‥‥」「これなら?」「いいかも」
「これでどうでしょう」「いいですね」という感じで、
工場の方と試行錯誤するうちに、
けっこうサンプルが多めにできたんですね。
で、「これでいきましょう!」という
ゴーサインが出てからも、
工場の人たちも念のため多めにつくってしまった。
そういう「マニマニのあくま」の完成品が、
じつは、工場に少々保管されている、というわけです。
それで、「どうしましょう? 廃棄しますか?」
というふうに聞かれたわけですが、
なんか、それ、破棄するのは、
ちょっともったいない気がしたんです。
わりと苦労してつくりましたし。
あと、なまえに「あくま」ついてるし。ねえ。
そして。
さらに工場の人たち、こんなことを言うんです。
「ちょっと傷や気泡が入ったりした、
『B品のマニマニのあくま』もあるんですが、
これは処分しちゃって大丈夫ですか?」
「B品のマニマニのあくま」!
あくまなのに、B品!
まあ、それは、しかし。
でも、いちおう、見せてください、それ。
「これなんですけどね」
あっ‥‥ふーーん‥‥わりと、きれいですね。
「そうなんですよ。
なんか、処分するのももったいないかなあ」
そうですねえ、あくまですし‥‥。
というようなやり取りがありまして、
話し合った結果、私たちは決めたのです。
●余分につくられていた「マニマニのあくま」
⇒少量ですが、再販いたします!
●ちょっと傷や気泡のある「マニマニのあくま」
⇒「わけありマニマニのあくま」として、
かなりお求めやすい価格で販売いたします!
わけありマニマニのあくま!
あくまなのに!
お求めやすい価格!
あくまなのに、お求めやすい価格!
自分たちの決定にくらくらしそうですが、
そういうわけですので、みなさま、
このおかしな再販にご興味がおありでしたら、
どうぞよろしくお願いいたします。
2024-10-30-WED