会社が長く管理している倉庫の奥に、
いくつかの段ボールが大切に
保存されていることを知っていました。
段ボールの中身は、30年以上前ものです。

入っているのは、
1994年８月27日に発売された
『MOTHER2 ギーグの逆襲』の開発資料。

数年に一度、倉庫を整理することもあり、
そういう段ボールが存在することは、
名目としてはわかっていたのですが、
ひとつひとつの箱を開けて、
中身を細かく確かめることはしていませんでした。
すごいものが入っていることはわかっていましたが、
半端に手をつけられるものではない、
という気がしていたのです。

『MOTHER2』が発売30周年を迎える2024年、
私たちは、いよいよ、
その箱を開けるべきだと考えました。

関係すると思われる箱を倉庫から出し、
封を切って、なかに詰まっていた
分厚いファイルをチェックしていくと、
そこに綴じられていたのは、
『MOTHER2』という作品に最終的に結実した、
たくさんのクリエイティブの記録でした。

　

開発最初期の自由な構想のメモ、
イメージを定着させるためのラフスケッチ、
未完成な物語の流れをまとめたフローチャート、
カラープリントされたドット絵、
データ領域の管理表、修正事項のリスト、
糸井重里の手書きのセリフ、などなど‥‥。

おおげさにいえば、それは発掘作業でしたし、
紙の資料を時系列に追うことで
当時のクリエイターたちの作業や思考が
徐々に浮かび上がってくるのは、
考古学的なアプローチに近かったと思います。

時間をかけてすべてに目を通し、整理し、並べ直し、
関わった人たちと関連する会社のあいだで
注意深くチェックしながら
開示できるものとできないものを選んでいきました。
結果的に、30周年のアニバーサリーにふさわしい、
かなりスペシャルな展示を
お目にかけることができそうです。

　

おそらく、『MOTHER2』のファンの方なら、
ずっとこの場にいたいと思えるくらい、
わくわくする、おもしろい展示になると思います。
なぜなら、資料を紐解いている私たちが、
出てくる事実にいちいち興奮しましたから。

このスペシャルな展示に、
「MOTHER2のひみつ。」というタイトルをつけました。
子どものころ、本や図鑑やドキュメンタリーに
時間を忘れて没頭したあの感覚を重ねて。

会場では、『MOTHER2』のアイコンともいえる、
主要キャラクターたちの
オリジナルフィギュアも展示いたします。
そう、ソフトの取扱説明書に掲載されている、
立体モデルのオリジナルです。

　

そしてもちろん、この日に合わせて準備した、
『MOTHER2』のオリジナルグッズも販売します。
これから順次公開していきますが、
グッズ販売だけでも十分に「ANNIVERSARY！」な
うれしいラインナップになりました。

▲Tシャツ（S・M・L・XL）／ほぼ日の永久紙ぶくろ（イエロー・ベージュ） ／やさしいタオル（シャワー・ハンド）30周年記念にあわせて、ほかにも新作グッズを準備中！

　

最後に、渋谷PARCO以外での開催について。
メイン会場は渋谷PARCOの「ほぼ日曜日」ですが、
ほぼ日の直営店舗である神田錦町のTOBICHI、
そして梅田ロフトや、札幌PARCO、名古屋PARCOで、
新作グッズの販売をメインにした
「『MOTHER2』のひみつ。サテライト展」を開催予定です。
開発資料の展示は最低限となりますが、
たくさんの新作グッズをご用意できると思います。

商品や展示については、
まだまだお伝えしたいことがあります。
今後の情報公開を、どうぞおたのしみに！