糸井重里が監修し、企画、設定、全シナリオを手掛けた
RPG『MOTHER』シリーズ。
そのことばをすべて収録した本を
2020年12月に発売したことをきっかけに、
立ち上げたのが「ほぼ日MOTHERプロジェクト」です。
『MOTHER』にまつわるコンテンツや
アイテムをつくっている本プロジェクトのなかから、
代表的なアイテムの
つくり手のお話や現場のようすをお伝えします。

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ALL STAR ⓇHI / MT 第1回 次世代モデルALL STAR Ⓡの履き心地。

アメリカのマサチューセッツ州で
1908年に創業した
シューズブランドコンバース。

雨や雪の中でも作業できる
ラバーシューズの製造をはじめたのが起源で、
1917年にはバスケットボール専用の
「オールスター」が生まれました。
スニーカー史に残るモデルを
多数生み出しているブランドです。

今回のコラボのベースになったのは、
その「オールスター」のかたちがベースとなった
次世代モデルの「ALL STAR Ⓡ」です。
クッション性と安定感が増していて、
長時間の歩行でも疲れないのは、
高機能カップインソール
「REACT2.0」のおかげ。

「ALL STAR Ⓡ HI / MT
(MOTHER どせいさん HI)」の特徴や
かっこいい履き方について、
コンバースの野口佳さんと三木雛子さんに
おうかがいしました。

△ALL STAR Ⓡ HI / MT(MOTHER どせいさん HI) △ALL STAR Ⓡ HI / MT(MOTHER どせいさん HI)

──
『MOTHER2』30周年記念に、
コンバースさんとコラボレーションができて
ほんとうにうれしいです。
ありがとうございます!
野口
こちらこそありがとうございます。

△野口佳さん △野口佳さん

──
今回つくっていただいた
「ALL STAR Ⓡ HI / MT」の特徴や、
かっこいい履き方を教えてください。
結び方もいろいろあるでしょう?
なにが正解を知っておきたくて。
野口
オーバーラップとか、ね。
三木
アンダーラップとかね。

△三木雛子さん △三木雛子さん

──
コンバースのみなさんは、
どう履かれているのかをおうかがいしたいなと。
野口
まず、100年以上続くオールスターというモデルは、
「自由な履き方ができる」ことが前提としてあります。
その上で「コンバースとしてのベーシックな履き方」や、
紐の通し方のご紹介できるかなと。
──
はい、ぜひ!
野口
はい。では、まずスペックの内容から。
今回、どせいさんを全面にプリントしたところが、
まずインパクトがあって、すごくすてきなんですけど、
元々のベースモデルは
「オールスターⓇ」というモデルになります。
2023年春夏シーズンから
リリースしているシリーズで、
一番のポイントは、このインソール。

野口
「リアクト(REACT)2.0」という
インソールが入ってまして、
クッション性、軽量性に優れた
「PUフォーム」と
踵部分を包み込む「E.V.A.」という素材を使った
二層構造になっています。
緑の「PUフォーム」部分は
環境に配慮したリサイクル素材を
使っているんですよ。
──
昔のコンバースと比べると、どう違うんですか?
野口
そうですね。昔のコンバースは、
そもそもカップインソールではなく、
外せないインソールで。
──
あ、たしかに。
野口
なので、硬さがちょっと‥‥と
感じられるお客様も、
お声としては多かったと思います。
それを改良して進化させたインソールが
「リアクト2.0」です。
──
おぉー!(拍手)。
2023年春夏からなら、
もしかしたらまだ、経験されてない方も
いらっしゃるかもしれないですね。
野口
そうですね。
いまだに「コンバースは
インソールが硬いんだよね」
とおっしゃられているお客様は非常に多くて、
「こんなに変わったよ」ということを
お伝えしたいです。
──
なるほど。
野口
あと取り外せるところもすごくいいですし、
クッション性と軽量性に優れているので、
長時間の歩行でも、
不快なことはなく使っていただけると思います。
ちょっと触ってみてください。

──
すごい弾力‥‥。しっかりしてますね。
野口
硬度も大事です。
歩行に最適な硬度を調整しながら
開発したインソールです。
三木
「やわらかいと履きやすい」という
イメージを持つ人多いと思うんですけど、
やわらかすぎても疲れやすかったりします。
──
そうなのですか。
野口
足が沈み込みすぎてしまうのは疲れるので。
なんだか枕と似てるいかもしれないですね。
三木
コシがあったほうが。
──
なるほど。
野口
あとは、目に見えないところですけど、
足に接するソックライナーの生地には
抗菌防臭加工をしてあります。
──
知らなかったです。
野口
フフフフ。
──
かたちそのものは昔から変わってはいない?
野口
基本的には変わってないんです。
クラシックな外観を大切にしています。
オールスターの中でも様々なラインがあり、
それぞれにディテールやスペックが
少しずつ違っていますが、
基本的にはクラシックな見え感になります。
昔ながらの製法なだけに、
手仕事も非常に多くて。
このソールのテープも手で巻いていて。
──
手で巻いてるんですか? ここは!

野口
そうです、そうです。
三木
1枚、2枚って、
2回巻いています。

野口
そうですね。
ゴムがやわらかい状態で巻いて、
最後に釜に入れて硬化させます。
「バルカナイズ製法」といわれる製法です。
──
え、おもしろい!
昔からそういうつくり方なんですか?
野口
いわゆる長靴とか、そういったものは、
この製法でつくられています。
そもそもコンバース社が始まったのは、
長靴から始まっているので。
そのノウハウを生かして、
バスケットボールシューズを開発して、
このオールスターが誕生した背景があるので。
この製法ならではの特徴ですけど、
よくスニーカーって長年放置していると
靴底がボロボロに
なっちゃうじゃないですか。
──
なります、なります。
野口
履かなくてもポロポロポロになるのは、
「加水分解」っていわれる現象なんですけど、
このゴム靴だと起こりません。
──
へー!
野口
もちろん白いところに少し黄ばみが出たり、
テカリが出たりなど、
違う変化は楽しめますが
長年大事に保管していたシューズが
崩れて履けなくなっていた
ということはございません。
──
じゃあ、コンバースは
「ヴィンテージ」というものが
存在するんですね。
野口
そうですね、かなり古いものが、
会社にも残されております。
──
長持ちするから、育てがいもあるという。
野口
そうですね。長く使って
愛用していただけるとうれしいです。

──
今回のコラボもヴィンテージに育てたいですねえ。
ところで、ショップに海外のお客様が
いらっしゃいましたけど、
日本でコンバースを買って帰られるんですか?
野口
はい、そうです。
日本のコンバースは、日本でしか買えません。
日本のコンバースで売られているものは
全て「コンバースジャパン」で企画されています。
──
海外へ輸出されていないんですね。
野口
はい。
逆に、海外のコンバースを
輸入することもしていません。
──
海外のコンバースと日本のコンバースで、
違うところはあるんですか?
野口
同じオールスターでも、
デザインやスペックは全く異なります。
──
ええ?!
野口
はい。
──
違う進化を遂げてきているんですか?
野口
はい。
企画から生産背景まで全く異なるので、
日本の市場に合った商品をリリースしてきました。
日本企画には「MADE IN JAPAN」の
オールスターも存在します。
こちらは久留米にある工場で、
昔ながらの製法のまま作られています。
──
え、知らなかった!
野口
久留米の工場も靴作りの歴史は非常に長く、
そこからの脈々と続いてる製法で
ていねいに作られてまして。
──
では、この「オールスターⓇ」も日本独自?
野口
そうです。生産は海外になりますが、
日本で企画されて、
日本でのみ手に入るアイテムです。
そのため海外のお客様にとってもは、
日本でしか買えないコンバースということで、
デザインや履き心地を非常に喜んでいただいて
人気があるんです。
──
知らなかったです!
野口
だから日本の有名なコンテンツである
『MOTHER2』とのコラボは、
すごく話題性も高い企画じゃないのかなと
楽しみにしています。

(つづきます。)

ALL STAR ⓇHI / MT
(MOTHER どせいさん HI)
13,200円(税込)

 

 

素材
UPPER:コットン/OUTSOLE:ラバー

サイズ
23.0〜24.5/25.0〜28.0(0.5cm刻み)
/29.0cm(4.0〜5.5/6.5〜9.5/10.5inch)

※おひとり様につき1個までのご購入とさせていただきます。

Model:
Leo Holderman / Nana Mchedlidze

Stylist:
Yutaka Aoki

Hair makeup:
Shoko Narita

Photographer:
Kyosuke Azuma(Styled Images)
/ Hiroyuki Oe(Product Detail)

 


 

2025-01-02-THU

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