2024年、ほぼ日の「老いと死」特集が
満を持してスタートしました。
そのかたすみで、
ひっそりと生まれた企画がひとつ。
「正直、老いや死のことを、
まだあまりイメージできない」という
2、30代の乗組員が、ざっくばらんに話し合う
「老いと死の歌座談会」です。
おそらく私たちの手に負えるテーマではないけれど、
いま考えていることを、気張らずに話してみます。
‥‥タイトルの「歌う」が気になっている方も
いらっしゃるかもしれません。
よくぞ気づいてくださりました。
そうなんです、座談会の最後は、
毎回のおしゃべりから誕生した歌を
みんなで歌います。
どんな歌が生まれるのか、少しだけ、ご期待ください。
担当は、ほぼ日の20代、松本です。
- 松本
- 話は変わりますが、まなか(佐藤)さんは
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』が
好きだと聞きました。
- 佐藤
- 大好きです。
- 松本
- ああいった作品に出てくる、
ゴーストやおばけの存在は信じますか?
- 佐藤
- はい、少なからずいると思っています。
- 加藤
- へえー。
- 佐藤
- みんなはどう?
- 加藤
- どうだろう。いる気はする(笑)。
- 南
- 私も。
- 高澤
- 私もいる気がする。見えないですけど。
- 菅野
- まっきーは?
- 松本
- 私は信じてないです。
- 佐藤
- そうなんだ。どうして?
- 松本
- おばけがいたら、怖いからです。
- 佐藤
- え、つまり、一番信じてるんじゃ‥‥。
- 加藤
- そうだよね(笑)。
- 菅野
- ということは、きょうここにいる人たちは、
100%おばけを信じているということで。
- 松本
- いやいやいや。待ってくださいよ。
花粉症だと思わなければ
花粉症にならない説と同じで、
おばけも信じなければ、いないんですよ。
- 佐藤
- 恐れているなぁ。
- 松本
- 逆にみなさんは、なんで「いる」と思うんですか。
- 佐藤
- たまに、説明がつかないできことがありますよね。
この日、ここに来なければ出会わなかった人との
巡り合わせとか‥‥
そういったふしぎな縁があると、
「亡くなったおじいちゃんが
出会わせてくれたのかな」と思ったりします。
- 菅野
- へえー。まなかちゃんはいい子だね。
- 松本
- あ、それだったら、私も信じます。怖くないから。
- 菅野
- なんだ(笑)。
- 佐藤
- ふしぎなできごとに、
自分なりに説明をつけるというか。
- 菅野
- ほかのみんなは、なんで信じてるの?
- 加藤
- 私、YouTubeにある、
心霊系の動画を見るのが好きなんです。
「事故物件で1日過ごしてみる」
といった企画をやっている人が、けっこういて。
- 佐藤
- えーっ、大丈夫なの?
- 加藤
- ほんとにいろんなことが起こるんですよ。
変な音が入ったり、
よくわからない人の声が入ったり‥‥。
- 高澤
- まっきーの顔がひきつってる。
- 松本
- それくらいにしてください。
- 加藤
- ふふふふ。
ああいう動画を見ると、
「おばけはいない」とは言えないと
思ってしまいます。
- 南
- 私は、まったくおばけは見えないですし、
感じないです。
でも、人が亡くなっても、
その人の持ちものなどは
急にはなくならないですよね。
ということは、亡くなったからといって、
存在がパッと消えてなくなることはないと
思うんです。
だから、死者の存在が何にもない、
ということはなさそうだなと。
- 松本
- なるほど。おばけとは少し違いますが、
いま飼っている犬が死んでしまったら、
その犬が使っていた毛布などを見たら、
「まだちょっといる」ような気がするかも、
と思いました。
- 菅野
- まだちょっといる、か。
気配のようなものがね。
- 佐藤
- 逆に、もし自分が犬や猫より先に死んで、
置いてきてしまった場合は、
上から見守りたいです。
- 加藤
- ああ、たしかに。
- 南
- 心配でね。
- 松本
- そうですね。
おばけにはなりたいです。
- 菅野
- 信じてないのに。
- 松本
- あ、そうですね。いま気づきました、その矛盾に。
- 全員
- (笑)
- 佐藤
- おばけになったら、まだ終わっていない
『少年ジャンプ』の連載の続きも読みたいです。
- 加藤
- 気になるもんね。
- 松本
- たしかに。読めなくなるのは困りますね。
うーん、じゃあやっぱり、
おばけはいるということで。
- 佐藤
- 手のひらを返した(笑)。
- 菅野
- みんな、きっと、おばけがいるほうがいいんだね。
- 松本
- 恨みを持っている系のおばけは怖いけど、
たしかに、いたほうがいい気がしてきました。
ほだされてしまった‥‥。
(4曲目〈その3〉に続きます)
2024-11-09-SAT