2020年の2月の末に、
渋谷パルコの「ほぼ日曜日」で、
「本屋さん、あつまる。」というイベントがありました。
出版社さん、都内の本屋さんのお店など
8店舗で開催しました。
今回は、ブースを11店舗、
さらに、「本棚に書店」と題して、
全国の独立系の本屋さん14店舗と、
本好きの15名の方々に
本棚の一区画で小さな本屋さんを
展開していただくことになりました。
さらには、本にまつわるトークイベントも
現地&配信でお送りいたします。
1月21日(金)から2月2日(水)まで、
渋谷パルコに本屋さんが大集合いたします。
暦の上でも春はまだ先ですが、
本好きさんはウキウキとお出かけください。
渋谷PARCOの8階で、
書店一同、心を春にしてお待ちしています。
本棚に書店 書店編 その1
古本いるふ | 青と夜ノ空 |
須方書店 |
ハナメガネ商会 |
太台本屋 tai-tai books
今日は、昨日にひきつづき「本棚に書店」、
つまり、おおきな本棚を区切って
ちいさなお店を並べる、
「本棚に ある書店」のうち、
いよいよ、本屋さん編です。
14の書店さんを3日にわたって、
ちょっとづつご紹介をしてまいります。
渋谷パルコには行けないよーという方でも、
ネット書店もありますし、
ひょっとするとご近所の本屋さんがある、かも!
では、順番にいってみよう!
主に北から、途中にネット書店をはさみつつ。
古本いるふ (富山県・滑川市)
2018年5月にオープンした、
富山湾に面した海沿いの街にある古本屋さん。
(店名をひっくり返して読んでみてください)
店主の天野さんは、
富山のブックイベント「BOOK DAY とやま」の
代表でもあります。
もともとは、名古屋の美大に入学した後、
作り手になりたいと考えていらしたのですが、
行き詰まりを感じ
「応援する側」に転じようと模索するうち、
「本」にたどり着いたという方です。
ご結婚を期に富山に移られ、
徐々に富山の本の関係の知り合いが増えていった所に、
現在の物件を見つけ、勢いが大切!
という先輩のアドバイスもあり、開業。
ご自分がお好きなのもあって、力をいれているのは、
美術、写真、デザイン、工芸などのアート関係。
そして、古本屋になって
おもしろさを知ったという詩歌関連。
さらには、富山には立山連峰(北アルプス)があるので、
山の本も置いています。
お客さんの顔を思い浮かべつつも、
自分がワクワクするかどうかという感覚も
大切に選書しているそう。
もちろん、富山出身、在住、ゆかりのある作家さん、
富山の出版社(桂書房)の本も積極的に取り扱っています。
お店のそばには、カフェや古道具店さんがあるので、
その流れで来てくださるお客さんもありますし、
店舗の上階で時折作品展も企画もしているので、
美術関係の方々も。
去年、お店にハマった本は、
伊勢功治著『北方の詩人 高島高』。
お店のある富山県・滑川市出身の詩人・
高島高(たかしまたかし)の評伝です。
著者は、同じく滑川出身の
グラフィックデザイナーの伊勢功治さん。
お店が開店してすぐにお店に来られ、
そのときに高島のお話をしてくださったそう。
そんなご縁でいるふさんにとって
とても大切な本になったそうです。
今回もってきてくださるのは、
富山出身の瀧口修造の本や、山に関する本、
お気に入りの詩歌本(富山在住者含む)、
美術と食に関する本などなど。
古本いるふ
お店の住所:富山県滑川市瀬羽町1890-1
連絡先:076-456-7620
SNS:
FB→@furuhon.iruf
Twitter→@furuhon.iruf
Instagram→@furuhon.iruf
青と夜ノ空 (無店舗)
2014年10月に吉祥寺にて実店舗で創業。
その後、2020年5月に店舗はクローズ、
現在はオンラインストア、移動本屋の開催、
イベント出店などを中心に活動中です。
その他にも、毎月1冊ずつ(3カ月間)、
各コースに基づいた本をお送りする
「青と夜ノ空セレクト便」という
サービスがあります。
食に関する本が送られてくる
「おにぎりコース」、
ものづくり、手仕事、雑貨、インテリアなどの
「のり弁コース」など、
5コースのなかから
選んで送ってもらうことができます。
オンラインショップ、セレクト便ともに、
新刊も古書も取り扱っています。
▲移動本屋のときの様子
お店の得意なジャンルは、
主に衣食住に関係した本。
その他、詩集、絵本、
リトルプレス(ジャンルを問わず)など、
だんだん幅広く扱うように。
店舗があったころから、そのセレクトには定評があり、
「ほぼ日」読者の方々が
興味を寄せてくれそうなイメージがあります。
お客様の多くは女性。
選書するときに心がけておられるのは、
まずご自身が興味のある内容かどうかということ。
さらに、表紙や装丁などにこだわりのある本も
選書の大切なポイントになっているそうです。
昨年評判がよかったのは、
長谷川ちえ文、shunshun絵『三春タイムズ』。
「福島・三春町で「in-kyo」を営む
長谷川ちえさんが
東京から三春町へ移り住んでからの
日々の暮らしを綴った本。
四季折々の風景や行事、旬の食べ物、
毎日の出来事などがギュッと詰まっています。
素描家・shunshunさんの挿絵も魅力的です。」とのこと。
今回の書籍に関しては、
全部選びきれていないということですが、
バラエティに富んだセレクトが到着する予定。
青と夜ノ空
お店のURL:http://www.aotoyorunosora.com
オンラインストア:https://aoyorusora.thebase.in
SNS:
FB→@ aotoyorunosora
Twitter→@ aotoyorunosora
Instagram→@ aotoyorunosora
ハナメガネ商会(栃木・益子)
もともとは、お友達と二人で、
「不忍ブックストリート」の
「一箱古本市」に出店することになり、
屋号を決めたのがはじまり。
現在は栃木県の益子町にある築100年ほどの
古民家に実店舗をだしており、
古書も雑貨もこけしも扱っています。
30代、40代が小学生だった頃の昭和の
児童書や漫画(「りぼん」など)を扱う。
説明が難しいのですが、
図書室で読んだ微妙な漫画など、
すごく思い出には残っているけれど、
タイトルもわからなくて非常に探しにくいような
書籍なども。
「なつかしい、そうそう、これこれ!」
というものも多数あります。
力をいれているジャンルは、児童書。
店主の性格もあいまって、
選書に明確にきめている基準なはないということですが、
あまりご自身のフィルターを通しすぎず、
古いものの楽しみを届けられたらと
考えておられるそうです。
お客様も古いもの、
面白いことへの愛情や情熱が深い方が多いとのこと。
現在、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に
ドハマりしておられるということで、
安子気分でご自身も読んでみた
昭和23年ごろのNHKラジオ英会話講座
『カムカム英語』のテキストである、
『Come Come Club』など。
お店の世界にガッチリとハマりにきてください。
ハナメガネ商会
お店の住所:栃木県芳賀郡益子町益子1665
連絡先:0285-77-5370
お店のURL:https://hanamegane.com
オンラインストア:https://hanamegane.com
SNS:
Twitter→@hanamegane_info
Instagram→@hanamegane_info
太台本屋 tai-tai books(無店舗)
今回「本棚に書店」の書店枠での
出店をお願いしておりますが、
実際には、本屋さんというより
日本で唯一の
「台湾の本専門の版権エージェント」兼
「台湾(と香港)の本のあれこれを
発信するユニット」なので、
お店と個人との中間ともいえるかもしれません。
出版業界で働いていた台湾大好きな人々が、
台湾の本をもっと日本の読者に
読んでもらいたいと思って
2018年に結成されました。
台湾作家の本に興味があるけれど
何を読んでいいかわからない、という読者のために
「まずはここから読んでみたら?」という、
本当に面白い本だけを提案、紹介されています。
ちなみに、「太台」とは中国語で
「とっても台湾!」「台湾すぎる!」の意味。
紹介しているのは、台湾(と香港)の文学、
ビジュアル人文書、絵本などの紹介が多め。
本は、ご自身たちが読んで、
本当に面白いと思ったものを選書しています。
「太台本屋」のイベントにきてくださったり、
SNSにいいねをしてくれるのは、
映画や旅行、食などで台湾に興味を持ち、
そこから台湾の文学や文化、歴史、社会などにも
触れてみたいと思った人たちではないかと
予想されているそう。
去年、好評だったのは、
台湾発のハードボイルド小説。
演劇科の大学教授を辞め、
台北の下町・臥龍街に引っ越して
素人偵探になった壮年の主人公が、
自ら殺人事件に巻き込まれるという、
紀蔚然著『台北プライベートアイ』
(舩山むつみ訳、文藝春秋)。
特に台湾好きではない
一般のミステリ読者からも支持された本でした。
今回は、「太台好書」=太台本屋 tai-tai booksが
エージェントとして日本の出版社に
版権を売り込んで刊行された台湾作品のうち、
2021年に刊行されたものを中心に
持ってきてくださるそうです。
作家・呉明益の作品の日本版『複眼人』『眠りの航路』
『歩道橋の魔術師』自転車泥棒』。
その他台湾のレトロ建築愛好ユニット
「老屋顔」(ろうおくがん/ラオウーイェン)シリーズ
『台湾レトロ建築案内』など。
台湾好きは、必ず‥‥いらっしゃるとよろしいかと!
太台本屋 tai-tai books
お店のURL:http://taitaibooks.blog.jp/
SNS:
FB→@taitaibooks
Twitter→@ taitaibooks
Instagram→@taitaibooks
須方書店(埼玉・深谷)
埼玉県深谷市・旧中山道沿い
「七ツ梅酒造」跡にお店はあります。
七ツ梅酒造跡は江戸から300年続いた酒蔵で、
大奥に卸していたほどの銘酒でしたが、
2004年廃業になってしまいました。
そこに2010年に「酒蔵の映画館 深谷シネマ」ができ、
敷地内に様々なお店がはいりました。
店主の須方さんは、
2012年にその場所で映画監督入江悠さんの父である
入江明さんがはじめた
古書店「円の庭」の手伝いとして入り、
2年後にお店を引き継いで、現在の「須方書店」に。
同じ敷地内に映画館やカフェ・雑貨屋さんがあるので、
そこからのお客さんが多く来店されています。
特に映画館のお客さんは、
映画を観終わってからや観る前に寄ってくれるとか。
年齢層は40~70歳代の方々が多い印象。
選書に関しては、
これといってジャンルを
決めているわけではないそうですが、
来るものは拒まずで、
お客さんと一緒に
棚をつくっている感覚でやっているとのこと。
去年、お店にハマったなという本は、
野呂邦暢著『愛についてのデッサン』(ちくま文庫)。
古本屋店主が主人というところもあって、
古本屋を営む事の醍醐味が伝わってきて
物語世界にいつまでも浸っていたかったと。
今回は、ご自身の興味がだいぶ支離滅裂で
幅広いなと痛感したとのことですが、
とにかくご自身が好きな本を詰め込んでくれました。
深谷市にあるということで、
1万円札の顔になる渋沢栄一関連の書籍も
ご用意してくださるそうです。
須方書店
お店の住所:埼玉県深谷市深谷町9-12・七ツ梅酒造跡内
連絡先:080-3121-1851
お店のURL:https://sugatabooks.com/
SNS:
Twitter→須方書店(円の庭)@sugatabooks
Instagram→@sugatabooks
FB→@古書・古本 須方書店
(つづく)
2022-01-16-SUN
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日程:2022年1月21日(金) -2月2日(水)
場所:渋谷パルコ8F ほぼ日曜日
住所:〒150-8377 渋谷区宇田川町15-1
営業時間:11:00~20:00
※25日のみイベント準備のため
15:00〜18:30のあいだクローズします。
イベントについては、こちらもごらんください。
(会場、配信チケットなど販売中です)[出店のみなさま]
ブース書店:
MAIN TENT | BREWBOOKS | YATO|
双子のライオン堂 | 山陽堂書店 | 本屋lighthouse | 夢眠書店 | Bookshop Traveller | 冒険研究所書店 | 河野書店 | ほぼ日マンガ1巻堂
本棚に書店(お店):
古本いるふ | 青と夜ノ空 | ハナメガネ商会 | 太台本屋 tai-tai books | 須方書店 | 書肆 海と夕焼 | 本屋しゃんの本屋さん | SNOW SHOVELING | Books+Paperwork タバネル | 葉ね文庫 | 本のあるところ ajiro | うなぎBOOKS | カモシカ書店 | Octopus Books ひなた文庫
本棚に書店(個人):
and recipe(旅と食のユニット) | 市原真(病理医ヤンデル) | 宇賀康之(『Sports Graphic Number』編集長) | Kanoco(モデル) | 岸田奈美(作家) | 佐藤友美(ライター) | スソアキコ(帽子作家) | 田中泰延 (コピーライター、 CMプランナー) | たられば(編集者) | 津田淳子(『デザインのひきだし』編集長) | 読書猿 (独学者・作家) | 名久井直子(ブックデザイナー) | 幡野広志(写真家) | 藤井亮(映像作家) | 和田ラヂヲ(漫画家)
※敬称略、本屋さんは、主に北から。途中にオンライン書店をはさみます。