さて、みなさん。
「ほぼ日の學校プレゼンツ」の、
本のイベント再び、です！
前回は、コロナに突入する直前の2020年の2月に
渋谷パルコの「ほぼ日曜日」で開催しました
「本屋さん、あつまる。」でした。
たくさんの本屋さんに渋谷パルコに集合してもらって、
3日間の販売イベントを行いました。
今回は、神田ポートビル２Fで、
「フェニックスブックス」のフェアですよ！

▲これがポートビル。主にポートビルの看板メインで撮影。
お越しになる際は、これを目印にどうぞ。

何が何やらですみません。
ざっくりなんだというならば、
ある理由で、
定価よりもお安くなっている本を選書して
バリバリ販売するというイベントです。

では、ここからねっちりと
詳細をご説明してまいりましょう。

今回のイベントの「そもそも」は
「ドコノコ」や「ネパールでぼくらは」などなど
数限りなく「ほぼ日」がお世話になっている
作家の浅生鴨さんがスタートです。

鴨さんは、
ご自身で「ネコノス」という出版社も運営していて、
書籍を何冊も出版しています。
ラインナップには、
燃え殻さんの人生相談本『相談の森』や、
同人誌なのになぜかハードカバーの
『雨は五分後にやんで』
（ほぼ日のやも寄稿してますよ）
などがあります。

全国の本屋さんがこれらの本を売りたいと思ったら
どうするかというと、
直接ネコノスさんに連絡をするのではなく、
「取次」に連絡をします。
この「取次」という役割をもった会社が注文を受けて
全国の本屋さんに本を届ける役割をしている、
という出版業界の流通をまずは頭にいれてください。

で、そのネコノスさんの本の「取次」は、
神田小川町にある
「八木書店」さんがされているのです。

この「八木書店」さんが、
今回のイベントの肝のうちの一つ。
大切なので、太字にしておきました。

「八木書店」さんは、「取次」以外にも、
古書・稀少本の販売など他の事業もされていて、
その中のひとつが、
「フェニックスブックス」の卸販売です。
タイトル下のリード文にも書きましたが、
廃棄直前の書籍たちを出版社から買い付けて、
全国の書店さん向けに販売する、という事業です。

廃棄寸前の本ですから、
一度もお客さんの手に渡っていない
「新品」なのですが、
通常より、だいぶ価格が抑えられています。

私たちが店頭で購入するときも、
かなり買いやすい値段になっています。
様ざまなケースがあるので一概には言えませんが、
だいたい、定価の半額くらいのことが多いようです。

▲ここが、古書・稀少本の販売をしている八木書店さんの店舗です。

あ、ちなみに
「フェニックスブックス」という名称は、
「ほぼ日」独自の名称です。
廃棄寸前、瀕死だった本がふたたび読者の手に渡り、
不死鳥よろしく本として復活するということで、
「フェニックスブックス」という名前にしました。

なにせ、
「八木書店」さん曰くこの種類の本の名称は、
書店さんが自由につけてくださっていて、
いろいろな名称で呼ばれているので、
「ほぼ日」さんも自由にどうぞ、
ということだったので、
河野通和と學校チームで決めました。
フェニックスってちょっとかっこいいし。

で‥‥。

かつて、學校チームの
（このテキストを書いている人物）は
鴨さんがネコノスの新刊を納品にいくというので、
神保町の「八木書店」まで
ついていったことがありました。
そのときに、鴨さんから、
「フェニックスブックス」のことを教えてもらい、
地下にある「八木書店」書店さん用の
「フェニックスブックス」の売り場に
案内してもらいました。

▲ここが地下の売り場。お宝の山。

廃棄直前の本がこんな形で
救われることがあるんだと知り
本好き、本の制作を手伝っている身としては、
ほんとうにホッとしたと同時に
ものすごくうれしくなりました。

そのときに、売り場の説明をしてくださった
「八木書店」の方と鴨さんと
いつか「ほぼ日」でおもしろい選書をした
「フェニックスブックス」を販売する
イベントができたらいいですね、
というお話をして帰ってきたのです。

時は少し経ちまして‥‥。

が別のことで
「八木書店」さんとお話をする機会があり、
そこで鴨さんと「フェニックスブックス」の
お話を知るところとなりました。

いろいろ端折りますが、
なにせ、本好きということでは
その名を轟かせている河野です。
宝の山から本を選び出して販売する、
なんてことになれば、腕をまくらざるを得ないのです。
「ほぼ日の學校」の入るポートビルで
この「フェニックスブックス」を
販売してみようじゃないかと話がまとまりました。

しかし、イベントだけにしてしまうと、
全国にお住まいのほぼ日読者のみなさんを
置いてけぼりにしてしまう可能性がありますので、
少量ではありますが、
ほぼ日ストアでの販売も予定しています。

では、概要、まとめました！

ほぼ日の學校のスタジオがあるポートビルを使います。
２Fのフロアを全面的に使いまして開催いたします。
ただ、このご時世ですので、
入場制限をすることがあります。

■こんなお店がでますよ！

今回扱われる書籍は
ほぼ「フェニックスブックス」ですが、
ちょっとだけ、新刊の本も含まれています。

レジは集合レジ。
電子マネーは使えず、クレジットカードのみです。
ただ、店員がクレジットカードに慣れていないので、
どうぞ、なるべく現金で。
そして、重い本を持って帰るのはいやだ、という人は、
セルフ発送カウンターに、
着払い伝票（ヤマト）、ぷちぷち、宅急便袋、テープを
置いておきますので、よしなに梱包し宅急便してください。

▲会場平面図

【ネコのライオン堂】
自身の会社「ネコノス」社屋と
ご自宅が本で床が抜ける可能性のある作家の浅生鴨さん、
そして「本屋さん、あつまる。」にも出店いただいた
ストロングな選書でおなじみ
赤坂の「双子のライオン堂」の店主の竹田信弥さんが
選書をしてくれました。

その数は、300冊ほど。
１タイトルにつき
１冊しか仕入れない本がほとんどなので、
出会ったときが買い時方式での販売です。

また、鴨さんの出版社「ネコノス」の
新刊書籍やグッズも販売いたします。
鴨さんがお店番でいらっしゃったら、
サインもいれてくれるそうですよ。

【河野書店】
もともとは編集者、そして大の本好きの
われらが「ほぼ日の學校」の學校長の
河野通和が選んだ
「フェニックスブックス」が並びます。
もちろん、お店番は店主・河野がいたしますので、
選書の理由などをじゃんじゃん聞きながら
お買い物をお楽しみくださいませ。

【ほぼ日の學校書店】
こちらは、學校チームのポートビル班の
草生、涌嶋、茂木がそれぞれ選書しました。
草生と茂木がどぎついサブカル本を
選書をしてなくもないですが、
一番普通のお店に近い‥‥のではないかと‥‥。
「ネコのライオン堂」と「河野書店」の箸休めとして
お立ち寄りいただけましたらとおもいます。
こちらも、草生、涌嶋、茂木が順繰りに
店番をしているでしょう！

【特別出店・人工島書店】
先日までTOBICHIやほぼ日ストアでも販売していた
橋本治さんの新刊『人工島戦記』を、
ほぼ日ストア特典の3つをつけて、
特別に販売いたします。
※予約分の受け渡しもいたします。

※もしかしたらこのあとも
「本にまつわることならば」なんていって、
出店がふえたりするかもしれません。

▲「ほぼ日の學校書店」「人工島書店」
「レジ」「発送カウンター」などが並びます。

■トークイベントもあります。
（入場無料）

現在、決定しているトークイベントです。
こちらも増えるかも！

29日（金）

□18:00
「出版の「文化」を未来に手渡す」
ホーム社文芸図書編集部
出版統括プロデューサー　増子信一さん　✕　河野通和

橋本治さんの『人工島戦記』を刊行したホーム社で、
現在「出版統括プロデューサー」を務める増子さんは、
あらゆる意味で
「規格外」の『人工島戦記』の刊行にあたって
制作面を統括なさったそうです。
紙の本という文化をどう継承するのか？
増子さんにお聞きします。
聞けば河野とは長いお付き合いの由。
70年代、
「面白くてためにならない雑誌」をコンセプトに、
吉行淳之介、井上ひさし、筒井康隆、遠藤周作ら
スター作家たちが編集長を務めた
雑誌の編集部に在籍されたそうですから、
こうしたスター作家を担当していた河野と
濃いおつきあいをされたことでしょう。
そんな裏話も聞けるかもしれません。

30日（土）

□11：30（YouTubeLiveで中継あり）
『人工島戦記』という「事件」
ホーム社常務取締役　遅塚久美子さん　✕　河野通和

「鈍器本ブーム」という言葉が聞かれる
2021年の出版界でも、
ずば抜けた話題と注目を集める『人工島戦記』。
この本はどのようにして生まれたのか？
学生時代から橋本治さんと交流があり、
集英社で担当編集者となるものの
未完となってしまったこの作品を、
30年の歳月を経て、
ようやく世に問うた遅塚さんの思いの丈を伺います。

□15:00（YouTubeLiveで中継あり）
著者からすると
「フェニックスブックス」はどう見える？　
イラストレーター　大高郁子さん　✕　河野通和

フリーランスのイラストレーターとして、
文藝春秋新刊案内カバーをはじめ、
数多の本の装丁画や雑誌イラストを描いている
売れっ子イラストレーターの大高郁子さんが、
自ら文章も担当した『久保田万太郎の履歴書』。
下町を愛した文人・久保田万太郎の
波乱と栄誉と孤独に彩られた人生を、
絵と文章で表したユニークな評伝です。
すばらしい一冊なのですが、
残念なことにいったん市場から
退場することになってしまいました。
ところが、このほど河出書房新社の手を離れ、
八木書店のフェニックスブックスとして復活。
これって著者にすれば、
いったいどんな気持ちなのか？
率直なところを聞かせていただきます。

□18:00（YouTubeLiveで中継あり）
店主鼎談
ネコノス　浅生鴨さん　✕
双子のライオン堂　竹田信弥さん　✕　河野通和

今回のイベントに出店し、
選書をした3人によるトーク。
作家、出版社の経営者、
書店、編集者でもある３人は何を思うのでしょうか。
「フェニックスブックス」だけではなく、
書籍全般に関するお話が聞けそうです。

▲トークイベントステージ、
「ネコのライオン堂」「河野書店」が並びます。

■ほぼ日ストアでも販売が！

イベントに来られない方にもお楽しみがございます。
ほぼ日ストアでは、
「フェニックスブックスX」を販売する予定です。
こちらは、浅生鴨さん、河野通和がセレクトした
3300円（税込み、配送手数料別）の本の福袋です。

何が入っているかは届いてからのお楽しみという
恐ろしい袋ではありますが、
鴨さん、河野さんを信じてお買い求めいただける場合は、
ぜひ！

一部は、ポートビルの近所のTOBICHIでも販売予定です

‥‥すみません。
ちょっと、盛りすぎました。

次回からは、「フェニックスブックス」について
もうちょっとくわしいお話をしていきますね。
イベントまでしばしのお付き合いを！