おしゃれでキレイな人になりたい。
ほんとうはずっとそう思いつづけています。
コロナウイルスのせいであまり人に会わなくなり、
ずっとマスクをしていることもあり、
超〜ぼんやりとした日々を送っています。
毎日にはりあいが、ないんです。
そのうえ最近運動不足。こんなことではいけません!
思い出しましょう、
何が自分の毎日をたのしくするのかを。
やっぱり私は、おしゃれになりたい!
取材はほぼ日の菅野、友情出演は大高、そして太田です。
*
<今回の企画に参加したブランドのみなさん>
ASEEDONCLÖUD
<ブランドコンセプト>
ASEEDONCLÖUD (アシードンクラウド) という
ブランド名は、子供のときに初めて創作した
絵本の名前 (くもにのったたね) から由来しています。
19世紀後期~20世紀初頭の写真に見られるような
古い作業着の美しさを生かしながら、
その美しさの裏にあるアイデンティティーに、
ウイットとユーモアを織り交ぜてデザインしています。
素材は天然素材をベースに、時には時代観のあるものを、
また時にはアンティークから再現したものを
使用しています。
コンセプトとして、
毎シーズン様々な職業のライフスタイルから
インスピレーションを得て、
その生活の匂いをスパイスとして
デザインに込めています。
<デザイナー>
・玉井 健太郎
セントラルマーティンズ美術学校
メンズウェア学科卒業。
ロンドンにてマーガレット・ハウエル UKの
アシスタントデザイナーを経て帰国
2007年4月 株式会社リトゥンアフターワーズを設立
2008年9月 東京コレクション初参加
2009年4月 リトゥンアフターワーズでの活動を中止し、
独自のデザイン活動をスタート
sneeuw
<ブランドコンセプト>
「スニュウ」は、オランダ語で雪のこと。
「clean and humor」をコンセプトに、
シンプルな中に遊び心のある仕掛けをちりばめて、
日常を、少しだけ浮き上がらせるような
身の回りのものを作っています。
<デザイナー>
・雪浦聖子
1978生まれ東京大学工学部卒業後、
住宅設備メーカーに勤務。
その後、ESMOD JAPONで
服飾デザインとパターンを学ぶ。
卒業後、YEAH RIGHT!!にてアシスタントを経験。
2009年にsneeuwを立ち上げる。
spoken words project
<ブランドコンセプト>
デザイナーの飛田正浩主宰のファッションブランド。
手作業を活かした染めや
プリントを施した服作りに定評があり、
現在はアーティストのライブ衣装や舞台美術、
テキスタイルデザインも手掛け、
ファッションの領域を超えて活動中。
<デザイナー>
・飛田正浩
1968年、埼玉県生まれ。多摩美術大学卒業。
染織デザイン科在学中から様々な表現活動を
「spoken words project」として行う。
卒業を機にブランドとして改め、
1998年東京コレクションに初参加。
mintdesigns
<ブランドコンセプト>
mintdesignsは衣服を一種のプロダクトデザインとして
確立させていくモノ作りを目指しています。
日常生活の時間を豊かにするデザインを
ブランドコンセプトとし、
「流行」と同義ではない
「ファッション」の可能性を提案しています。
ブランド名である” mintdesigns ”の” mint ”には
ハーブのミントが表すフレッシュなイメージの他に、
「真新しい」、「希少価値のある」という意味があります。
<デザイナー>
・勝井 北斗
1973年、東京に生まれる。
パーソンズスクールオブデザインニューヨークで
学んだ後、
セントラルセントマーチンズ
カレッジ オブ アート&デザイン(ロンドン)卒業。
・八木 奈央
1973年、大阪に生まれる。
同志社大学にて美術芸術学を専攻し、卒業。
ロンドンに渡りセントラルセントマーチンズ
カレッジ オブ アート&デザイン(ロンドン)卒業。
みなさん、こんにちは。ほぼ日の菅野です。
前回につづき、おしゃれに憧れる心ひとつを出発点に、
「ASEEDONCLÖUD」
「mintdesigns」「sneeuw」
「spoken words project」の4ブランド合同の
1点もののサコッシュを制作する原点に
おじゃましています。
各ブランドの布があまりにもカッコよくて、
おしゃれ怠惰の心は瞬時に彼方に飛んでいきました。
さようなら、毛玉、
さようなら、カエルの定期入れ‥‥は、
大高は、まだ愛用するそうです。
あのね、サコッシュの布地はほんとうに、
どれもかわいいのです!
どう選んで組み合わせても、
「私」に合う、すご〜く欲しい
サコッシュになってしまいます。困ったな。
4ブランドのみなさんは、
おしゃれから遠のいていたこんなトーシローが
布を身体にあてて喜んでいるすがたを、
「ふむふむ」「こういうのが好きなのかぁ」
「表が◯◯さんの生地だから裏は△△はどう?」
などと、ほほえましく、興味ぶかげに
アドバイスをくださったりするのです。
自分たちで布を選んで
好きなサコッシュを作るのもたのしいけれども、
「お見立て」してもらったほうが、
なぜか‥‥いや、あたりまえか‥‥断然、おしゃれ。
自分では思いつかなかった素敵な組み合わせを
次々に提案してくださいます。
「これがサコッシュになったらどうなるか」
という最終形を、
布を見た瞬間にみなさんがわかっていらっしゃるのです。
そして、私たちの姿をサッとごらんになって
「この人のキャラクターはこう」
「こういう歩き方をするんだな」
「ほかに服はこういうものを持っていそうだな」
と、見抜いてしまうのです。
私は、私の殻を抜け出したい。
もう、サコッシュ作りは、
プロのみなさんにまかせよう。
そう思ったので。
がまんしてたんですよ、
がまんしてたんですけど、
お店にいると目に入ってくるから。
mintdesignsさんの服、かわいいんです。
たのしいし、もちろんおしゃれだけど、
けっこう「使える」ものがいっぱい。
洋服を見ていると、
「あ、似合いますね」「いいですよ」
「たとえば、こんな靴下とかも」
などと、やさしさ満開のアドバイスを、
みなさんがくり出してくださいます。
ちがうブランドの方々も、です。
なんつー豪華な瞬間。
そしてみなさんの、なんつー心広さ。
サコッシュを基点に、
一気におしゃれ度数を上げたくなった私たちは、
みなさんのおしゃれに対するやさしさを目の当たりにして、
すぐには帰りたくない。
ずっとここに、いたいよう。
だから私たちは、表参道から電車に乗って、
亀戸にあるspoken words projectさんの
工房におじゃますることにしました!
工房内には、見たことのない
染色の道具がたくさんありました。
興味深げに見ていると、
「選んだサコッシュの布地に、
シルクスクリーンで刷ってみますか?」
と、spoken words projectの
飛田さんが声をかけてくださいました。
うわぁ、やりたいやりたい!
いいんすか?!?!
と、大きな声で返事をしたとき、
私たちのもうひとりのおしゃれ同志、
ほぼ日の太田が、
別の仕事の撮影から瞬間移動で
飛び込んできたではありませんか。
すごい。亀戸からは遠い場所で撮影していたのに!
「かわいいサコッシュ、見てみたかったんだもん!」
そうだよね。
今回は特別に、シルクスクリーンの体験も
させてもらえるんだよ。
「わぁぁぁぁ〜」
私たちがプリントをたのしむあいだ、
工房のあちこちで、
4ブランドのおしゃれ戦士さんたちがお互い、
にこやかに意見交換なさっていました。
「これはどういう生地なんですか?」
「ああ、なるほど。のびる特徴があるんですね」
「この道具の動かし方は?」
「この加工はどういうところにお願いしてるんですか」
おしゃれが好きなみなさんのなかのよさが、
部屋をみるみる充たしていって。
思い返してみれば、この日の最初、
朝の時点では、みなさんがおしゃれすぎて、
たたずまいもほんとうに素敵で、
自分たちとのとんでもない差に愕然とし、
震え上がっていたのですが、
接してみると、全員の、おやさしいこと‥‥。
おしゃれな人たちは、怖い人たちではなかった。
遠い人でもなかった。
なぜか。
洋服やバッグは、人に寄り添うものです。
人の身に、肌に、直接触れて、
その人を飾ったり、心地よくしたり、
明るくしたり、しっかりさせたり、
はたまた洗濯しやすかったり、仕舞いやすかったり、
させるものです。
洋服を作る人たちは、
着る人のことを考えている!
だからあんなに、やさしいのか。
これから、おしゃれを忘れたら、
あのやさしい人たちがつくった服に、
会いに行こう。
帰りの電車で、私たちは誓い合いました。
やっぱり私は、おしゃれになりたい。
そうそう、それでね、
このサコッシュ作りの1日を
なぜ思い出したのかというと、
6月4日(金)〜6日(日)に神田ポートビルで開かれる
「ほぼ1点もの市」で、これらが出そろうからなんです。
各ブランドオリジナルの、
洋服などの豪華なあまり布を使った、1点もの。
貴重な3日間です、じっくり見て、選んでください。
おしゃれを忘れない、たのしい日々を、
これからはずっと、送れますように。
それでは今回の
「やっぱり私は、おしゃれになりたい。」を
終了いたします。
ありがとうございました!
(おしまいです)
2021-05-29-SAT
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ほぼ1点もの市
6月4日(金)5日(土)6日(日)
時間:11:30~19:00
場所:神田ポートビル(東京都千代田区神田錦町3丁目9)1階ほぼ日神田ビルから歩いて3分ほどにある、
ほぼ日のもうひとつの拠点である「神田ポートビル」。その1階をお借りしてひらくのが、
同じものはふたつとない手づくりの作品や、
たくさんのテキスタイルバリエーションから選べる
トートバッグやサコッシュ、そして、
会場限定のお得な商品をあつめた
「ほぼ1点もの市」です。じつは、ならぶ商品の多くが、
昨年開催予定だった「生活のたのしみ展」のために、
じっくり作りためていたもの。
なかでも今回は、実物を眺めて、手にとって、
どれにしようかなと選んでほしい雑貨たちがならびます。その名のとおり、「ほぼ1点もの」が多いため、
「このデザインの商品のご用意があります」と
言い切れなかったり、この時期ですので、
こぢんまりとした開催になりますが、
「出合えた作品こそが縁」という、
お買いもののワクワクをお届けできたらと思います。どんなお店になるのか、
くわしくはこちらをごらんください。4日(金)のご入場は、完全事前予約制です。
5日(土)と6日(日)は、ご予約は不要ですが、
整理券制でのご案内を予定しています。※申し込みの締め切りは
5月31日(月)の午前11時までです。