8月1日から、三省堂書店神保町本店さんが、
ほぼ日ブックスのフェアを展開してくださっています。
せっかくご近所にいるのですから、
ぜひ私たちもなにかお手伝いしたい!
そこで、今年のインターン生たちが
とにかく三省堂神保町本店さんに通って、
できることを探していくことにしました。
先輩の乗組員に相談したのですが、
「一生懸命やれば大丈夫!」 としか言ってくれません‥‥。
というわけで、とにかく一生懸命やります。
多少の空回り、無謀、ご容赦ください。

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第2回 三省堂ぐるっとツアー!

たなか
こんにちは。
インターンのたなかです。
今回の「三省堂書店ぐるっとツアー!」では、
インターン生が自分の気になるフロアをめぐり、
三省堂書店神保町本店の魅力を紹介していきます!
各フロアを担当したインターン生が
文章を書いています。
フロアの担当は以下のとおりです。
三省堂書店の歴史→あかま
1F→たなか、こーだ、かとちゃん、いいじま
2F→たなか、こーだ
3F→こーだ
4F→たなか
5F→かとちゃん
6F→あかま、わたこ
8F→たなか
イラスト→いいじま、わたこ

あかま
あかまです。
まず、簡単に三省堂書店の歴史について、
ご紹介させてください。

あかま
三省堂書店は1881年4月8日、
東京神田神保町に「古書店」として創業しました。
1881年、ということは、今年で「140周年」です!
1880年ごろといえば、
坪内逍遥『小説神髄』、二葉亭四迷『浮雲』
の登場により、日本近代小説が誕生した時代です。
この時代は翻訳文学も興隆した時代で、
川島忠之助や黒岩涙香といった作家たちが
翻訳・翻案といった形で諸外国の文学作品を
日本に広めました。
三省堂書店はこのような時代に、
外国語の辞書編纂をはじめたそうです。
自分たちが生まれる前から、
日本の学びと文化をずっと支えてくださっていて、
この歴史と伝統がはじまった場所に
今も行くことができるということに、
感謝と感動の気持ちが湧いてきます。
それにしても、
140周年という歴史の長さには圧倒されてしまいます。
140歳ってことですもんね....!
いま21歳の私のひいおばあさんが
105歳くらいまで生きたので、
ひいひいおばあさんの時代でしょうか。
いや、ひいひいひいおばあさんも、
まだ生きていた時代かもしれません。
140年という歴史の重みをずっしり感じます。
ちなみに。
三省堂書店には、
140周年を記念したフェアもありました!

あかま
それでは、
「三省堂書店ぐるっとツアー!」のスタートです!

たなか
たなかです。
靖国通り側の正面入口から入って右手側に、
三省堂書店のフロアマップがありました。

たなか
1階~6階まで幅広いジャンルの本、文具雑貨やカフェ
が楽しめるんですね。
フロアマップのすぐ近くに「ほぼ日ブックスフェア」が!

たなか
糸井さんの手書きポップもありました。

たなか
ほぼ日ブックスが勢揃いすると、ものすごい存在感です。
フェアの特典として、3冊購入すると、
酒井駒子さんの「鹿と星のマグカップ」が
ついてくるとのことです!
この機会に買うとお得ですね。
 

こーだ
こーだです。
フロアの反対側には、
「神保町いちのいち」という雑貨コーナーがありました。

こーだ
「神保町いちのいち」では、創り手の想いが伝わる作品から、
毎日をちょっと豊かにする日用品を販売していました。
そこで、「何者からかの手紙」を発見し、一通165円で購入!
前から気になっていて、見つけた時はるんるんになりました。
「何者からかの手紙」は、架空の”何者”かから届く手紙です。
手紙の送り主である”何者”は、
人やモノ、場所と多岐にわたります。
この手紙はポストに届く形式になっており、
そのポストは「神保町いちのいち」に設置されています。

こーだ
今回、私が選んだのは”酔っぱらい”と”下り坂”からの手紙です。
これらを選んだのは、
お酒好きですぐ酔っぱらいになる友達が多いことと、
ほぼ日本社に出勤する時に毎日坂を下りていて、
普段の生活に馴染みのある送り主だったからです。
(最近はお酒も自粛中ですが....)
手紙の内容は、送り主が日々言いたいことや、
頑張っていることなどです。
普段の自分ではなかなか気づくことができない視点で
書かれているので、
読みながらついつい口角があがってしまいました。
三省堂書店に来た際は、
ぜひお好きな送り主からの手紙を読んでみてください。

かとちゃん
かとちゃんです。
1階のレジ前の平積みに、何やら気になる本が。

かとちゃん
橘玲『無理ゲー社会』 
才能のあるものにとってはユートピア、
それ以外のものにとってはディストピア。
残酷な社会の構造を解き明かす、衝撃作。

かとちゃん
表紙の文章に心を撃ち抜かれて、この本を購入しました。
読書後は、この本に現実を突きつけられて、
目がキリッとした感覚になりました。
自分がたるんだ時に、時々読み返したいと思います。

いいじま
いいじまです。
1階から2階に上がるエスカレーターの横で、
こんな可愛らしい商品をみつけました!

いいじま
本や読書がモチーフの雑貨を取り扱っているのも
三省堂書店ならではですね!
かわいい〜〜〜。

たなか
たなかです。
2階に上がると、神保町アウトレットを発見!

たなか
神保町アウトレットのPOPに
「書籍や雑誌は一般に定価販売ですが、
この書籍のコーナーは出版社が定価を外し
格安で出庫した書籍で、中古本ではありません。」
と書いてありました。
新本を安く販売できるのは、
定価より安く仕入れることができるためのようです。
新本がお手頃価格で買えるのは、うれしい!
本の数も、ジャンルも豊富です。

たなか
自分が気になった2冊の値段を見てみると、
モリスクライン/中山茂訳『数学の文化史』 では、
(税込)4810円が、(税込)2090円に。
柳田国男『国語と教育』では
(税込)2200円が、(税込)990円に。
2冊とも半額以下の値段になっていました!

こーだ
こーだです。
神保町アウトレットで気になる本を発見しました。
心理テストの本です!

こーだ
中学生に戻ったような気持ちでやってみると、
家ではダラダラ怠け者という結果がでてしまい
思わず笑ってしまいました。
くやしいけど、意外と結果が当たっていて、
気づけばすっかりこの本にハマっていました。

こーだ
引き続き、こーだです。
またまた気になる本が!

こーだ
手にとったのは、
松村真宏『仕掛学―人を動かすアイデアのつくり方』
「仕掛け」とは、
「問題解決に資するよう人の行動をいざなうもの」と
著者の松村さんは説明しています。
身近にある仕掛けでは、
駅などにある、1段毎に消費カロリーが書いてある階段です。
消費カロリーが書いてあることで、
エスカレーターでなく階段にしよう!と、
しぜんと行動を促しています。
他にはコンビニなどにある足元マークも
レジを待つ人に一列に並んでもらうための
仕掛けですね。
私は足元マークに忠実なので、
すでにだいぶ仕掛られていました....!
また、3階には文具コーナーがあり、
9月1日からはじまる
ほぼ日手帳2022販売記念イベントでも、
手帳チームがおじゃまします。
こちらもお楽しみに!

たなか
たなかです。
4階の奥に進むと、
三省堂古書館という古本コーナーがありました。
新刊、新本のアウトレットに続き、
古本の取り扱いもあるなんて!
古本好きの自分にはたまりません。

たなか
ついつい気になる本に手が伸びます。
(奥の方に小さく写ってるいいじまは映画のポスターに夢中です。)

たなか
この2冊を購入しました。

たなか
もともと探していた横尾忠則さんの対談集と、
その場で気になった鎌田慧さんの本です。
2冊で、490円。
ちなみに、2冊を定価で買うと、
合計で1300円。
古本って、お得なんです!
古本ってヨゴレが気になるかも、
と思う方もいらっしゃると思います。
そんなときは、
透明のブックカバーがついている古本がおすすめです。
この2冊にも透明のブックカバーが付いていました。
中身はとてもきれいで問題なく読むことができます。
三省堂古書館は、4Fの一画にあります。
古本屋として独立していないので、
古本屋に入るのがハードル高いなあと思われていた方でも
気軽に古本を手に取ることができます。
また、古書館の前には、
映画のパンフレットが集まる
パンフレットシアターもあるので、
映画好きの方にもおすすめです!

かとちゃん
かとちゃんです。
5階に来ました。
残すところも2フロアになりました。
父が心理学の仕事をしていることもあり、
心理学に興味があります。
ということで、心理学コーナーへいってみます。

かとちゃん
おおおー!売れている心理学書2021。
表紙がわかりやすく陳列されていて、
あまり心理学に詳しくないわたしでも
興味のある一冊が見つかりそうです。
店員さんによる、手書きのポップもたくさん。
目移りするな....どれを読もうかしら。

かとちゃん
一緒に行ったインターン生のこーだが、
おすすめしてくれましたので、
こちらの『夜と霧』を購入してみることに。
彼女は心理学の授業でこの本を知ったそうです。
私自身も小学生のときに、
アンネ・フランクの伝記の漫画を
よく読んでいたので、更に深く知れたらと思います。
ドイツ強制収容所の体験記録。
奇跡的に生還したユダヤ人の心理士が
その体験を冷静に、赤裸々に語っています。
強制収容所の職員の
モットーが衝撃的だったので
紹介させてください。
「体を打ちこわせ、精神を打ち破れ、心を打ち破れ」
<『夜と霧』p.28.13行目>
これが職員が掲げるモットーとは、
今の時代の感覚からは信じられませんが、
現実だったのです。
読んでいて苦しくなるくらい痛々しい
描写もたくさんでてきました。
家に帰って読み終えた後、
足と心が冷えて
体が棒のようになっていました。
おすすめされなかったら
絶対読んでいなかった本だった。
けど、読んでよかったな。

あかま
あかまです。
6階には絵本・児童書コーナーがあります。
小さい頃から本が好きだったので、
思い出の絵本や懐かしの児童書を見つけて大興奮。

あかま
三省堂書店は外国の絵本も充実しています。
小さい頃から、外国語の絵本に接していれば、
自然と海外の文化や外国語を学べるのでは、と思いました。

あかま
読んだことのある絵本を
外国語版と読み比べても面白いです!
同じ話でも新鮮な気持ちで楽しめます。

あかま
三省堂書店の児童書コーナーは、
子どもの目線に合わせたやさしい設計でした。
本棚や本の配置が低いので、
子どもも楽しく本を選べます。

あかま
児童書の中でも、あかまイチオシは「岩波少年文庫」です!
ピンク系は小学生から、青系は中学生から、という風に
カバーの色で対象年齢がわかりやすくなっているので、
選びやすいです。
『飛ぶ教室』、『長くつ下のピッピ』、『はてしない物語』…
お気に入りをあげると、きりがありません。
広くて充実した絵本・児童書コーナーは、
子どもはもちろん大人の方でも楽しめます。
児童書は、有名な文学作品が
子どもでも読めるように書かれているため、
名作と言われる本を読んでみたいけど難しそう、
と思われている大人の方にもオススメです!

わたこ
わたこです。
6階の漫画コーナーに来ました。

わたこ
わたしはほぼ日の出勤日に、
漫画の新刊が出たときは、
退勤後に三省堂書店神保町本店へ行って、
漫画を買っています。
売り切れ必須の作品の発売日のときは、
お昼休憩の時間を使って三省堂書店に!
漫画コーナーは、
出版社やジャンルごとの区切りが薄く、
新たな漫画と出会いやすくなっているなあと思いました。
気づいたら少年漫画から、
少女漫画コーナーにたどり着いていたり!
あと、試し読みが太っ腹です。
ふつうの書店では1話程度ですが、
三省堂書店では、
ほぼ1冊丸々立ち読みできる漫画もあるので、
時間を忘れて楽しんでしまいます。

わたこ
ドドン!!
いよいよ物語が終盤に向かいつつある、
『ワンピース』もありました。
わたしもいつかルフィのようなゴムゴム人間になって、
空島やシャボンディ諸島、ワノ国に行ってみたいです。

たなか
たなかです。
まだぐるっとツアーは終わりません!
8階特設会場では、三省堂古書館が主催する、
「涼風古本市」が現在開催中です。

たなか
涼風古本市では、
様々なジャンルの古本や、古本屋が集まっています。

たなか
会場も広く、自分のペースで
ゆっくり本を選ぶことができます。
本以外にも、懐かしのCD、ビデオ、
漫画、鉄道雑誌コーナーもありました。
購入したのはこちら。
『星新一 一〇〇一話をつくった人 』(上下巻)
星新一さんの作品は読んだことないですが、
生涯で一〇〇一話も創作するって、
どんな性格の人だったんだろう。
どういう考え方で、どういうことばを
残しているのだろう。気になります。

たなか
しかも値段は、2冊セットで300円!
安さもありますが、古本は購入のタイミングを逃すと、
次来てみたらなくなってる(涙)ことが多いので、
今日だからこそ出会えた本だと思って、
即決購入しました。
これで、三省堂書店ぐるっと1周です。
ただ、三省堂書店神保町本店には
気になる本やコーナーが多く、
あっという間に時間が過ぎてしまいます。
またすぐに足を運びたいとおもいます。

たなか
全フロアを周ってみて、
本の品揃えの豊富さはもちろん、
神保町アウトレットや
三省堂古書館、涼風古本市など
「本の街」神保町に本店をかまえる
三省堂書店だからこそ、
体験できるコーナーがあり、
三省堂書店だからこそ、
出会える本があると実感しました。
三省堂書店を巡っている最中、
普段は立ち寄らないジャンルの書棚に
引き寄せられることが多々ありました。
インターネットでも本を買える時代ですが、
実際に書店を訪ねて、本を手に取ることで、
興味の幅が広がったり、
新しい本に出会うことができると実感しました。
今後も、三省堂書店に通いたいと思います。
以上、「三省堂書店ぐるっとツアー!」でした。
(帰りの空がとてもきれいでした。)

(つづきます)

2021-08-21-SAT

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