シンクーのコスメのいくつかは、
ハーブラボという会社で作られています。
本社は名古屋市にありますが、山梨県北杜市に農場を所有し、
10年以上前から無農薬のハーブ栽培に取り組んできました。
満開を迎えるハーブ畑へ、収穫にいらっしゃいませんか──
明野ハーブ農場のみなさんにお誘いいただき、
シンクーチームが収穫のお手伝いに行ってきました。
特急列車「あずさ」に乗って、出発です。
続いてシンクーチームが向かったのは、
カレンデュラの畑です。
春から夏にかけて美しい花を咲かせるカレンデュラ。
皮膚を保護し、抗菌作用にも優れた万能ハーブとして、
とても人気があります。
シンクーチーム全員が、
こんなに広い畑でハーブ摘みを体験するのは初めて。
30分を目標に、カレンデュラの畑一列を
すべて摘み取ります。よーい、スタート!
カレンデュラの花びらの下の萼(がく)を
やさしくつかんで、茎から外していきます。
花だけを摘むって、なかなか難しい。
収穫したカレンデュラは、
日光に当てておおまかに乾かしてから、
安定して乾燥させられる室内へ移動させます。
明野町の恵まれた日射量は、ときに強すぎて、
せっかくの美しいオレンジが色あせてしまうからです。
このあと、名古屋の工場へ運ばれ、
化粧品の原料へと姿を変えます。
続いて、農園のみなさんが、
ハーブのワークショップを開いてくださいました。
テーマは、ラベンダーの精油作り。
1か月ほどで見頃を終えてしまうラベンダーも、
精油と蒸留水として抽出することで、
香りと効能を長くたのしむことができます。
ラベンダーと聞いて、シンクーチームから
「わー!」と声があがりました。人気者です。
睡眠前やリラックスのための習慣に、
ラベンダーのアロマ製品を
活用しているスタッフが多いんです。
ハーブから精油を取り出すには
いくつかの方法がありますが、
今日は「水蒸気蒸留法」と呼ばれる方法で、
収穫されたばかりのラベンダーの精油を抽出します。
釜のような器具に、ラベンダーを敷き詰めます。
調理器具の蒸籠のようになっていて、
底からたっぷり蒸気がラベンダーにあたる仕組みです。
ふたをして、セット完了です。
ラベンダーの釜を通過した蒸気は
この、長い管をぐるぐると通っていきます。
蒸気の中には、揮発した精油成分が含まれています。
この精油成分が、蒸気と一緒に冷やされ、
蒸留水と混ざり合った状態で出てきます。
はじめての一滴が、管から落ちてきました。
待つこと20分。
上澄みの色が付いている部分が、精油です。
1kgのラベンダーから取れる精油は、わずか6〜8ml。
小さじ一杯と少し。貴重なものです。
水蒸気蒸留法では、
精油だけではなく、蒸留水が生まれます。
「フローラルウォーター」などという名前で、
店頭に並んでいることも多いですね。
ラベンダーの水溶性の成分と、
ごく微量の精油が混ざった、
とってもいい香りのする水です。
この水を遮光性の小分け容器に移して、
持ち帰り用のギフトにしてくださいました。
寝室にシュッシュッとスプレーすると、
フレッシュなラベンダーの香りに包まれて、
やさしい気持ちで眠ることができます。
今回はワークショップ用に小さな器具を使って
デモンストレーションしてくださいましたが、
名古屋市にあるハーブラボの工場では、
もちろん、より大きな器具を使って、
大切に育てられたハーブから日々、
精油やエキスを取り出しています。
ハーブの世界は奥が深く、
無事に生長したはいいけれど、
安定して成分を抽出するのが難しい品種もあります。
まさに試行錯誤しながら栽培に挑戦中のハーブもあります。
どのハーブにどんな特長や効能があるのか、
そして、どんな栽培法が適しているのか。
農場長の山口さん、荒木さん、小関さんの3人で、
相談しながらハーブを育てています。
化粧品の原料となるハーブの有機栽培は、
参考にできる前例があまりないのです。
山口さんは、こう言います。
「植物はいったん土に根をおろせば、
好きな場所へ移動することはできませんから、
ストレスなく育つように
手をかけなくてはと思っています。
ていねいに世話をしたハーブは、香りが強く、
花の色つやも良く育って、応えてくれます」
こうして生まれた大切なハーブの一部を、
シンクーにも分けてもらっています。
(おわります)
2021-08-26-THU