シンクーの人気アイテム3品を詰め合わせた
「リピーターズ・セレクションキット」。
家でゆっくり過ごすホリデーシーズンにも
ぴったりのこのセットを、
生活スタイルが異なる3名の方に、
ご自宅で使っていただきました。
インタビューを通して見えてきたのは、
同じものを使っていても、
感じることや求めることがそれぞれ違うということ。
「その人らしさ」というものが、
日々の積み重ねから生まれてくるということが
感じられるようなお話です。
たくさんの人に愛されるスキンケア・コスメブランドを
立ち上げてきた田上陽子さん。
2022年に東京から北海道へ移住し、
豊かな自然の中でワイン用の葡萄や
ハーブを育てながら暮らしています。
都会で多忙を極めたディレクター時代と比べて
生活は大きく変化したそうですが、
実は目指すものは変わらないといいます。
田上さんが今、見つめているものとは?
じっくり伺いました。
- ──
- 北海道に移住されてからどのくらいですか?
- 田上
- ちょうど1年半です。
それまでは東京を拠点に生活と仕事をして、
疲れたら大自然のある静かな場所へ
エスケープしていました。
北海道も、冬の真っ白な雪の世界がすごく素敵で、
大好きな場所の一つだったのですが、
ここ(仁木町)でワイナリーを営む夫との
出会いをきっかけに、移住を決意しました。
- ──
- お仕事のこともありますし、
かなり大きな決断だったのではないでしょうか?
- 田上
- それが、私にとってちょうど良いタイミングだったんです。
セルヴォークやエッフェオーガニックといったブランドを
立ち上げて育てる、ということに約10年携わって、
全国の百貨店に入れていただいて
たくさんの方に知ってもらうという、
自分の中で思い描いていた一つの目標に到達できました。 - 一方で、年齢とともに価値観が変わってきて、
自分のライフスタイルや時間の使い方を見直したい
という気持ちが強まってきたので、
会社を辞めてフリーへ転身しました。
そこから1年の間に夫と出会って、
北海道と東京を行き来しながら仕事をするうちに、
自然と移住を選んだという感じです。
- ──
- 価値観は、どんな部分が変化しましたか?
- 田上
- ものをつくるということの原点に戻りたい、
と思ったんです。
もちろん、ブランドや商品をこれまで以上に多くの方に
知ってもらうことはすばらしいことですが、
ものづくりのベースになる素材や原料といった、
本質的な部分に向き合いたい。
そう思っていた時に出会ったのが夫でした。
彼がしていたのは、
ワインの素材になる葡萄から育てて、
時間をかけてワインという形にして、それを売ること。
ゼロから10まで自分の手で生むということを
眼の前で見せられて、はっとしたんです。
- ──
- つくるところからお客さまに届けるところまで
一貫されているんですね。
- 田上
- ええ。
とくに彼の場合は、たくさん売るのではなくて、
ワインの質を上げることで価値を上げることに
重きを置いています。
自分が本当においしいと思えるものを作って、
共感してくれる人に響けば、少し高くても買ってくれる。
そんなシンプルな価値観がすごくいいなと感じたし、
私自身もそういうものづくりに立ち戻りたいなと思って。
今は一緒にワインをつくったり、
自分でハーブや野菜を育てたりしています。
今まで経験した大変さとは違う大変さもたくさんあって、
毎日修行しているような感覚です。
- ──
- それはどんな種類の大変さですか?
- 田上
- 畑仕事は朝も早く、体力勝負。
体はあちこち痛くなるし、
何より相手は“自然”ですから、思い通りにはいきません。
うまく育たないことはしょっちゅうだし、
今では大親友のミミズにも、当初は悲鳴(笑)。
でも、一番大きいのは、
自分が何も知らなかったということ。
私が今まで携わってきたのはナチュラルコスメだったので、
原料のハーブや植物のことは独学で勉強していました。
でも、今考えると「知っているつもり」だった。
育ててみてはじめて、
「こんな花が咲くのか」とか、「ここは食べられるんだ」と、
実感をともなって知れることにグッときてしまって。
原点に戻ることの感動をかみしめています。
- ──
- 東京でのライフスタイルとは全く変わった感じですね。
- 田上
- そうですね。
出産も経て、育児や畑仕事が多いので、
メイクもミニマムになりました。
もともと、しっかりメーキャップをするよりは、
肌ツヤが良くてオーガニックビューティな感じの女性が
私にとって理想だったので、
素でいられる心地よさを感じています。
- ──
- 飾らないのにきれいな女性は、永遠の憧れです。
- 田上
- いろんな美があると思うんですけれど、
「素の美しさ」は私の中でずっとテーマとしてありました。
ブランドのディレクターをしていた時も、
「ウェルネスを大切に」とか、
「オーガニックビューティーを目指す」
とか言いながら、
自分はどうなんだ? という葛藤があって。
忙しく働いて、毎週のように鍼治療へ行って、
眉間にシワを寄せてるようでは、説得力がないなって。
目指すなら、自分のライフスタイルとして体現していきたい、
とずっと思っていたんです。
- ──
- では、目指すものは昔から変わっていないんですね?
- 田上
- 根本は一緒です。
生き方をふくめて美しい女性を目指したい、
というのは変わっていないから、
今、10年越しにその現場に下ろされたという感じです(笑)。
まさに「スターティング」的な。
- ──
- シンクーのアイテムに触れていただいて
ありがとうございます。
そのスターティングは、いかがでしたか?
- 田上
- 秋に入って、夏のダメージを受けた肌に
美容液を入れたい気分だったので、ちょうどよかったです。
畑仕事をしていると、日焼けや乾燥が気になるんです。
以前は仕事柄もあって、
あれ塗って、これ塗って、とステップが多かったんですけど、
今はシンプルなスキンケアが好みだから、
オールインワンなのもうれしかった。
- ──
- 他のアイテムと併用されましたか?
- 田上
- 冬はオイルを足したいかもしれないけど、
スターティングだけ重ね付けするのも良かったですよ。
テクスチャーが軽いからか、
ちゃんと肌に浸透してくれる感覚がいいですね。
それだけ肌も乾燥しているということだと思うんだけど、
年々、軽いテクスチャーを好むようになってきたんです。
あと、ほのかな香りが絶妙!
- ──
- わぁ、うれしいです。
- 田上
- プラセンタ特有の香りもないけれど、
精油の香りも強すぎない。
天然の精油の香りはもともと好きですが、
強さが気になるようになってきたので、
このくらいが本当にちょうどいい。
- ──
- スターティングは柑橘系の香りですが、
他にどんな香りがお好きですか?
- 田上
- お寺に漂うような香りが大好きで、
お香やパロサント(天然香木)は毎日のように焚いています。
10ミニッツアロマも以前から使ったことはあって、
白檀(サンダルウッド)やヒノキ、ティートゥリーのような
浄化感のある香りが好きです。
来客が多いから、掃除したあとに焚くと、
「はい完了!」という整った気持ちになります。
- ──
- スキンケアも香りも、シンプルなものがお好みなんですね。
- 田上
- そうですね。
メイクもファンデーションは塗らなくなったので、
1本で仕上がる「レディー ミー ベース」は理想的です。
ぴたっとフィットしてきれいにワントーン上がるし、
「SPF35」というのも、これからの秋冬にはちょうどいい。
この上にコンシーラーだけでベースメイクは完了できます。
メイクって、若い時は厚塗りしてもきれいに見えるけど、
大人になってきたら、引けば引くほど若々しくなると
思うんですよ。
その時に大事なのは肌の質感だったりするから、
「スターティング」でツヤを作って、ね。
- ──
- 気に入ってくださってうれしいです。
メイクの引き算って、大事なんですね。
- 田上
- そうそう。
いつも化粧していると、
それが自分の顔になっちゃうでしょう?
でも、メイクをあまりしないと、常に素肌を見るので、
「あれ? ちょっと疲れてる?」というようなこともふくめて、
いい刺激になりますよ。
素の自分と向き合ってがんばります、みたいな。
- ──
- かっこいい‥‥。勇気が出てきました。
- 田上
- いやいや、10年ぶりに素で勝負する現場は
なかなかきびしいですよ(笑)。
でも、心は落ち着いているかな。
昔は忙しく働いたぶん、現実逃避のために
海外旅行にもしょっちゅう行ってましたけど、
今はここがリトリートみたいな場所だから、
冬休みもこの3点セットをお供に、
家でゆっくり過ごしたいと思います。
- ──
- ありがとうございます。
あたたかくしてお過ごしください!
2023-11-17-FRI