画家の制作風景を紹介する
『ある画家の記録』というコンテンツで、
3ヶ月ほど連載してくださった中村隆さん。
そこからご縁がつながり、
「生活のたのしみ展 2023」に
中村さんのお店を出すことになりました。
どんな作家さんで、なにを売るお店なのか。
できあがったグッズを見ながら、
ご本人といろいろおしゃべりしました。
中村隆(なかむら・たかし)
画家、イラストレーター。
1976年、新潟県生まれ。
98年日本デザイン専門学校卒業。
以後、フリーのイラストレーターとして活動しながら、
定期的に個展をひらいて作品を発表している。
作品は「HB Gallery Online Shop」などで販売中。
ほぼ日のこれまでの登場コンテンツ:
『ある画家の記録。Season2』
- ──
- 「たのしみ展」の会場では、
ポスターの他にも、
Tシャツ、レコードトート、
あと描き下ろしのイラストで
かわいいコップもつくりました。
- 中村
- うれしいです。
- ──
- レコードトートは
生成りと黒の2種類で、
これも過去の作品ですよね。
- 中村
- そうです。
- ──
- やぶれた傘、いいなぁ(笑)。
- 中村
- どこかで見たんですよね(笑)。
要らなくなった傘が捨ててあって。
- ──
- この黒いほうは、
よく見るとハチが飛んでるんですよね。
- 中村
- これは「音」がないと思って。
- ──
- 音?
- 中村
- このプレーヤー、
レコードが乗ってないんですよ。
そもそも壊れてて動かない。
絵の中に音がぜんぜんないので、
それでハチの「羽音」をここに。
- ──
- このグラスの絵は
「動物とフルーツ」というお題で、
今回のために描き下ろしてもらったものです。
- 中村
- 完成したものはじめて見ましたけど、
いい仕上がりですね。
- ──
- ちっちゃくてかわいいですよね。
- 中村
- シロクマもちゃんとシロクマになりましたね。
もともとは茶色で描いていたので、
ちょっと心配していたんです。
- ──
- 印刷のときに白に変換したんですよね。
- 中村
- 絵の中だと「白」って抜ける色なので、
仕上がりのイメージがつかなくて。
でも、こうやって見るといい感じですね。
- ──
- 動物を描くときって、
なにか写真を参考にするんですか?
- 中村
- 一応、見たりはしますけど、
本物とはぜんぜんちがうと思います(笑)。
トラの模様もぜんぜん間違ってるだろうし。
これ、飲み物入れたらどうなるんでしょうね。
- ──
- 試しにやってみたんですけど、
水を入れると奥が湾曲するので、
イラストがよりはっきり見えます。
裏側から見ると、
絵がぐにゃーと伸びたりします。
- 中村
- おもしろそうですね。
いやいや、ありがとうございます。
- ──
- ということで、
ここにあるものを「たのしみ展」で
販売するわけですが、
完成したものを見てどうでしたか。
- 中村
- こういうじぶんのグッズは
個展のときにすこしつくるくらいなんです。
なので、こんなにつくってくださって
すごくうれしいです。
お客さんがほんとに来てくださるのか、
そこが心配ではありますけど(笑)。
誰もいなかったらどうしようかと。
- ──
- それは絶対ないです(笑)。
- 中村
- そうですか。
ほんとうにお客さん来るかなぁ。
- ──
- 中村さんのお店、
つくりがちょっと変わっていて、
前と後ろから出入りできる
トンネルみたいなスペースなんです。
- 中村
- 角じゃなくて?
- ──
- 左右7メートルくらいの長い壁があって、
そこが中村さんのお店になります。
遠くからでも目を引くと思います。
- 中村
- じゃ、もし誰もお客さんいなかったら、
そのトンネルのまん中で
絵を描いていればいいですね(笑)。
- ──
- 会場で描いていただけるんですか?
- 中村
- ぜんぜんいいですよ。
お店番してるときはなんでもします。
- ──
- ありがとうございます!
絵を描いてるところが見られたら、
お客さんもきっとうれしいと思います。
というか、ぼくが見たいです。
- 中村
- 個展が終わったばかりなので、
クライアントの仕事をしてると思いますが(笑)。
- ──
- どんどんお仕事してください(笑)。
きっとたのしい空間になると思います。
- 中村
- はい、マイペースにやります。
こういうイベントに
参加できてほんとにうれしいです。
ありがとうございます。
当日はぼくもいっしょに楽しみます。