パリオリンピック開催中の、ある夏の日。
芸人で漫画家の田中光さんと話していたら、
「もし『隣の宇宙』でもパリオリンピックが行われていたら?」
というマルチバースすぎる話題になりました。
これが、架空のスポーツが出るわ出るわで
とてもおもしろかったんです。
せっかくなので、この勢いで
「隣の宇宙で行われていたパリオリンピック」を
対談形式で振り返ってみることにしました!
メンバーは田中さんと、
同じく芸人で漫画家のおほしんたろうさんです。
おふたりとも自然に、
この「パリ大会」を見てきた人としてお話されていますよ。
描き下ろしのイラストにもご注目ください!
こちらの宇宙ではすっかりオリンピックの時期は
過ぎてしまいましたが、
「隣の宇宙では時期がちょっとズレてるのかな?」
と設定にのっかって、
おたのしみいただけますとありがたいです!
おほしんたろう
お笑い芸人、漫画家、イラストレーター。ワタナベエンターテインメント所属。主な書籍に『学校と先生』(ナナロク社)、『おほまんが』『おほまんが しお味』(KADOKAWA)がある。
田中光(たなかひかる)
お笑い芸人・ギャグ漫画家・絵本作家。京都府出身。グレープカンパニー所属。
漫画家としての代表作に『サラリーマン山崎シゲル』
(小学館)、絵本に『ぱんつさん』(第25回日本絵本賞)、
『ねこいる!』(MOE絵本屋さん大賞第5位)『すしん』(リブロ絵本大賞・大賞/以上ポプラ社)、『おばけのかわをむいたら』(文響社)など。
- 田中
- おほくんがずっと騒いでた選手いたやん。
なんていう競技やっけあれ。
- おほ
- ああ、「絶望」ね。
「男子絶望」の杉野。
- おほ
- 杉野が銅を取ったんで、良かったですね。
- 田中
- 銅すごいね。
- おほ
- やっぱ、杉野の絶望は
本当に落ち込んでるっていう感じがする。
頭抱えたりとか、うなだれるような
下向きの動きがけっこう多いんですけど、
杉野は、上に行くんすよ。
上を見上げるタイプ。
- 田中
- あー確かに。雨、見えたもんな。
- おほ
- そうっすね。雨が見えた。
あんな快晴のパリの中で。
- おほ
- 杉野は直前に離婚してきてるから。
- 田中
- パリ五輪のために調整してきたんや。
- おほ
- 離婚してパリ入って。
で、やっぱメダル取ってますからね。
- 田中
- ほんで前日に iphone 壊れたって。
- おほ
- ああ 、海外でiphone壊れたらきつい。
- 田中
- きついよな。データ全部入ってたもんな。
もう、観客のスタンディングオベーションがすごかった。
コーチが最後タオルケットで包んであげても
杉野は絶望やめなかったもんな。全然。
- おほ
- 僕、絶望の表彰台のムードも好きで。
やっぱ絶望の表彰台ってすごい暗いじゃないですか。
それになんかへこんで見える。
やっぱね、独特な役割があるんですよね。
- 田中
- 絶望だけは特別やなぁ。
なんかメダルの裏にも
ちょっと嫌なこととか、書いてあるらしいね。
- 田中
- やっぱお国柄か、イタリアとか、
アメリカ西海岸の選手は、弱いよな。
- おほ
- そうですね。はなから目指してない。
たまに一人だけ出れた、みたいなのが来ますけど。
- 田中
- 「その絶望、俺らで言ったら全然絶望ちゃうねんけどな」
みたいなので来るやんか。
「日曜だけど出社しちゃったよ」ぐらいのやつ。
びっくりするやんな、あれな。
サザエさんのオープニングぐらいの
おっちょこちょいで来る。
- おほ
- てへへ、ぐらいのですよね。
あれはあれで、 たのしいですけど。
- おほ
- 僕はテレビで見てると、
解説実況が「どうせ」とかすぐ言うのがやっぱ好き。
深夜だから、ちょうどいいんですよね。 - 僕の私生活もいろいろあって、
ちょっと落ちてた時だったんですけど
絶望が見られて逆に良かったです。
- 田中
- 勇気もらえるよな。
やっぱり選手たちの全力の絶望を見せられたら。
自分はまだまだやなって思う。
- おほ
- けっこう日本の今後も注目していいと思う。
絶望に関しては。
- 田中
- こども達も「将来なりたいもんない」とか言うてるからな。
- おほ
- もう有望ですよ。「男子絶望」注目すべきですね。
(つづきます)
2024-10-10-THU
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この対談の様子は
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