パリオリンピック開催中の、ある夏の日。
芸人で漫画家の田中光さんと話していたら、
「もし『隣の宇宙』でもパリオリンピックが行われていたら?」
というマルチバースすぎる話題になりました。
これが、架空のスポーツが出るわ出るわで
とてもおもしろかったんです。

せっかくなので、この勢いで
「隣の宇宙で行われていたパリオリンピック」を
対談形式で振り返ってみることにしました!
メンバーは田中さんと、
同じく芸人で漫画家のおほしんたろうさんです。
おふたりとも自然に、
この「パリ大会」を見てきた人としてお話されていますよ。
描き下ろしのイラストにもご注目ください!

こちらの宇宙ではすっかりオリンピックの時期は
過ぎてしまいましたが、
「隣の宇宙では時期がちょっとズレてるのかな?」
と設定にのっかって、
おたのしみいただけますとありがたいです!

>おほしんたろうさんのプロフィール

おほしんたろう

お笑い芸人、漫画家、イラストレーター。ワタナベエンターテインメント所属。主な書籍に『学校と先生』(ナナロク社)、『おほまんが』『おほまんが しお味』(KADOKAWA)がある。

>田中光さんのプロフィール

田中光(たなかひかる)

お笑い芸人・ギャグ漫画家・絵本作家。京都府出身。グレープカンパニー所属。
漫画家としての代表作に『サラリーマン山崎シゲル』
(小学館)、絵本に『ぱんつさん』(第25回日本絵本賞)、
『ねこいる!』(MOE絵本屋さん大賞第5位)『すしん』(リブロ絵本大賞・大賞/以上ポプラ社)、『おばけのかわをむいたら』(文響社)など。

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第5回 アハハハハ400m(花畑・浅瀬)

田中
「絶望」と全く真逆の競技、あったやん。
あれなんで並べてやんねんって思ったぐらい真逆の。
おほ
「アハハハハ」ね。
あれは僕、浅瀬のほう見たんですけど。
田中
俺はお花畑走る、陸上のほう。
男女ペアで400メートルやったかな。

おほ
400が一番きついですよね。
田中
せやねん。
50mとかやったら、「アハハハハ」ってやれるけど
やっぱり400って、一番呼吸もしんどいから。
後半のアハハハハがきつい。
長距離になると、 ランナーズハイになった
「アハハハハ」になると思うねんけど。
おほ
アハハハの400mでメダル取るような人たちの、
ラスト100mでのあの笑顔って、
やっぱたどり着けないですよね。
辛さを乗り越えての神々しさ。
田中
すごいよね。
でもゴールした瞬間、「ぷい」ってしてた。
仲は悪いんやね。
競技として完璧にやってるけど、
ほんまは仲悪いんやっていう。
おほ
肩に手をかけようとしたのを
パンって振り払ってましたもんね。
そこは切り替えるんだっていう。
田中
やってたな。
「絶望」の方もいけるんちゃうんってくらい、へこむよな。
おほ
浅瀬のほうも、良かったんですけど。
ドイツの選手だったかな?
水をパシャパシャしてるときに
相手の目に指が入っちゃったんで。
一気に、もうお互い冷めちゃって。

田中
そうなっちゃうと、誰でも持ち直すのは難しいやん。
「ごめんごめん」って謝ると、
「大丈夫、大丈夫」って言われるけど、
全然大丈夫じゃないっていうあの状況になっちゃうから。
おほ
優勝候補だったんで、かわいそうでしたね。
タイの選手はすごかったですね。
水しぶきが漫画みたいなキラキラマークになってた。
テクニックがすごくて、あれどうやってやってるんだろう。
光の乱反射みたいなのをすごく起こすんです。
田中
ちゃんと太陽の位置とか考えてやってたんじゃない。
計算してたんじゃないかな。
おほ
ちょっとキラキラが多すぎて、
その一瞬どこにいるのか見えなくなる。
光の塊の中から「アハハハハ」っていう声が聞こえてきて。
田中
あれは芸術点が高かったペアやったよね。

(つづきます)

2024-10-11-FRI

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    田中光さんのギャグマンガ
    『ついに解明⁉ ホヴォニッチ手稿』が連載中です!

    ホヴォニッチ手稿

    謎の植物について、短いマンガです。
    こちらもずっと虚構の世界の話をしています。
    月に1回、月末に更新中です!