神田に引っ越して早2年目、
すっかり街に馴染んだつもりだったほぼ日ですが、
新型コロナウィルスの影響で中止になっていた
このイベントにはまだ参加していませんでした。
それが「神田錦町ご縁日」、
いってみれば町内のお祭りです!
久々の開催となる今年は
会社としてきちんと参加しましょう!
そう決めたとき、目に入ってきたことばが‥‥
え? 「つなひき大会?」 ‥‥出るでしょ!
そんなわけで急遽立ち上がったこの連載は、
おもしろ半分で抜擢されたマネージャー役の
新人乗組員西村が、「つなひき部」を立ち上げ、
町内つなひき大会でドラマチックに
優勝するまでの物語である‥‥知らんけど。
つなひき大会のために社員全員で体力測定。
やろうと思えばなんだってできるものである。
そんなわけで、ほぼ日の乗組員94名が参加した
体力測定が無事に終わり、
データがでそろった。
それぞれの握力、垂直跳びの数値、
閉眼片足立ちの秒数、10秒間のステップ数‥‥。
すべてが一覧できるリストができあがった。
演出でも、つくりものでもなく、大マジである。
「町内のつなひき大会で優勝しよう!」という
のほほんとした宣言からはじまった企画だったが、
日本綱引連盟さんへの取材、
そして日本体操研究所さんとの体力測定と、
ステップを進めるごとに、
取り組みは真剣度を増していく‥‥。
で、真剣になると、どうなるかというと、
ニヤニヤしちゃうほど
おもしろくなってくるのである。
とある会議室で、
つなひき部マネジャーの西村と総務の小竹は、
各自の体力データと真剣に向き合っていた。
- 西村
- 握力は体幹の強さが反映されますから、
やっぱりいちばんの基準になりますよね。
- 小竹
- うん。あと、ステッピングカウンターの
数値が高い人はスタミナがあるんだよね。
で、垂直跳びの記録は瞬発力で‥‥。
- 西村
- 私、握力の上位の人たちに印をつけますね。
- 小竹
- じゃあ、私は垂直跳びの上位の人をチェックする。
- 西村
- おっ、○○さん、どっちもトップレベル。
- 小竹
- □□くんもいい記録だなー。
あ、体格も合わせたほうがいいんだっけ?
- 西村
- はい、日本綱引連盟の方によれば、
それぞれの身長はそろってるほうがいいそうです。
でも、それよりも大切なのは、ハート!
- 小竹
- ハートねー、精神力ねー。
でも、それは測定できないからなー。
あれ? そもそも、チームは6名だっけ?
- 西村
- 今回の大会は1チーム6名なんですけど、
男女混合で、女性は2人で男性1人と数えるんです。
つまり、最大女性12人でも参加できます。
- 小竹
- でも、やっぱり、男女半々くらいがいいかなあ。
会社の男女比もあんまり偏ってないし。
- 西村
- じゃあ、男性4人、女性4人とか‥‥?
- 小竹
- いいと思う。
よし、じゃあ、各記録の上位の人の
リストを照らし合わせて‥‥。
- 西村
- よさそうな人に付箋を貼っていきましょう。
この人と、この人と‥‥。
- 小竹
- あと、この人。これで‥‥いい?
- 西村
- 体幹‥‥瞬発力‥‥スタミナ‥‥よさそう。
- 小竹
- ハートの強さも、みんなありそうだよ。
- 西村
- わあ、いいんじゃないでしょうか!
じゃあ、この人たちに、招待状を出してみます!
- 小竹
- しょ、招待状?
- 西村
- はい、大会に招集するといえば、招待状ですよ!
なにも知らない人にスッと渡すんですよ!
- 小竹
- そ、そうなの‥‥?
なんか、すごくたのしそうだから、任せるよ。
- 西村
- ハイ、任せてください!
「あつこさん!」
「ん? はい、なんでしょう?」
「今日は、あつこさんにお渡ししたいものがあります。」
「渡したいもの?
なんだ、なんだ‥‥?」
「‥‥あの、つなひき部で、
一緒に優勝しませんか!」
「あーーー、はいはい、つなひき(笑)!
じつは体力測定の結果、自信あったんですよ。
選抜メンバー入りはあると思ってました。
じゃあ‥‥がんばります!」
「ありがとうございます!」
「あっ、石澤さん、
いま、ちょっとよろしいですか?」
「えっ、いいけど、なんか大事な話?」
「はい、大事な話です。これを‥‥」
「あーーー、つなひき部!
そういうことか、うれしいです。
コンテンツも読んでますよ」
「いかがでしょう?」
「もちろん、がんばります!」
「ひなさん、もえちゃん、
ぜひ、これを受け取ってください!」
「え? なになになに? 封筒?」
「私たち2人に? え? 開けるの?」
「‥‥あっ!」
「つなひきだーーー!」
「たぶん来るだろうなって、予感はしてました。
やりますよ! がんばります!」
「わーー、まさかのつなひき部!
お祭りは大好きなので、
ぜひ参加したいです!」
「粕谷さーーん」
「はい、なんでしょう」
「こないだの体力測定、
粕谷さんは握力でトップでした!」
「あ、そうなんですか!
ん? と‥‥いうことは?」
「ぜひ、つなひき部に入ってください!」
「ほんとですか! たのしみです!
やるからには優勝しましょう!」
「‥‥お仕事中、失礼します」
「はーい、大丈夫ですよー」
「山下さん」
「はい」
「これ、読んでください」
「ん? これは‥‥恋文じゃないね?」
「恋文じゃありません」
「果たし状‥‥?」
「果たし状でもありません。招待状です!」
「招待状‥‥? ええと、なになに、
『あなたは、我がつなひき部に
欠かせない存在であることが判明しました』
わっ! ほんと? うそ!
ぼくの体力で大丈夫なんですか!?」
「山下さんのステッピングカウンターは、
同年齢の平均値をかなり上回ってました」
「えっ、そうなの? でも握力とかなかったよ?」
「いえ、大丈夫です。なんとかなります。
あと、つなひきって、
ハートがすごく大切なんです!
だから、山下さんにはぜひ、
チームの気持ちをひとつにする、
ムードメーカーになってほしいんです!」
「なるほど、そういうことであれば、
ぜひ、やらせてください!」
「よろしくお願いします!
そんなわけで、ここに、
ほぼ日つなひき部のメンバーが正式に決定した。
ちなみに、ほかにもご招待した方はいたのだが、
仕事の予定だったりとか、
練習時間が捻出できなかったりとかで、
やむをえずお断り、ということもあった。
そのあたり、ほぼ日は、
各自の意思を尊重するのである。
‥‥というわけで、
ほぼ日つなひき部のメンバー、
男性4名、女性4名が決定!
さっそくみんなで集まり、
大会への決意を新たにした。
そして、チーム名があったほうが
いいんじゃないかということで、正式な名前を決定!
メンバーのひとり、ひなが提案してくれた
「ほぼ日ヒッパレーズ」である。
年長の山下が「ひっぱれー♪ ひっぱれー♪」と
昭和の歌をうたいだしたのは言うまでもない。
そんなわけで、英語表記は
「HOBONICHI HIT PARADES」に決定した。
そんなふうにチーム名が決まったりすると、
なんだか気持ちも盛り上がってくるものである。
つなひき部マネージャー、西村が言う。
「みなさん、優勝しましょう!」
「おーーーー!」
(次回、いよいよ練習編スタート!)
2022-09-17-SAT