こんにちは。
ほぼ日つなひき部のマネージャー松本です。
前回のレポートでは、
ほぼ日つなひき部が現在抱えている
ふたつの課題をご説明いたしました。
ねんのため、おさらいしておきましょう。
3連覇をめざすほぼ日つなひき部、
以下のふたつがちょっと心配なのです。
・新メンバーを募集しなければいけない。
・ほかのチームに自分たちの技術を
すべて教えてしまったため、さらなる成長が必要。
これはなかなかたいへんです。心配です。
どうすればいいんでしょう。
しかし、今回のレポートでは、
このふたつの心配事が解決されます。
結論から言ってしまいます、もう大丈夫です。
いまはどんな感じかというと、こんな感じです。
大丈夫そうですねー、私。
さあ、どうして私がよろこんでいるのか、
ふたつの課題はどのように解決されたのか、
順を追ってご説明いたします。
まず、私たちは、
つなひき部の新メンバーを募集することにしました。
旧ヒッパレーズから、
何人のメンバーがいなくなったのか。
ここで、新情報も含めてまとめておきましょう。
まず、前回もお伝えしたように、
キャプテンの山下さんが今回から監督になりますので、
1人すくなくなりました。
それから、ふだんは
動画の撮影や編集などをしてくださっている
粕谷さんが業務多忙につき、
今回は参加しないことになりました。
ここで、2人マイナス。
そして、女性メンバーの川合さんが
退社されてしまったので、
さらにもう1人、少なくなりました。
(粕谷さん、川合さん、
おつかれさまでした!
ありがとうございました!)
というわけで合計3人が抜けたわけですから、
新しく3人のメンバーを募集すればいい、
はず、なのですが。
ほぼ日ヒッパレーズの新監督、山下さんが、
こんなことを言い出したのです。
「‥‥じつは、秘策があるんだ」
秘策‥‥!? なんでしょうか、それは。
「新生ヒッパレーズでは人数を増やしたい!」
に、人数を増やす! どういうことでしょう。
驚いている私に、山下新監督は語りました。
「ぼくらがこの2年で学んだつなひきの基本。
まず、つなひきは腕力より姿勢が大事。
そしてチーム全体の、足の裏と地面の摩擦が
大きければ大きいほど有利。
すなわち、腕力は強くなくても
正しい姿勢をマスターした人たちが、
地面といっぱい摩擦を起こせると強い」
はい、そのとおりです。
とくに腕力にも筋力にも秀でていないヒッパレーズが、
2連覇できたのは、メンバー全員で、
地道に正しい姿勢を練習して、
全員の足でどのチームよりもふんばってきたからです。
「ということは、
地面との摩擦を大きくすれば、
もっともっとふんばって、
もっともっと強く引っ張れる。
地面との摩擦を大きくするには、
どうしたらいいと思う?」
‥‥あっ、人数を増やして、
ふんばる足の数を増やす!
そういうことかぁ。
「そのとおり!
そこで利用するのが、
つなひき大会の公式ルール、
『女性は2人で1人とカウントされる』だよ」
あーっ、なるほど!
ご説明いたします。
ヒッパレーズが参加する、
神田錦町ご縁日のつなひき大会の規定では、
ひとチームの人数は6人までです。
ですが、
女性は2人で1人とカウントされるので、
最大12人が参加することができるんです。
つまり最小の人数でいうと、「男性6人」のチーム。
最大の人数でいうと、「女性12人」のチーム。
ちなみに、初代ヒッパレーズは、
「男性4人+女性4人」の8人編成でした。
山下監督は語ります。
「今回、男性陣は、
ぼくと粕谷さんの2人が抜ける。
このマイナスを、むしろプラスに考える」
山下監督はにやりと笑い、
メガネをクイっと押し上げます。
頭脳キャラだ!
「男性2人、女性1人の
3人を募集するのではなく、
男性は募集せず、
女性5人を新メンバーにする!」
がーーーん、これは、まさに秘策!
あっ、秘策なのに、こんなところで、
いち早く発表しちゃっていいのでしょうか。
ほかの出場チームの方も
おそらくこれを読むと考えると、
書かないほうがいい気がしてきました。
でも、もう、書いちゃったからいいか!
秘策大公開だ!
ちなみに、メンバー全員を女性にしない理由、
石澤さんと千野くんという2人の男性を残す理由を、
山下監督はこう語りました。
「やっぱり大会経験者もしっかり残したい。
それと、ポジションの問題です。
まず、先頭の石澤さんは、顔が怖い」
‥‥そ、そんなことないです。
「顔に迫力がある」
‥‥はい、迫力は‥‥あります。
「先頭は相手チームと向き合うポジション。
あそこは女性じゃなく石澤さんにいてもらって、
相手チームに圧をかけてもらう」
な、なるほど、圧を。
「そして一番うしろの『アンカー』と
呼ばれるポジションの千野くんも残ってもらう。
アンカーは唯一、姿勢だけじゃなくて、
力も必要になるポジションだから、
彼がいてもらったほうがやっぱり安心」
たしかに。
つまり、いままでの男性ふたりに、
先頭と最後を努めてもらって、
真ん中に、新旧の女性メンバーがはさまれるかたち。
図にすると、こういうことですね。
新生ヒッパレーズは、
「男性2人+女性8人」!
つまり、女性があと5人必要!
そうと決まれば、新メンバー探しです。
それはマネージャーとしての本業ともいえます。
といいつつ、1人目は、すでに決まっているのです。
じつは前回のつなひき大会のとき、
ヒッパレーズのリザーブメンバーとして
当日のサポートや裏方仕事を
がんばってくださった、棚橋さんです。
棚橋さんは、みんなから
「みりちゃん」と呼ばれることもあります。
「棚橋(みり)です。
「去年はベンチメンバーでしたが、
今年は本番にも出られるということで、
チームの力になれるよう、がんばります!」」
どうぞよろしくお願いします!
というわけで、5人のうち1人が決定。
募集する新メンバーは、あと4人。
まずは、社内にアナウンスしましょう。
私は、社内のLINEグループで
「新入部員募集」のお知らせをしました。
すると、すぐに手を挙げてくださった人が
なんと、2人も! うれしい! ジャンプしそうです!!
ご紹介します。
鹿子島(かごしま)さんと、戈(か)さんです。
ふたりとも、昨年の大会以後に入社した、
つなひきルーキーです。
つまり、大会のことをよく知らないのに、
「なんだかしらないけどたのしそう!」と
手を挙げてくださったわけで、
やる気十分で前向きでポジティブで、
超たのもしいです。
2人の詳しい紹介は次回に譲るとして、
あっ、なんということでしょう、これで3人です。
5人のうち3人があっさり見つかってしまいました。
ということは残り2人!
このぶんなら、すぐに集まりそう?
と・こ・ろ・が。
しばらく待ってみたものの、
入部希望者はなかなか現れない。
なるほど、待ってるだけではだめだな、
ということで、もう一歩踏み込んで、
積極的に募集をしてみました。
部員募集といえば、ポスターです。
「来たれ!」という情熱を込めて、
社内のあちこちにポスターを貼ってみました。
ポスターの評判は、かなりよかったです。
「今年もやるんだねー」「大会、たのしみ!」
なんて言ってもらえました。
けれども、入部希望者は現れません。
全乗組員が集まるミーティングで
メンバー全員がスピーチして
入部を呼びかけてみました。
ウケました。大きな拍手をもらいました。
「がんばれ」と激励してもらえました。
うれしかったです。
けれども、入部希望者は現れません。
‥‥あれ? そうなの?
まあ、でも、冷静になったら、
メンバーが集まらないのも、
当たり前といえば、当たり前なんですよね。
だって、いくら本気と言っても
「つなひき」ですから。
会社員には、ふだんの仕事がありますもんね。
ヒッパレーズを応援してくれる乗組員はたくさんいます。
大会当日、応援に来てくれる人もたくさんいるでしょう。
しかし、当日応援するのと、
ヒッパレーズのメンバーとして大会に出場するのでは、
関わり方の種類や重さがかなり違います。
ヒッパレーズのメンバーは、
その日1日だけがんばればいいわけではありません。
定期的に行う予定の練習にきちんと出て、
わりとしっかり鍛錬しなければならない。
たしかに躊躇しちゃいますよね。
そりゃ、まあ、そうだよなあ‥‥。
私が軽く途方に暮れていると、
見かねてアドバイスをくれた人がいました。
人事担当の趙さんです。
「もう、立候補を待たず、ぜひこの人に!
という人をスカウトしたらいいんじゃないかな?」
わ‥‥‥‥わぁ‥‥‥‥!
その手があったか!!!
しかも、趙さんは人事担当者。
全乗組員のプロフィールに詳しいのです。
趙さんは、私にこっそり耳打ちしました。
「商品事業部の志田さんは
剣道の全日本大会で優勝経験がある。
受付チームの木村さんは元空手部。」
えーーっ!
なになになに、なんですか、
そうだったんですか!?
剣道全国大会経験者に、空手経験者!?
それはめちゃくちゃ戦力になりそう。
剣道と空手とつなひきに
どれくらい共通点があるかはわかりませんが、
たぶん、強力なメンバーになる。
このふたりを、のがしたくない!
私は考えました。
志田さんも木村さんも、
これまでの募集で手を挙げているわけではない。
ふつうに誘ったら、
「応援に行くからがんばってね!」と
明るく断られる可能性も大いにある。
ふたりを確実に引き込むためには、
どうしたらいいのか?
そんなこと、できるのだろうか?
つなひきに興味をもってもらいたい。
つなひきに引き込みたい。
のめり込んでもらうには、どうしたら?
そもそも、私は、どうしてこんなに熱心に
つなひきにのめり込んでいるのだろう?
つなひきが‥‥好き?
そのとき、私は思い出しました。
乗組員が集まったミーティングで、
ヒッパレーズのメンバーがスピーチしたとき、
初代からのメンバー、ひなさんが言ったこと。
自他ともに認めるクールでアンニュイなひなさんは、
マイクを握ると、すごく真剣に、こう言いました。
「私はご存じのとおり、気だるい感じで、
あまりテンションが上がることがないんですけど、
1年のなかで、2週間元気なのが、
つなひき大会の前の1週間と、試合の後の1週間。
その時はもう勝つぞ、勝つぞ、勝つぞ、みたいに、
よろこんで飛び跳ねてまわるんですよ、この私が。
つなひきは、そのくらい感情を出せる場所。
年齢も性別も違う人と、
本当にうれしさで抱き合いたくなる感情は
なかなか得られないものです。」
それは、紛れもなく、
つなひきを心からたのしんでいる人の発言でした。
そして、当然ながら私自身も
つなひきラバーです。
そう。つなひきには、たしかに
「人を夢中にさせるたのしさ」がある。
一度、それを体験してもらえば、
きっと部員になってくれるはず。
つなを持って、体験してもらいさえすれば‥‥。
つまり、私が打つべき、次の一手は‥‥。
つなひき体験会だ。
つなひきのたのしさを体験してもらうには、
つなひき体験会を開けばいいんだ!!
私は、新生ヒッパレーズの練習も兼ねて、
「つなひき体験会」をセッティングし、
志田さんと木村さんを招待しました。
「ちょっとつなをひいてみませんか?」と。
あえて気軽に誘っている風を装いましたが、
私にとっては一世一代の勝負でした。
元剣道日本一の志田さんと、
元空手部の木村さんは、
つなをひいて、なにを感じてくれるだろう‥‥。
そのようすが、こちらです。
ご覧ください、ふたりのこのフォーム。
私程度のつなひきファンでもわかるくらい、
めちゃめちゃきれいなんですよ。
さすが元運動部だけあって、
短時間でほぼ完璧に
「つなひきの姿勢」をマスターしたのです。
志田さんと木村さんが加わった、
新生ヒッパレーズが勝つ未来が見えてきました。
「このふたりに入ってほしい!」と、
私はこころから思いました。
が、プレッシャーをかけすぎてはいけない‥‥。
「入部するかどうかは、
ゆっくり考えていただいて大丈夫です」
練習後のおしゃべりのなかで、
私はマネージャーとして、ふたりにそう言いました。
落ち着いたふうをよそおってはいましたが、
内心では「のがしたくないっ!」と叫んでました。
するとふたりは、
はーい、考えてみますね、と明るく言って、
練習場を出ていきました。
遠ざかるその背中に、
入ってくれますように、と祈っていると‥‥。
ふたりが戻ってきました。
なにか忘れ物でもしたかのように。
どうしたんですか。
ふたりは言いました。
「私たち、つなひき部に入ることにしました!」
やったーーーーーー!!!
うれしーーーーーー!!!!
うれしすぎ!!!!
ありがとうございます!!!!!
‥‥というのが、冒頭の写真だったのです。
ずいぶん、長いレポートになって、すみません!
つなを握ったふたりは、
やはり「つなひき」のたのしさを感じ取り、
帰り道ですぐに答えを出してくれたのです。
やった! ありがとうございます!
つまり、新生ヒッパレーズ、ここに誕生!
メンバーもそろって、
次回から本格的に練習開始です!
(いい波に乗って、次回へ続きます!)
2024-09-06-FRI