どっちやねん、と、
つっこむ気持ちは本人もいっしょです。
ねぇ、いったいボクはどっちなんですか。
ボクの名前はトゲナシトゲトゲ。
「トゲナシ」と断言する一方で、
落としどころは「トゲトゲ」。
つっこみどころ満載とは、このことです。
キレイな薔薇にはトゲがあるといいますが、
ボクの名前にはみっつも「トゲ」があります。
ボクの名前はトゲナシトゲトゲ。
トゲがあるのやら、ないのやら。
字面、おかしや、トゲナシトゲトゲ。
早口言葉か、トゲナシトゲトゲ。
「赤トゲナシトゲトゲ、
　青トゲナシトゲトゲ、
　黄トゲナシトゲトゲ」
「トゲナシトゲトゲ
　トゲトゲ、みトゲトゲ、
　あわせてトゲトゲ、むトゲトゲ」
「坊主が屏風に上手に
　トゲナシトゲトゲの絵を描いた」
「トゲナシトゲトゲガス爆発！」
自分の名前でふざけるのも飽きてきましたので、
いちおう、解説しておきましょう。
もともとはトゲハムシという虫がおりまして、
トゲハムシは、トゲハムシというだけあって、
見事なトゲがあるそうです。
で、トゲハムシの中に、どういうわけか、
トゲのない種類の虫もいる、と。
それがボク、トゲナシトゲトゲ。
トゲナシトゲハムシとも言うらしいですが、
つっこまれがちなのは、やはりトゲナシトゲトゲ。
もしもボクが転校生だったら、
黒板に先生が「トゲナシトゲトゲ」と書いた途端、
クラス中が大爆笑だと思います。
あと、名札に名前が書ききれるかどうか‥‥。
それはさておき、けっきょくのところ、
トゲはあるの？　ないの？
ハイ、みなさん、いい機会ですから、
覚えて帰ってください。
トゲナシトゲトゲには、トゲは、ございません！
ボクの名前はトゲナシトゲトゲ。
子どもの名前もトゲナシトゲトゲ。
先祖代々、トゲナシトゲトゲ。
いったいぜんたいどっちやねん、と、
つっこむ気持ちは本人もいっしょです。

（つぎなる嘆きへつづく）