ほぼ日の新人デザイナー６人が、ハラマキのデザインに挑みます。

ヤン

まずは、これから。
わたしはお花が好きなので、
花と模様を組み合わせて
グラデーションをつけたデザインです。

糸井

花瓶にお花が。

ヤン

そして次は‥‥

糸井

お、どんどんいきますね（笑）。

ヤン

はい（笑）。
次は、ちょっとおもしろい感じの
ハラマキをつくってみたいなと思って。
木のキャラクターが
踊り出すイメージで描きました。

糸井

イラストレーションは自分なんですね？

ヤン

はい、自分で描きました。

続いてこれは、
キャンドルのデザインです。
色違いで２個つくりました。

糸井

ヤンさんは、ろうそくが好きなの？　

ヤン

はい。
キャンドルが好きなので、
いろいろな形のキャンドルを
テキスタイルで表現しました。

糸井

うん。好きさが出てますよね。

ヤン

これは、「ミュージアム」です。
海外旅行に行ったときに見た
美術館の雰囲気がおもしろいなと思って
デザインにしました。

糸井

あ、美術館だ。

ヤン

はい。
次は、織物風のデザインです。
パターンがおもしろいなと思って。

糸井

うんうん。

ヤン

これは、「2023年」がテーマです。
今年はうさぎ年なので、
うさぎを真ん中に置きました。

糸井

うさぎは、2023年のスターですね。

ヤン

はい。

──

この、となりにあるのは、
さっきのと同じデザインですか？　

ヤン

あ、これは裏面がちょっと違うんです。
お花の花びらや茎の部分を分解して、
デザインにしています。

糸井

へえ～、分解したんだ。
おもしろいねー。

ヤン

こちらも、さっきのキャンドルと
同じシリーズなのですが、
暗いところを灯しているバージョンです。

糸井

キャンドルはね、だいたい夜使いますから。

ヤン

そしてこれは、スズランのデザインです。
お花の中でもとくに
スズランが好きなので。

ヤン

これは、花火がテーマです。
花火の形をテキスタイルで表現しました。

糸井

ほんとにどんどんいきますね（笑）。

ヤン

すみません、種類が多いので。

糸井

いいですよ、どんどん見せてください。

ヤン

はい。
ではこちら、「長い動物」シリーズです。
ハラマキの前後を
いっぱいにつかって描きました。

糸井

昔のハラマキのデザインに、
長い犬のイラストがあったよね。

──

ありました。
「長い犬」という名前のハラマキです。
たしかほんとうに最初の
ほぼ日ハラマキの
デザインのひとつだったと思います。
もう、20年くらい前でしょうか。

糸井

うん。それを思い出しました。

ヤン

続きましてこちらは、
「アダムとエヴァ」をテーマに、
コラージュのようなデザインにしました。

糸井

真ん中にりんごね。

ヤン

はい、りんごです。

こちらは、「最後の晩餐」です。

ヤン

「最後」という意味をそのままとって、
人間ではなく幽霊の晩餐にしました。

糸井

ああ、最後だからね。

ヤンさんのデザインがまだあるんだ。
まあ、みんな、つくりにつくったね（笑）。

ヤン

続けてご説明します（笑）。
パンのデザインと‥‥

ヤン

冬の森をテーマにしたデザインです。

ヤン

「冬の森」は、雪をちょっと
テキスタイルっぽく制作しました。

糸井

うん。

ヤン

そしてこちらは、
「12:00の海」と「石の断面」です。

ヤン

最後に、断面から発想して、
ケーキの断面のデザインもつくりました。

ヤン

これで、ぜんぶです。

（一同拍手）

糸井

自然物が多いんだね。

ヤン

はい。

糸井

自分の目で見た形で表現しているから、
どれもきっと同じように
気にいるんでしょうね。
いちばん、自分で好きなのはどれ？　

ヤン

そうですね‥‥
いちばん好きなのは、
「ミュージアム」です。

糸井

はぁ～、美術館のやつ。
奥行きが二重になってますよね。
なんていうか、
形についていつも見ている人の
イラストレーションというよりは、
目玉がとらえた感じ。

ヤン

ああー、はい。

糸井

とはいえ、「長い動物」と
「最後の晩餐」なんかは、
イラストレーターとしての感覚もあるなぁ
っていうのがぼくの感想です。
ヤンさんのメンターはだれなの？　

岡村

あ、ぼくです。
ぼくと星野さんです。

星野

ヤンさんと私たちは手帳チームなんです。

糸井

そうか、なるほど、
だからあなたたちふたりなんだ。

──

おふたりで見ていたということで、
どのようなアドバイスをされましたか？　

岡村

画作りはもともと上手だったので、
細かい部分のアドバイスとかですね。
あとは、アイデアに詰まっているときは、
「こういうのがあるよ」
みたいなことをぼくは言いました。

星野

ヤンさんは
「集中してとことんやりたい」
という感じで、
デザインの数がどんどん増えていったんです。
しかも作品のテイストはバラバラで。
「アダムとエヴァ」なんかは、
その最たるものだと思います。

糸井

そうですね。

星野

なので、
「こういうふうにしたら」とか
あんまり言わなくても
自分で作っていくだろうな
と思いながら見守っていました。

糸井

うん。

星野

作品が次から次へと増えていくのが
おもしろくて、クオリティも高くて、
すごく湧き出てくる人なんだなと‥‥。
自分の仕事のやり方を反省しました。

糸井

どうしよう、
先輩が反省しちゃった（笑）。

星野

（笑）あと、ヤンさんのデザインは
どれも清潔感があって、
なんだかいい匂いがしそうで、
いいなと思います。

糸井

いい匂いか、そうね。

──

メンターのおふたりは、
どのデザインが好きですか？　

岡村

ぼくは「ミュージアム」ですね。
作品のバックストーリーを感じられて
いいなと思いました。

星野

わたしは「キャンドル」です。
こんな形がとれるんだ！って、
びっくりしました。
きれいなデザインだと思います。

糸井

デザインの幅は広いですけど、
「同じ人がつくった」と言われれば、
そういうふうにも思えます。
‥‥ただねぇ、この一派、
「長い動物シリーズ」だけは、
あきらかにジャンルがひとつ違う。
同じ人とは思えない（笑）。

星野

それを見たあとに
「ミュージアム」を見ると、
ぜんぜん違うんです（笑）。

糸井

劇場好きだよ、ヤンさんは。
舞台とか劇場とか、きっと好きだよね。

ヤン

はい。

糸井

３人めの方も、おもしろかったです。

それぞれみんなね、
自分の動機にからめているから、
そりゃあ、おもしろいですよ。

──

ヤンさん、お疲れさまでした。

（一同拍手）

──

さて、糸井さん、
なんと、これでようやく半分です。

糸井

ひゃー、６人ですもんね。
あと３人。

──

たくさんあってすみませんが、
後半もよろしくお願いします。

糸井

もうね、見ますよ、ぼくは。
どんどん見るので、どうぞ進めてください。