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2011/08/23 17:23

あれは‥‥!

あ、あそこに
おられますのは。
ほぼ日刊イトイ新聞のドラマ女王、
です。
あの、偏差値90を叩き出したという噂の!

「いやいや、日本史とかで
 マニアックな問題にも答えられたので
 90が出たんですよ」

偏差値90を出す前は
30だったという噂の。

「それは、ほんとうです」

2011/08/23 17:28

松本先生、力説します

では、さっそくおたよりから。

ーーーーー
私は高校2年生で来年大学受験です。
勉強の効率が悪く、長時間勉強して
「勉強したつもり」になって満足してしまい、
結局何も身についていないことが多いです。
特に世界史や英単語が
「覚えたつもり」になってしまいます。
どうしたら効率のいい勉強ができますか?
ーーーーーー

松本先生
「長くなって、いいですか」

はい。お願いします。

松本先生
「私は私大受験だったのですが、
 受験は残念ながら
 ほんとうの頭の良さ、思考力を
 はかるものではないんですよ。

 逆に言えば、
 思考力や頭のよさは
 はかられないんだ!!
 ということです。
 これならいける!
 そう気づいたのは高3の3月。
 それが突破口でした」

2011/08/23 17:35

イチロー事件

松本先生
「あれは、高3の終わり。
 親には大学に行かなくてもいいよ、
 と言われていました。
 “んもぅ、親だったら
 無理やりでも行かせといてよ、と、
 後で言わないと約束するなら
 行かなくていい”
 と言われていたんです。

 私はよく考えず、予備校にも行こうとせず
 プロ野球のオープン戦を
 寝転がって見ていました。
 忘れもしない、イチロー選手が
 1軍に行くときの春です。

 そのとき、テレビを見ながら
 何の気なしに“いいなー、イチロー”と
 言ったんですよ。

 そばにいた母親が、
 洗濯物を干しにいく途中に
 こう言いました。
 
 “あのね、そういうので生きて行けるのは
 イチローとか谷川俊太郎先生だけだよ。
 あんたが谷川俊太郎さんだったら
 九九は覚えなくていいよ。
 あんたは野球もできない、詩も書けない。
 凡人は勉強でもしてれば”

 そのことはとてもよく覚えています。
 あ、そっかー、と思いました」

2011/08/23 17:39

どうやっても忘れない

松本先生
「長くなってすみませんね。
 このメールの方のいうとおり、
 受験は覚えることが最も大切、
 丸暗記です。
 『つもり』になってしまう
 ということですが、
 つもりが、いちばんいけないことです。

 暗記は、
 見て1回、そらで1回、
 さらにそらでもう1回、
 次の問題に進んで、
 さらに戻ってもう1回。
 戻りまくりですよ。
 効率は悪いです、受験なんていうものは。

 声に出す、書いて覚える、
 書きながら声に出す。全部やります。
 
 つもりは、ダメ。
 スタイル禁止。
 “どうやっても忘れないな”
 というところまで覚えます。

 参考書の浮気もいけません。
 参考書の、書いてある場所まで
 覚えるくらいに覚え込みます。
 気持ち悪いくらい反復してください。

 なぜって、当日、
 鼻血出たりしますからね。
 熱が出たりしますから。
 それでもゆるがないくらい、
 覚えておくんです!
 
 だ・か・ら!!
 つもりは絶対ダメ!!」

わかりましたーーーっっ!

2011/08/23 17:53

勉強さえすれば、いいんだよ。

次のおたよりにまいります。

ーーーーーー
中3息子のことで悩んでいます。

ラクをしよう、ラクをしようと
常に考えているタイプです。
宿題も、テスト前の勉強も
テキトー。
先生に叱られようが
友達に笑われようが
気にならないようです。

高校受験も、模試で出た
偏差値で入れそうなところでいいや
などとぬかす。

もっと欲を持たせるには、
どうしたらいいでしょう。
ーーーーーーー

松本先生
「こんなのまるで、
 高3までの私です。
 まず、前提を言いますと、
 受験という形でなくても
 人はどこかで勉強します。
 ほんとに必要なとき、やるから
 大丈夫です、と私は思います。

 だから、宿題なんて
 手伝ってあげてもいいと思います。

 私はですね、
 小学校1年生でまず席につかず、
 高学年になれば
 机の上に正座していました。
 みんなを見下ろす、眺めのいい席でした。
 勉強はしなかったし
 家で机にも向かいませんでした。

 でもね、
 勉強さえすれば、いいんだよ。

 頭の善し悪しではなく、
 丸暗記が勝つようになってるんですから。
 頭がよくなくても大学には行けるんです。
 
 だから、勉強しましたもん、私。
 ほかにできることがあったら
 いいんだけど、
 野球もできなかったし
 詩も書けなかったから
 勉強しかありませんでした。

 私にはガリ勉のおねえちゃんがいて、
 そのおねえちゃんのノートを見て
 主に勉強しました。
 マニアックなところまでまる覚えしました。
 
 ご相談のメールに
 “もっと欲を持たせるには”
 とありますが、
 それについてはひとつ経験があります。

 私は偏差値が30だったんですが
 その次に受けた全国模試で
 いきなり2位になったんですよ。
 “あっ”と思いました。
 そうしたら、そこから
 降りられなくなるんです。
 維持したくなります。
 
 ですから、何でもいい。
 家庭科でも、保健でもいいです。
 1回でも何かの科目で
 1番を取ってみてください。

 そこから降りたくなくて、
 もっとがんばります!」
 

2011/08/23 18:11

ありがとう、松本先生。

つねづね
すごい方だと思っていましたが
(2年ほど前、谷川俊太郎先生と
 トランプの神経衰弱をして
 快勝されたときに
 とても喜んでおられたことを
 思い出しました)
ほんとうに偉大です。

最後に、こうおっしゃいました。

「ま、これまで私が
 語ったことですら丸暗記です。
 松田道雄先生の本の、うけうりです」

え‥‥‥‥?

「小児科医の先生の
 すばらしい本なのですが、
 私はバカを励ます本として
 勝手に読み取ってしまいました。

 学校の勉強に
 頭のいい悪いは関係ない、
 バカでも上位に行けるんだ、という
 根拠のない自信を
 先生にいただいたのです。

 いま、ほんとうの思考力を図るための
 受験問題に変えている
 学校が増えてきていると思います。
 とくに国立大学は
 そうなっていると思います。
 それはいい傾向だと思います。
 でも、そうじゃない場合は、
 みなさん。

 できないと思ってても、できます!
 英語なんて覚えにくくて当然です。
 英語人じゃないんだから。
 同じ事を何度も何度もやると
 記憶は定着します!」

えいえいおーっ!

やればできるの偉大な先生、
松本先生、ありがとうございました。
2011-08-23-TUE