キギの渡邉良重さんとつくるブランド
CACUMAから、おしゃれでここちのよい
掛けふとんカバーと枕カバーが出ます。

製造してくださったのは、
おふとんといえばの、東京西川さん。

聞けば、会社のなかに
日本睡眠科学研究所なるものがあって、
睡眠の研究に取り組んでいるのだとか。

‥‥それは、おもしろそう。

というわけで、CACUMAをきっかけに、
なかよくなれたので、
おふとんの会社が考える「睡眠」のこと、
いろいろと、うかがってきました。

担当は「ほぼ日」奥野です。

睡眠を科学し、ふとんをつくる。

──
ふとんの西川‥‥というふうに、
おぼえている人も多いかなと思うのですが、
何でも、こちら東京西川さんには、
「日本睡眠科学研究所」なるものがあると、
おうかがいしてきました。
速水
はい、今から34年ほど前に、
当社の中の研究機関として設置されました。
──
ふとんという商品をつくっている立場から、
睡眠を科学してらっしゃる‥‥と。
速水
はい。
──
では研究の成果が、西川さんのおふとんに?
速水
そうですね、大学と共同で研究開発したり、
さまざまな実験を重ねながら、
「寝ごこちのよい敷きふとん」を追求して
開発されたのが‥‥。
──
あのカズ選手、サッカーの三浦知良選手が
使っていることでも有名な、
「デコボコの敷きふとん」ですか。

速水
はい、三浦選手がお使い下さっているのは、
「エアー」というシリーズです。
弊社では、よく眠れるどうか、つまり
「質のいい睡眠がとれるかどうか」
についての科学的なエビデンスに基づいて、
商品を開発しています。
──
その日本睡眠科学研究所、で。
ひとつ、質のいい‥‥という言葉は、
睡眠まわりで、よく聞くと思うんですけど、
具体的には、どういうことでしょう。
速水
ひとつには「眠りの深さ」がありますね。
もっとも眠りの深い段階で、
たとえば「成長ホルモン」が分泌されたり、
心身の疲労回復が促されたりすることが、
これまでの研究で、わかっておりますので。
──
睡眠時間に関しては、
いろいろな説が、あるような気がしていて。
速水
そうですね。
──
ややもすると、
それらの説に振り回されてしまうというか、
「8時間、寝れなかったら、
今日は自分、ダメかもしれない!」とか。
速水
ええ、「適切な長さ」を言うのであれば、
「7時間」がひとつの目安です。
でも、それも、
やっぱり人によって異なってまいります。
──
そうなんでしょうね。
速水
ですから、
あんまり「時間の長さ」にとらわれるより、
たとえ短時間でも、
しっかりと睡眠の質を高めていくことが、
重要になってくると思います。
──
なるほど。ちなみに、みなさんは、
それくらいは寝てらっしゃ‥‥るんですか。
速水
できるだけ、寝るようにしています(笑)。

──
こういうお仕事ですもんね。
鈴木
やっぱり、日々、睡眠に関わることを
考えたり、お話したりしていますので、
自分自身が寝ていなければ、
お客さまにも、何も言えないので‥‥。
──
たしかに、目の下にくまをつくった人に、
睡眠の質が大切です、と‥‥逆に、
寝不足の深刻さが伝わったりして(笑)。
鈴木
いえいえ(笑)。
──
では、寝るまでふくめて、お仕事ですね。
鈴木
そうなんです。
──
で、深く眠る、睡眠の質を良くするために
重要な要因のひとつが「ふとん」だと。
鈴木
とくに「敷きふとん」や「マットレス」が、
身体にあっているかどうかが、
寝心地、ひいては睡眠の質に、
非常に、関係してくると考えております。

──
身体に、あっているかどうか。
実は、西川さんの「点で支える」ふとんを
自分も使っているんですが‥‥。
鈴木
あっ、本当ですか。
──
はい。正直、気に入っていまして。
速水
ああ、ありがとうございます(笑)。
──
うちには西川さんのデコボコの敷きふとんと
そうでない敷きふとんがあり、
ぼくには、デコボコの敷きふとんのほうが、
身体にあってると思います。
寝ころぶと気持ちがいいですし、
「こっちで寝たい」と思います。

疲れも取れやすいような気がするのですが、
あれは、どういう理屈なんでしょう。
鈴木
はい、身体の「体圧分散」といいまして、
人間の身体のうち、
「腰」と「肩」とが、なかでも重いんです。
──
へえ、腰と肩ですか。
鈴木
つまり、われわれ人間の体重というのは、
横になると、
その2点に集中しがちなんですね。
──
なるほど。
鈴木
その2点だけに負担がかかってしまうと、
バランスが悪いですから、
どうしても身体が痛くなったり、
寝ている姿勢が歪んだりしてしまいます。
──
すると「睡眠の質」も、落ちてしまうと。

その点、点で支えるマットレスでは‥‥。
鈴木
はい、こちらのツールを見ていただくと
わかりやすいのですが、
わたしどもの点で支えるマットレスでは、
体重によってかかる圧力を、
こんなかたちで、
バランスよく分散させているんです。

──
おお、わかりやすい。
鈴木
もうすこし具体的な数字を言いますと、
全体重の約44パーセントが腰に、
全体重の約33パーセントが肩に、
かかってくるというデータがあります。
つまり、その2点に
全体重の約8割の圧がかかるわけです。
──
へぇー‥‥。
鈴木
この「肩」と「腰」の負担を分散するために、
どのようにしたらいいかを研究した成果、
身体を「点」で支え、
さらにひとつひとつ独立したブロックが
身体のラインを保持する
特殊立体構造のマットレスを発明したんです。
──
やはり、西川さんの発明なんですね。
鈴木
はい、そうです。

世界的に見てもめずらしいものだと思います。
17年前から、つくり続けていますね。
──
17年。えっと、西川さんができたのって‥‥。
鈴木
会社の創立は、1566年‥‥。
──
えっ、せんごひゃく‥‥って、そんな昔?
鈴木
はい。室町時代です。

(つづきます)

2018-03-19-MON

KIGIの渡邉良重さんとほぼ日がつくる、
洋服のブランド「CACUMA(カクマ)」から
寝具がリリースされます。

洋服同様、他にはないデザイン性と、
肌触りなどの使い心地を両立させた、
掛けふとんカバーと枕カバーのセットです。

通常、カバーに「地の色」をひくことは
ほとんどない
(きれいにプリントするのが難しい)
そうなのですが、
渡邉良重さんたってのご希望で、
ホワイトも含めて、
4柄すべて「地の色」が敷いてあるんです。

生地目を見せないこのプリント法は、
技術的にかなり高度らしく、
ふとんのプロフェッショナル・西川さんが
試行錯誤して実現してくださいました。

また、素材には、出雲の高品質な綿を使用。

発売は、3月23日(金)から。お楽しみに!