「菅原さんがGRを買いなさいって ずばり教えてくれたんですが、 その魅力をもうちょっと聞きたいです!」 |
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「わたしにはズーム付きの コンパクトなデジタルカメラが いいらしいです。はて?!」 |
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「きみは一眼レフだ! って言われて、 すっごく戸惑ってますー‥‥」 |
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「まぁまぁ、ゆっくり説明しますよ!」 | |
「やっぱりあたらしいカメラほしいなあ。 でも欲しいカメラ、 すっごく高いんだよなあ。 その前に壊れたテレビどうにかしないとなあ」 |
菅原さんはGRをわりと強くすすめますよね。 そのこころは? |
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顔が昔ながらのカメラっぽいでしょ、なんか。 | |
わはははは(笑)。 | |
顔っていうのは、カメラを正面から見た時の 印象ってことですね。 |
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いま、カメラっぽくないカメラが多いから。 あと、物として、触り心地もけっこういいですし。 でね、ほんとうはぼく、 デジタルカメラが好きじゃないんです。 |
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そんなこと言われても! ぼくら、デジタルカメラを さがしてるんですから。 |
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なぜかっていうとね、 液晶モニターを見て撮るでしょう? |
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うんうんうん。 | |
ファインダーはのぞかないでしょう。 | |
ファインダーってなんですか。 | |
のぞき窓みたいなところですよね。 | |
そういえば‥‥ あっ。ぼくの持ってる、 古いデジカメには、 ファインダーがない! |
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そうなんですよ。 このごろのデジタルカメラには ファインダーがないものが多いんです。 |
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でもGRにもないですよね。 | |
それがね、オプションでつけられるんです。 | |
糸井さんもそれつけてますね! | |
お勧めしました。 マストアイテムです、これ。 液晶だけで撮るのと ファインダーを覗いて撮るのとでは 違いが、すごく大きいと思う。 |
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心の問題? 写り方が違う? | |
写り方が違います。 | |
(やや、ぽかーん) 同じ機械で、同じ対象にむかって 同じようにシャッターを切って、 なぜちがうんですか??? |
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こういうことなんです。 連載の中で書いたかもしれないですけど、 写真を撮るって、 世の中をカメラという道具で 「切り取る」ことだと思っているでしょ? それ、間違いだと思うんですよ。 一番最初に、「あっ!」と 見るじゃないですか。 見たあとに、自分とその相手の間に カメラが入るだけのことなんです。 そのときに、人間って目でものを見ているんで、 体から離れた、手先の液晶画面で確認するよりも、 目のすぐそばにあるファインダーごしのほうが 「見たまま」世界が写ると思うんですよ。 |
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へえ〜! | |
やっぱり覗くっていうか、楽しいんですね。 覗き見っていうのが、 好奇心をそそる何かじゃないですか。 その、下世話な部分も含めて、 覗き見だと思うんです。僕の仕事、超覗き見。 |
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(爆笑) | |
知らなくていいようなことばっかり、 覗いているわけだから。 ほんと、そういう意味で。ちょっとこれ、 見てみて。まずきれいでしょう。 (と、ファインダーつきのGRを渡す) |
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あ、ほんとだ。 こうやって(液晶で)見るのと全然‥‥ きれい、すごいきれい! この部屋って、こんなにきれいでしたっけ?! すごいきれいー!!! |
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(横で聞いていて、思わず参加) わたし、GRを使ってるんですけど、 ファインダーは持ってないんですよ。 見せて、見せて、見せて。 ‥‥いやあ〜ん! |
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なにを悶えておるのだ。 | |
きれい!! | |
これ、今のカメラが 最大に失っちゃっていることなんです。 昔のカメラが非常にいいのは、 肉眼で見るよりも、ファインダー越しのほうが 見える世界が、きれいなんですよね。 |
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どれどれ‥‥おお! ぜんぜんちがう!! これ、写真だ! って、何言ってるんだろう。 |
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いや、その通り。 シェフはカメラ好きだからわかるかもしれないけど、 カメラって世界をきれいに見るための 道具でもあると思う。 双眼鏡ってありますよね。 今度試しにちょっと見てみてください。 裸眼で見るよりも、全然くっきり、 すっきり見えるじゃないですか。 あれは光学機器によって、 そういうふうになっているわけなんですよ。 でね、GRをつくったリコーは、 もともとコピー機の会社なのですが、 昔からすごくいいレンズをつくっています。 そのメーカーがつくったカメラであり、 ファインダーなわけです。 別売りのファインダーにもちゃんとガラスが入ってて、 光を集めるレンズと同じ構造が入っている。 これね、ファインダーだけで2万円するんだけれど、 GRを使う人は、ぜひ買ったほうがいいと思う。 フイルムカメラでいうとね、 ライカであるとか、コンタックスであるとか、 中判カメラならハッセルブラッドやローライフレックス、 ああいうものも、ファインダーがとてもきれいです。 写真を撮るという行為の中で、 そういう感覚を持ったら、 もっと楽しくなるって思うんですよ。 「ちょっときれいに見たいから覗いてみる」 っていう。で、実際、本当にきれいだろうし。 |
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大事なことのような気がしますね。 | |
もうひとつ、ファインダーがいいのは、 ファインダー越しには、じぶんの視線が、 対象まで一直線になるっていうことです。 |
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視線が。 | |
対象まで。 | |
いっちょくせん。 | |
この話、わたしにすすめてくださってる カメラについてのお話ですよね。 |
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うん。そうなんだけど、 GRにつけられるファインダーのことから ファインダー越しにものを見ることについての 話になってるんだよ。 たしかにちょっと難しいかもー。 |
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難しくないですよー(笑)。 自分が「あっ!」って思ったことって、 その思いは、自分から対象まで一直線でしょ? 写真を撮るときには、 その直線をイメージしてください。 その線を結んだところにカメラがあるのが、 一番、その印象を写しやすいことだと思うんです。 だから、ファインダー越しのほうが、いいんです。 カメラはあなたの目ですから。 同じ場所にいて同じものを見ていても、 絶対同じようには、絶対見えないですよね。 だから、撮る人によって写真って変わるんです。 似てはきますよ。でも、絶対別々ですよ。 |
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とみちゃん、わかる? | |
なんとか! | |
さらに次回につづきます。 |