#08 読者からの質問の巻 その1

講師

「たくさんのメール、
 どうもありがとうございます!
 ぼくのわかる範囲で、
 アドバイスさせていただきますね」

司会

「ほんとうにたくさんのメールが
 とどいております〜。
 ありがとうございます!」
シェフ 読んでくださっている部員のみなさんから、
写真やカメラにかんする質問をいただいています。
なかには、いずれ、
コンテンツで特集するテーマの
質問もありました。
「こどもの写真をうまく撮りたい」
というのは、その代表例でございます。
そのあたりは、弊社お父さん部である
山下永田べっかむ3西本あたりに
いずれ、集まってもらって、
作例を見ながらアドバイスをいただこうと思ってますので
きょうは、はぶきます。
菅原 はい。きょうは、さくさく答えられる質問を
どんどん答えていきましょう。
シェフ よろしくおねがいします。
では最初の質問です。
しつもん

お世話になります。
菅原さんに質問です。
主に使っているのは、昔のフィルムカメラです。
それで、ピンボケの写真や、
ぶれている写真を、よく撮ってしまいます。
というか、きちんと三脚を立てて
撮るという習慣がないので
つい、そうなってしまうようです。
でも、ぶれていても、
かえって空気感が写っているような気がする写真が
撮れている(気がする)ことがあります。
そういう写真は、駄目な写真でしょうか?
(鈴木さん)

菅原 具体的に「ダメな写真」というのはない、
とぼくは思ってるんですよ。
鈴木さんが「かえって空気感が写っている」
と思うのならば、
きっとその写真はいい写真だと思います。
シェフ でも、仕上がりがぶれていると、
がっかりしちゃいません?
菅原 いや、ぶれていようが何であろうが、
写した人が「こんな感じだったかも?」と
少しでも感じられるような写真であれば、
それでいいんですよ。
シェフ そっか、ぶれてても、
かっこいい写真ってありますもんね。
プロの人が撮った写真で、
なんていうのかな、流れるみたいなブレかた?
を、わざとしてるのって、
かっこよくないですか。
そういうの、まねしてみようかな?
菅原 いや、それはダメ!
まねなんかしたら、
ぜったいダメです!
シェフ わっ、おこられてしまいました。
菅原 「ブレてるのがかっこいいよね」
なんて思うのが、
いちばんかっこわるいですよ。
ぼくはそう思うな。
なによりもまず
「ぶれていない写真のよさ」を
ちゃんと知ったほうが、いいと思うんです。
シェフ はい、そうですね‥‥。
でも「ぶれない」写真を撮るのって、
暗い場所なんかだと、
なかなか難しいですよね。
だから菅原さんは連載で
三脚を使ってみることを
すすめている
んですね。
菅原 そうです。ですから鈴木さんも、
たまに、でいいですから、三脚を立てて、
しっかりとぶれない写真を撮ってみると、
じぶんの感じた印象を
そのまま写すことができる面白さを
わかってもらえるんじゃないかな。
それをわかったうえで、
「ぶれちゃったけど、印象が写っている写真」を
いい写真だと思っていただけたらと。
シェフ はい。では次の質問にまいりましょう。
これは「ピンボケ」に関係する質問です。
しつもん

自分では「まあまあ」と思った写真でも、
少し写真がわかっている人に見せると
「これ、どこにも焦点があっていない」
といわれることがあります。
あるものをとりたい場合、
そのものだけをとりたい人と、
その光景を含めてとりたい人と、
これは状況によりあるとおもうのですが、
その光景含めてとるばあいどうしても
「どこに焦点をあわせたの?」になりがちです。
どうしたらいいのでしょうか?
ご教授いただけると幸いです。
(Luneさん)

菅原 もしかしたら、Luneさんは、
撮る時に、急ぎすぎてしまっているのかも
しれないですね。
シェフ 撮る時に急ぐ?
菅原 ええ。まずは焦らずに、
最初に、被写体に対して、
真正面に立ってみてください。
そして、その光景を含めて
目の前にあるいろいろに対して、
出来るだけゆっくりと、
ひとつひとつを見てみてください。
シェフ ふうむ。
シャッターを押す前に、
そういうふうに「見る」ことを
してみようってことですね。
菅原 はい。そうすると、自然と、
「中心のようなもの」を
感じることが出来るはずなんです。
「ようなもの」でいいですから、
ここが中心だな、って思うところに、
きもちのフォーカスをあててみてください。
そうしたら、それを中心にして、
シャッターをゆっくり切ってみてください。
これがすべてです。
シェフ 菅原さんは「そこに気持ちをこめる」ことを
大事になさいますよね。
それで写真ってかわるんだよって。
菅原 うん。それで、きっとうまく行くと思いますよ。
シェフ ありがとうございました。
では次の質問です。
フイルムカメラを買いたい、というかたから
カメラ選びの質問がきています。
しつもん

今、フィルムカメラを買おうとしているのですが
機種選びで困っています。
一つはとってもシンプルなカメラ
「ナチュラ クラシカ」、
一つはマニュアル機能や細かい設定のできるカメラ
「クラッセ W ブラック」です。
普段は散歩に行くときや
旅先などで写真を撮っています。
フィルムの一眼レフを使用しています。
(つげはるこ)

シェフ ええと、「ナチュラ」というカメラは、
「はじめてカメラを買うんですの巻 その5」
菅原さんがほめていた富士フイルムの
「ナチュラルモード」の思想でつくられた
フイルムカメラですね。レンズはズームです。
フラッシュをつかわずに
自然な光景をうつすのが得意らしいです。
「ナチュラ クラシカ」と「ナチュラ エヌエス」
2機種が出ています。
そして「クラッセ」はその上位機種で
フラッシュはついてますがレンズは単焦点。
「クラッセS」「クラッセW」の2機種が出ています。
菅原 はい、これは明解ですよ。
まず、「ナチュラ クラシカ」は
ズームレンズなのでぼくとしてはおすすめできません。
コンパクトカメラのズームレンズは
どうしても構造上無理があるので、
写りが気持ちよくなってこないのですよね。
シェフ へえ! じゃあ、「クラッセ」のほうがいいですか?
菅原 はい。「クラッセW」でもいいですし、
画角的には「クラッセS」の方が、
38ミリという、スナップを撮るには
いい画角のレンズが付いています。
でも広角がお好きでしたら「クラッセW」ですね。
また、どうしても新品ということでなければ、
中古という選択肢もあると思います。
シェフ だとすると‥‥?
菅原 デジタルで人気の「GR」の前身となった
フイルムカメラ「Ricoh GR1」とか、
レンズが交換できる「Konica Hexar」とか、
「Contax T2」や「T3」なども
レンズがしっかりしていていいカメラです。
あっ「Minolta TC1」もかわいいよ。
シェフ 中古カメラの話になると
かなり深そうなので、
そのへんにしましょうか。
菅原 そうですね(笑)。ついつい、ね。
シェフ もう一問、まいりましょう。
しつもん

右手が不自由な人にでも使いやすい
おすすめのカメラはありますか?
(おたみさん)

菅原 左手で撮っても使いやすいということは
「左利き用」があったらいいわけだけど、
なかなかないのですよね。
そんななか、サンヨーのザクティというカメラは
左手で使うのによいという話をよく聞きますよ。
シェフ ザクティは、「ほぼ日」でも
コンパクトな動画カメラとして
使ってるんですよー。
両手を使わずに撮れて、
静止画のデジカメとしても
使えるんですよね。
菅原 うん。ぼくも試してみましたが、
少なくとも他のカメラよりは使いやすいと思いました。
おたみさん、いかがでしょうか?
カメラやさんで試してみてくださいね。
シェフ それでは今回はこのへんで。
質問はまだまだいっぱいいただいていますので
次回につづく、といたしましょう。
また、みなさまからの質問も
ひきつづき受け付けております。
メールくださいませ〜。
菅原 よろしくおねがいします!
(次回につづきます!)
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2008-04-21-MON