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── | 先ほどから気になっていたのですが そこにある「ホワイトシリーズ」は、 丸いですよね? うちにあるのはぜんぶ四角いんですが‥‥。 |
野田 | そちらは「ホワイトシリーズ」の 「ラウンド」といいまして新しい製品なんです。 |
── | そうでしたか。 これも善子さんのアイデアで? |
野田 | ええ。 食器というものは、ほとんど丸ですよね? お椀から何から。 |
── | そうですね、言われてみれば。 |
野田 | ですから、丸というのもきっと自然に 食卓に馴染むと思いまして。 |
── | 馴染みそうです、あっという間に。 |
野田 | 直径が10センチから21センチまで、 6種類あるのですが、 ぜんぶふたをした状態で、 入れ子のようにしてひとつにしまえるんです。 |
── | マトリョーシカみたいに。 |
野田 | 丸ですから、キュッキュッと拭けますし、 コーナーがないので洗うときにもラクで。 |
── | なるほどー。 |
野田 | たとえば12センチのラウンドですと、 ロースハムが、ぴったり入ります。 |
── | ロースハムが。 |
野田 | パックでお買いになったハムを、 1枚だけ食べたいときも、 残りをここに入れておいていただけば、 干からびることもなく、 1枚ずつ食べられます。 |
── | そうかー、ハムにぴったり。 |
野田 | で、琺瑯のよさは、 冷凍できるというところにもあります。 冷凍しておくと、とても便利なのが、 お出汁なんです。 |
── | 出汁をとっておける、なるほど。 |
野田 | 多めに作ったお出汁を、 私は冷凍と冷蔵の両方に入れておきます。 ふだんは冷蔵のほうを使って、 なくなってきたら、冷凍を冷蔵におろし、 解凍しておくわけですね。 で、心にゆとりができたときに、 冷凍の方にお出汁を補充しておく。 |
── | はい、はい。 |
野田 | ですが、毎日の生活で、 急にお出汁が必要なときもございます。 そんなときはどうするか。 冷凍庫の琺瑯容器のふたをとって、 これ、このまま、 弱火の直火にかけて煮溶かせば、 はい、あっという間にお出汁が。 |
── | すごーい!(拍手) なんだか実演販売を見ているようです(笑)。 |
野田 | ごめんなさいね。 琺瑯のことになると 次から次へと自慢話が(笑)。 |
── | いやいや、すばらしいです。 思わず「さて気になるお値段は?」 と合いの手を入れたくなりました(笑)。 |
野田 | 恥ずかしい(笑)、 あとで叱られます(笑)。 |
── | いや、ほんとに、あらためて、 便利なものですよねえ。 |
野田 | 大きめのものですと、 サラダなんかを作りまして、 ご主人が帰るまで ラップではなくてこのふたをして、 冷蔵庫にしまっておくわけです。 さあ、ご主人さまが帰ってきました。 そうしましたら、サッとふたをはずして、 お皿を一枚用意して、 そこに紙ナプキンを敷きまして、 ポンとこちらを置いていただければ、 琺瑯容器が、ほら、そのままうつわに。 |
── | すばらしい!(拍手) |
野田 | これで洗い物が、ひとつ減ります。 |
── | なるほど!(拍手) |
野田 | あとは私、 この浅型で寒天をつくります。 |
── | 寒天。 |
野田 | 粉寒天の袋というのは、 だいたい5グラム入っております。 ここにお水を500cc入れていただいて、 寒天の粉1袋を入れて、 ちょっとかき回していただいて、 このまま弱火にかけます。 |
── | 火にかけられるのは大きいですね。 |
野田 | 「今日はコーヒー味にしよう」と思いましたら、 火を止めてから インスタントコーヒーを入れてください。 |
── | お好みの味を。 |
野田 | しばらくそのまま置きまして、 手で触れるくらいの熱さになりますと、 揺らせばブルブルという感じになります。 そうしましたら、冷蔵庫にしまってください。 で、召し上がる時はこのままで。 アイスクリームをのせていただくなり、 イチゴをのせていただくなり、 もう何でも。 デザートはこれでOKです。 |
── | 簡単ですねえ。 |
野田 | それで、食べましたよね。 ぬるま湯で寒天分はすぐ溶けるんです。 ちょっと洗ってふきんで拭いて、はい終了。 そしたらまた、500ccの水を入れて。 |
── | あ、次のを作っちゃう。 便利だー。 |
野田 | これがあれば、そういうことができるんです。 |
── | さて、気になるお値段は?!(笑) |
野田 | ごめんなさい、すぐ出てきません(笑)。 |
── | あれ? そうなんですか(笑)。 |
野田 | ほんとうに便利と思っているので、 ついつい使い方ばかりに 熱が入ってしまって。 |
── | なるほど、 いや、ほんとにお好きなんですねえ。 |
野田 | 使わない日はないですね。 うちの冷蔵庫はビッシリこれが入っていて、 今でも毎日、使うよろこびがあるんです。 |
── | そうですか、素敵です。 すばらしいお話をありがとうございました。 |
野田 | ごめんなさい(笑)、 好きなので、ついつい‥‥。 あの、カットしてくださいね。 |
── | とんでもない(笑)。 で、すみません、 最後にひとつうかがいたいことが。 |
野田 | なんでしょう? |
── | 「野田琺瑯さんではたらきたい」 とおっしゃる方が多いと聞きましたが。 |
野田 | ええ、ありがたいことです。 一時期はまったく忘れられた琺瑯ですが、 それだけに、若い方には新鮮に見えるようで。 「このかわいい琺瑯を作る仕事をしたい」 というお申し出を何件もいただいて。 |
── | 就職をしたいと。 |
野田 | もう、驚いてしまいます。 |
── | デザインをやりたいという方が。 |
野田 | ええ。 私どもでは、人手がなく忙しいときには 社長も荷造りをしたり。 職種なしの、全員体制ですので、 デザインだけの仕事で雇う余裕がないんですね。 製造業は作るのが仕事です。 職人さんが育ってくれるのがいちばんです。 |
── | そうですか、なるほど、わかりました。 |
野田 | もう、ほんとに、 いろんなことをしゃべってしまって‥‥。 |
── | 貴重なお話、ありがとうございました。 ‥‥あ、そうだ、 最後の最後に、もうひとつだけ質問を。 |
野田 | はい。 |
── | 次に作りたいものは、なにかあるのでしょうか? |
野田 | ‥‥それは、フフフ。 |
── | あ、決まっているようですね(笑)。 たのしみにしています! (おわります) |
2009-07-21-TUE |