岡田 |
朝ドラというのは、放映時間帯的に、
視聴者がテレビの前に正座していないことを
前提にしているんですね。
洗濯をしてたり、食事の後片付けをしてたりして、
ずーっと画面を凝視しているような時間帯ではない。
ですから、どのドラマにもナレーションが入って、
基本、セリフだけでも、ドラマの内容が
ちゃんと伝わるようになっているんです。
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あやや |
ああー、なるほどー。
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糸井 |
うーん。
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岡田 |
だから、まぁ、じつは今回の『おひさま』では
そうではないシーンもあるんですけど、
基本、ほんとにセリフでちゃんと伝えなきゃいけない。
たとえば、二人が黙って見つめ合ってるシーンを、
何度もくり返してはやれない、っていう感じは、
朝ドラには、伝統としてあると思います。
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糸井 |
そうか、それだけ
脚本家の「ことばの仕事」になるわけですね。
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岡田 |
そうですね。
ただ、やっぱり、セリフでしゃべらせるにしても、
なるべく説明臭くならないようにしたい。
そこは、たぶん、脚本家として、
けっこう問われるところなのかなって。
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糸井 |
いや、ほんとそのバランスも、
うまいなぁと。
それはプロに言ってもしょうがないんだけど。
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岡田 |
ありがとうございます(笑)。
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あやや |
あの、必ず一回、なんか、
ひとつセリフの掛け合いがあったあとに、
最後に、ちょっと笑わせてくれるっていうか。
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岡田 |
ああ、はい。
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あやや |
たとえば、わたしがいちばん好きだったのが、
樋口さんの演じるお母さんが、
お見合いの申し込みに行くときに、
さんざん会話をしてて、
「最後になんか忘れてる」って言って、
「お父さんを忘れてきた」みたいな。
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岡田 |
はい。
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あやや |
ああいうのとかも、ぜんぶ、なんか、
会話で笑わせてくれるのが、
ふっと力を抜いてくれるというか、
あそこが、すっごい毎回たのしいですよね。
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岡田 |
ありがとうございます。 |