糸井 |
あれは勇気いると思うんですよ。
でも、同時に、満島さんの物語として、
1本長く立たせちゃうと、
陽子の物語が薄れちゃうし、
書く人としては、そうとう悩むんでしょうけど。
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岡田 |
そうですね。
ひとつには、やっぱり、今回、ほんと、
キャスティングが優れているので、
そこに助けられているんです。
たとえば、いくらホン(脚本)で成立してても、
そこを背負う役者さんがうまく表現できないと、
逆に、なんの気持ちも生まれない
2日間になっちゃうんです。
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糸井 |
うん、うん。
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岡田 |
その点、この『おひさま』では、
それぞれ、主役ができるような、
「背負える人たち」がいっぱいいるというか、
チームの監督からするとスター選手ぞろいなので、
もう、安心して送り出せる感じはありますね。
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糸井 |
あー、そうか、そうか。
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あやや |
今回、井上真央さんが主役なんですけど、
もう、ほんと、全員、それぞれによくて、
誰が主役かわからないぐらい、
すごくなんか、登場するみんなを
大好きになるっていうか。
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岡田 |
はいはい。
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あやや |
『おひさま』って、
それぞれの登場人物がほんとに魅力的で、
わたしもそこがやっぱり、
一番、観てて気持ちがいいというか、
いやな人がひとりも出てこないし、
全員をそれぞれ好きになっちゃうんですよね。
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岡田 |
それはね、やっぱり、
一番は主役の力ですね。
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糸井 |
あーー。
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あやや |
ああー、なるほど。
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岡田 |
やっぱり、朝のドラマって、
『おはなはん』もそうだったかもしれないですけど、
基本、ちょっと勝気で明るくて、
前に進んでいくタイプで、
ある意味、どんどん食い込んでいくタイプの
ヒロインが多かったんですけど。
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あやや |
そうですよね。
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岡田 |
今回は、どちらかと言うと、
そういう人は、まわりに配して、
じつはヒロインは受ける役っていうか。
でも、(受けるヒロインが)
すぐれた俳優さんでないと、
たぶん、かすんじゃって、まわりばっかり
目立っちゃうふうになるんですね。
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あやや |
すごい、わかります。
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岡田 |
ところが、まわりに魅力的な人を置いても、
なんだかんだいって、やっぱり、
ヒロインの陽子の印象が残るっていうのは、
井上真央ちゃんの力だと思いますね。
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糸井 |
『おひさま』ですね、文字通り。
井上真央ちゃんという太陽のまわりを
魅力的な人たちが回ってるんですよね。
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岡田 |
そうなんですよね。 |