糸井 |
横石さんがやっていることを
ぼくは冷静に考えなきゃいけないと思って、
ないしょ話のようにして
聞いたことがありますよね? 昔。
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横石 |
それは、なにについてでしょうか?
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糸井 |
「消費規模はどのくらいなんですか?」って。
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横石 |
ああー、はい。
そうでした、
糸井さんに聞かれたことがあります。
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糸井 |
「葉っぱビジネス」の
事業規模を聞いたんです、こっそり。
それがね‥‥
失礼な言い方になるかもしれないけど、
そんなに大きくはない。
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横石 |
大きなものではありません。
すごい小さいです。
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糸井 |
売り上げの大きさだけを見れば、
日本のニュースになるような
額じゃないですよね?
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横石 |
ならないです、
ニュースになる大きさじゃない。
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糸井 |
なのに、こんなに人気が出て、
外国からも人が来てるじゃないですか。
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横石 |
ええ。
たくさん取材をしていただいています。
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糸井 |
世の中みんなで
「売り上げ売り上げ」って言ってますよね?
そんな時代にですよ、
こんな小さな売り上げの事業に
人が大勢やってくること自体が、
もう、おもしろくってしょうがない。
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横石 |
ほんとですね(笑)。
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糸井 |
売り上げで言うなら、
もっとうまくいってる話がありますよね?
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横石 |
いくらでもあります。
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糸井 |
偽物のゲームつくった人のほうが
たくさん売り上げてるかもしれない。
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横石 |
はい。
東京ではもう、
お話にならないくらいの額なんです。
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糸井 |
なのに、人が集まってくる。
それはやっぱり、
グッドニュースだからなんです。
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横石 |
そうですね。
ありがたいと思っています。
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糸井 |
稼ぎかたもそうだけど、
おばあちゃんたちのお金のつかいかたも、
またニュースになってるじゃないですか。
「孫にこづかいをやった」とか、
「マンションの頭金をはらった」とか。
ニッコニコしてますよね。
あの町では、お金がピンピンしてるんです。
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横石 |
みんな元気で。
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糸井 |
そこに、アメリカから人が見に来たり、
テレビ局がカメラかついで
やってきたりするわけでしょう?
まあ、ぼくらもそのひとつなんですけど。
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横石 |
数えてみたら、
昨年度だけでも37カ国のかたが来ました。
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糸井 |
え?
あ、そうですか‥‥1年で37カ国。
はぁー、いやいや、すごいですね(笑)。
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横石 |
アフガニスタンからも来ました。
なぜアフガニスタンから来るのかな?
と思ったけど。
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糸井 |
それは(笑)、だから、
どんな国からみてもグッドニュースなんですよ。
──あのですね、横石さん、
この前ぼく「ほぼ日」で、
「自分たちの仕事は
グッドニュースをつくることなんだ」
というようなことを言ったんです。
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横石 |
そうですよね、わかります。
「ほぼ日」さんをみていると、
いつもそういう感じがしています。
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糸井 |
「矢沢永吉さんとお金をテーマに公開対談する」
っていうニュースは、
「なんだそれ? おもしろそうじゃないか?」
ってなるじゃないですか。
そういうことがぼくらの仕事なんだと、
さんざん話していたんですよ。
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横石 |
ということは、
上勝と「ほぼ日」さんは
すこし似ているのでしょうか。
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糸井 |
すごく似ていると思います。
横石さんも結局、
グッドニュースを生産しつづけている。
「言いたいこと」を
生み出しつづけていますよね。
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横石 |
そうです。
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糸井 |
横石さんとぼくらは離れて暮らしているけど、
やっぱり、こう、
似たような悪あがきをしてるんですよ。
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横石 |
悪あがき。
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糸井 |
「売り上げ!」って言わずに、
お金のことを大事に考える。
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横石 |
ああ、そうですねぇ。
悪あがきです(笑)。
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糸井 |
うーん‥‥。
そうやってよくよく考えると、
「売上高」ができることっていうのは
小さいですねぇ。
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横石 |
小さいですよ。
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糸井 |
小さいねぇ。
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横石 |
小さい。
さっきの話もそうです。
上勝に1500人の若者が
はたらきたくてやって来たっていうのも、
すっごい小さいですよね。
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糸井 |
「たった」、なんですよね。
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横石 |
たった、1500なんです。
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糸井 |
そうですよねぇ。
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横石 |
でも‥‥
違いますよね。
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糸井 |
違う。
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横石 |
違うんです。
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糸井 |
お金が動いてる量は、
小川のせせらぎみたいなものなんです。
でも、
その小川をみんなが見に行けば、
そこはアマゾン川よりでっかいんですよ。
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横石 |
‥‥はい。
(つづきます) |