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というわけで、
「土楽」さんでのおもちつきは、
たっぷりとした、濃密な時間でした。
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糸井 |
身も心もまんぷくで。
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![](images/p_04/01.jpg) |
─── |
はい。
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糸井 |
自分たちであれをやろうと思ったら
たいへんなことです。
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─── |
そうですね。
臼の管理は、きっとたいへんですよね。
ヒビが入ったりカビが生えたり‥‥。
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![](images/p_04/02.jpg)
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糸井 |
ありがたい体験です。
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─── |
はい。
福森さんはご不在でしたが、
お弟子さんの州さんの
「もちつき技術」はすばらしかったです。
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糸井 |
すいすいとついていましたよね。
なかなか真似はできません。
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─── |
無駄なちからが入って、すぐ疲れちゃいます。
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糸井 |
車のハンドルでいうと、
パワーステアリングってやつですよ。
軽いちからでコントロールできる。
州さんも、福森さんも、
パワーステアリングで、もちをついています。
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![](images/p_04/03.jpg) |
─── |
州さんが、
「片手は添えるだけ」と教えてくれました。
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糸井 |
福森さんは、ほんとうに片手でつきますからね。
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─── |
はぁーー。
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糸井 |
かっこよく、ぱーんとついてるのを見ると、
うらやましいです。
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─── |
はい。
そして、つきたてのおもちのやわらかさ。
あれは格別でした。
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糸井 |
ごまを入れてみたり、
からすみを入れてみたり‥‥
あれだけいろいろな材料を
もちに入れられるのは、
家でついているからこその特権です。
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─── |
なるほど、そうですね。
つきたてのやわらかい状態じゃないと混ぜられない。
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糸井 |
手間ひまかけてね。
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─── |
よもぎもちには
大量のよもぎが入っていましたが、
あれは春に歩いて集めたよもぎを
ゆがいて冷凍しておくんだそうです。
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糸井 |
そうやって、いろいろな食べ方があって、
それぞれにおいしかったですけど、
ぼくにとってのいちばんは
「大根としょうゆ」でした。
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![](images/p_02/37.jpg) |
─── |
からみもち。
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糸井 |
(深く頷く)おいしい。
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![](images/p_04/04.jpg) |
─── |
みんな一瞬、無言になりました。
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糸井 |
あと、今回はなかったけど、
つきたてのもちに納豆をからめるのもいいです。
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─── |
あぁー(味を想像)、おいしい。
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糸井 |
焼いたもちのことも話しておきたいですね。
それはそれで、おいしいものです。
しょうゆをつけて、磯辺焼き。
うちには必殺の海苔がありますから、
そこにバターをちょっとつけたりしても‥‥
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─── |
‥‥(味を想像)たまらない。
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糸井 |
焼いたもちには、砂糖じょうゆもいい。
甘じょっぱい味もうまい。
ただね、
「砂糖じょうゆが好き」って言うのは、
ちょっと照れくさいんですよ。
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─── |
ああー(笑)、
「わたし砂糖じょうゆが好きです」
‥‥すこし恥ずかしいかもしれません。
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糸井 |
そういうときには、
「みたらし」と言えばいいんです。
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─── |
みたらし!
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糸井 |
「もちは、みたらしが好きです」
これならスマートに言えます。
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![](images/p_04/05.jpg) |
─── |
砂糖としょうゆの味ですからね。
なるほどー、みたらし。
そういうふうに言うようにしてみます。
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糸井 |
ぜひ、おつかいください。
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─── |
焼いたおもちといえば、
ああして杵でついたおもちって、
あれですね、
焼いても中が大きな空洞にならないんですね。
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糸井 |
そうなんです。
杵づきは、焼いてもみっちりしています。
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![](images/p_04/06.jpg)
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─── |
ぷくっとふくらんだ白いおもちは、
かわいらしくもありました。
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糸井 |
似ていると もちに教える ぱいおつに |
![似 て い る と も ち に 教 え る ぱ い お つ に](images/p_03/tanzaku_04.jpg) |
![](images/p_03/06.jpg)
▲糸井が自分のiPhoneで撮影
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─── |
‥‥‥‥‥‥‥‥。
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糸井 |
あんこのときにも話しましたが、
もちというものは、女体です。
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─── |
‥‥はい。
おもちを丸めていたとき、
土楽のお母さんがそっと横に立って、
「さわると気もちがいいでしょう。
もち肌っていいますからね」
とおっしゃったんです。
手ざわりが気もちよくて、
とても印象に残っています。
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糸井 |
食と性は、
いつもとなりあわせにありますから。
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─── |
豊作と、繁栄。
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糸井 |
そうです。
‥‥そうこう言っている間にね、
もう、
2014年がどんどんはじまっています。
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─── |
え?
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糸井 |
しっかりしてください、これは新春企画でしょう。
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─── |
ああ! はい。失礼しました。
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糸井 |
あのね、今年はおれ、はたらくよ!
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![](images/p_04/07.jpg)
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─── |
(急にカメラ目線!)はい。
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糸井 |
身をモチにして。
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─── |
身をモチにして! (笑)
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糸井 |
身をモチにしてはたらきます。
つかれても、つかれても!
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─── |
つかれても(疲れても)!
もちのように、つかれても!!
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糸井 |
燃えてます。
赤いくびまき‥‥これは猪木ですから。
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![](images/p_04/08.jpg)
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─── |
わはははは!
またそんな(笑)、掲載できない写真を‥‥。
そろそろ締めますので、ふつうの表情でお願いします。
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糸井 |
(意に介さず)ことしは闘魂ですから。
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![](images/p_04/09.jpg)
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糸井 |
じゃんじゃん撮ってください。
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![](images/p_04/10.jpg) |
─── |
‥‥‥(猪木の顔マネをどんどん撮らせている)。
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糸井 |
ちょっと、撮ったのを見せて。
(カメラのモニタで真剣に写真チェック)
うーーん‥‥前はもっと上手にできたんだけどなぁ。
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─── |
‥‥‥(どうやらこれ、本気みたいだ)。
糸井さん、いいんですね?
ほんとに猪木のままで。
この写真で締めちゃって、いいんですね?
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糸井 |
今年もよろしくおねがいします!
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![](images/p_04/11.jpg)
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まさかのエンディング!
もちつきのコンテンツが、
よもやアントニオ猪木で終わるとは思いませんでした。
なにはともあれ、これにて新春企画は終了です。
2014年も、どうぞよろしくお願いいたします。
糸井重里とともに、
わたしたちも身をモチにしてはたらく所存です。
元気があれば‥‥いろいろできる!
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![<おまけ>](images/t_omake.gif)
お土産のおもちは、「ほぼ日」のキッチンで焼いて、
乗組員みんなで食べました。
![](images/p_04/16.jpg)
![](images/p_04/15.jpg)
![](images/p_04/12.jpg)
▲昔の人も、おもちを食べるときはこんな顔をしてたのかなぁ。 |
(完) |