第3回 お雑煮を2種類、いただく(土楽にて)

─── みんなでついて、
みんなでまるめたおもちの姿。
いい眺めですねぇ‥‥。
道歩さん みなさん、おつかれさまでした!
これからお雑煮の準備をしますね。
その間にぜひ、
「いのししのすき焼き」を召し上がってください。
ついさっき近所の方が、
獲ったばかりのいのしし肉を持ってきてくれたんです。

▲お母さんがお雑煮をつくってくれている間に、
 飛び入りゲスト「いのししのすき焼き」が登場!
 われわれは、それを完食しました。

─── ‥‥‥‥食べましたね。
糸井 ぺろりと食べました。
─── メインの「お雑煮」は、おなかに入りますか。
糸井 入ります。
ぼくはそのことをちゃんと考えながら食べました。
─── よかったです。
糸井 それにしても‥‥あれだね、
こう‥‥
みんなで、もちをまるめてさ、
こうやって囲炉裏を囲んだりしていると、
ものすごく年末な感じが押し寄せますね。
年が終わっていくムード、
「忘年感」をひしひしと感じます。

─── ああー、「忘年感」。
感じます。
糸井 ねぇ‥‥。

─── はい‥‥。
糸井 ‥‥‥‥‥‥。
─── ‥‥‥‥‥‥。
糸井 もちまるめ ああ押し寄せる 忘年感
─── ‥‥なんですかそれは。
糸井 こんだて俳句です。
─── こ、こんだて俳句!?
糸井 もちまるめ ああ押し寄せる 忘年感
─── ‥‥じわじわと、おもしろいです。
糸井 最近ね、俳句をやってみようと思ってたんですよ。
でもなかなか最初の一句が詠めなかった。
─── 出ましたね、すっと。
糸井 出たね。
─── せっかくなので、これをページに載せるときには、
短冊にレイアウトしましょう。
も  ち  ま  る  め   あ  あ  押  し  寄  せ  る   忘  年  感
糸井 1個できると、次はすぐに思いつきますね。
─── そういうものですか。
糸井 すき焼きが はずしたモギの コルセット
す  き  焼  き  が   は  ず  し  た  モ  ギ  の   コ  ル  セ  ッ  ト
─── わははははは!

※痛めた腰を守るコルセットをはずして、
 この日モギは本気ですき焼きを食べていたのです。

お母さん みなさーん、もうすこしで
お雑煮ができますから、
おもちを焼いておいてくださいね。
─── はーーーい。
‥‥いよいよお雑煮だ(もちを網にのせる)。
道歩さん うちの雑煮は2種類あるんです。
京都の白味噌の雑煮と、
伊賀風のおすましの雑煮。
母が京都の人なので、2種類つくるんです。
よかったら両方ためしてください。
画像 おもちを焼いている
糸井 こうやって、
おもちを焼くというのは、いいものですね。
─── はい‥‥。
糸井 ‥‥これ、かわいいです。
焦げ目が笑顔のように見えます。

▲糸井が自分のiPhoneで撮影
─── ほんとだ‥‥。
糸井 ‥‥‥‥‥‥。
─── ‥‥‥‥‥‥。
糸井 焼きかけの お雑煮のもち 愛想よし
焼  き  か  け  の   お  雑  煮  の  も  ち   愛  想  よ  し
─── こんだて俳句(笑)。
糸井 ‥‥そしてこのもち。
このもちは、エロティックです。

▲糸井が自分のiPhoneで撮影
─── エロティック‥‥?
糸井 似ていると もちに教える ぱいおつに
似  て  い  る  と   も  ち  に  教  え  る   ぱ  い  お  つ  に
─── ‥‥‥‥‥‥‥‥。
糸井 ‥‥(もちに)似ているよ。
お母さん 焼けましたか?
─── あああ! はいっ!! 焼けたと思います!
お母さん じゃ、まずは白味噌のお雑煮からお出ししますね。
焼けたおもちをいただいて、と(台所へ)‥‥。
─── 糸井さん、こんだて俳句は
またあらためてやりましょう。
糸井 忘れないうちにツイートしとこう。
(ツイートする)
お母さん さあ、できました。
白味噌のお雑煮です。

糸井 かつお節がたっぷり‥‥。
見るからに具だくさんですが、
どんな具が入っているんでしょう。
お母さん 大根と、やつがしらという里芋です。
切って「角」がでるのは
お正月にはふさわしくないということで、
うちで作った小さい大根を選んで、
輪切りでまるくしています。
やつがしらも、まるい形のまま
つかいたかったんですけど
うちのはあまりにも大きすぎるから
ちょっと切ってます。
─── おもちもまるくて、具材もまるい。
縁起がいいですね。

▲薬味のせりと柚子をのせて完成!
 京都のお雑煮は、男は男椀(右)、
 女は女椀(左)を使うそうです。
─── いただきます。
‥‥あ‥‥おいしい‥‥やさしい。
糸井 ‥‥うん、おいしいです。
実はぼく、白味噌のお雑煮が
そんなに得意じゃなかったんですよ。
でもこれは‥‥おいしい。
いやぁ、お母さん、おどろきました。
お母さん よかったです、そう言っていただけて(笑)。

▲そして、伊賀風のおすまし雑煮も完成!
 こちらにも大根とやつがしらが入っています。

糸井 あーー、おすましも、うまーい!

─── すっきりとした味わいで。
糸井 まいっちゃいますね。
いや、ほんとにどっちもおいしいです。
─── さっきからいくつもおもちを食べているのに、
まだ食べられますよね。
大満足です。しあわせです。
ありがとうございました。
お母さん よろこんでいただけて、うれしいです。
道歩さん 今日ついたおもちは、お土産にどうぞ。
─── わぁー、会社のみんながよろこびます!
ありがとうございました!

<おまけ>


われわれの様子をじっと見守ってくれていた
「土楽」の看板猫、はなこ。
この子もまぁるくて、おもちのようでした。

(東京にもどり、最終回につづきます)
2014-01-03-FRI
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