あの会社のお仕事。TOTO株式会社 篇

外国の人に褒められてうれしいものに、
日本のトイレがあると思います。
きれいで、快適で、デザインもよくて、
勝手に水まで流れたりして。
今や「くつろぎの空間」ですよね。
でも、そこって、ほんの何十年か前までは、
「暗い・汚い・寒い」の代名詞だった場所。
日本のトイレは、いつからこうなった?
このおもてなし感覚、日本独自なの?
仲畑貴志さんの名コピー
「おしりだって、洗ってほしい。」で有名な
「ウォシュレット」をはじめ、
さまざまなイノベーションを起こしてきた
TOTO株式会社の麻生泰一常務に、
トイレのお話、いろいろうかがってきました。
土を焼いてつくる便器が、
職人さんの手先で仕上げられていくところも、
うわあ、すごいなあって思います。
全部で5回、担当は「ほぼ日」奥野です。

>麻生泰一さんのプロフィール

第1回 はじめは「40年間、赤字」。
2017-11-30-THU
第2回 利益は実体ではない、影だ。
2017-12-01-FRI
第3回 信頼を、どうやってつくるか。
2017-12-02-SAT
第4回 美しいものが、つくりたい。
2017-12-03-SUN
第5回 必要とされるときが、必ず来る。
2017-12-04-MON
快適を追求してきたTOTOさんが
創立100周年の年にたどりついたトイレは、
むきたてのゆでたまごのよう。

麻生常務のインタビューでも語られていますが
「日本の人々の生活を快適にしたい」
という創業の思いを大切に、
洋式トイレをつくり続けてきたTOTOさん。
創立100周年にあたる2017年に、
その思いのひとつの到達点のようなトイレが、
発表されました。
それが「ネオレストNX」というトイレです。

まず目をひくのが「継ぎ目」のほとんどない、
つるりんっとしたデザイン。
夏の記者発表会で実物を見たとき、
「美しい。むきたてのゆでたまごみたい」
と思いました。
陶器の部分と、機械でできた部分を、
ここまできれいに融合させるにあたっては、
高い技術力が必要だそうです。
もちろんデザインがいいだけではなくて、
おしりへ向けて飛んでくる
ウォシュレットの水の玉に空気を混ぜ込んで、
「節水」と「洗浄のたっぷり感」を両立した
ウォシュレット技術をはじめ、
TOTOさん100年のトイレ技術のカタマリが
注ぎ込まれているハイテクのトイレ。
発表当時「57万円(税抜)」という
お値段のことでもニュースになっていた、
最高級モデル。
まず高級車のショールームや
こだわりの住宅などに
納入されはじめているとのこと、
今のところ、ふつうに暮らしていても、
自分には
なかなかお目にかかれなそうだったので、
TOTOさんにおうかがいし、
ネオレストNXに、座らせてもらいました。 
撮影:TOTO株式会社 広報部 桑原由典さん
おおう。ううむ。なるほど!
ただ座っただけですが、座り心地がいい。
(そういう工夫をしているそうです)

なぜだか厳かな気持ちで腰を下ろしたら、
ワンランク上の気分になりました。
いつかどこかで出会える日がくることを、
楽しみに待ちたいと思います。

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