- 西本
- 冬季パラリンピックの花形競技というのは、
アルペンスキーの他にも
きっといろいろあるんですよね?
- NHK_PRさん
- それはもう。
たとえば冬季パラリンピックの格闘技こと、
アイススレッジホッケー!
- 西本
- アイススレッジホッケー?
アイスホッケーとは違うんですか。
- NHK_PRさん
- ふふふ。細かい説明よりも、
昨年行われたロシアVSカナダ戦の
ダイジェストをご覧ください。
- 西本
- これは通常のアイスホッケー以上に、
大男たちがソリでぶつかり合う姿が、強烈ですね。
これはマジで痛そう‥‥。
- NHK_PRさん
- そうなんです。
ルールはほぼアイスホッケーと同じなんですけど、
スティックで氷をかいて進んでいるとは思えぬスピード、
2本のスティックを操るテクニック。
スレッジと呼ばれるソリごとぶつかり合う荒っぽさ!
いやもう、うひゃー!
- 大日方さん
- ましてや、この動画は、ロシアVSカナダですからね、
テクニックと荒っぽさも超一流です(笑)。
スティックの反対側にはギザギザした
アイスピックが取り付けられていて
それを氷にひっかけて進みながら
パックをコントロールするんです。
スティックを素早くもちかえ、
推進力を得るためのパワーを得ながらも、
パックをコントロールする繊細さも求められる。
- 西本
- うわぁ‥‥。
- 大日方さん
- しかもぼんやりしてると、
敵がスレッジごと突っ込んできますから(笑)!
選手は息つく暇がありませんよね。
- 西本
- ひゃあ‥‥。
- NHK_PRさん
- 西本さん、こんなのでびびってちゃいけません。
夏にはウィルチェアーラグビー
(車いすラグビー)っていう競技があるんですが、
これなんかさらに強烈ですよ!
- 西本
- なんですかこれは!
車いすのストリートファイトのような映像ですよ‥‥。
タトゥばりばりの強面のお兄ちゃんたちが、
車いすでぶつかりあってるし、
しかも女性選手もいるじゃないですか!
- NHK_PRさん
- ね!ね!
みなさんが持っているイメージとは違って
パラリンピアンは激しいんです!(笑)。
- 西本
- なるほど、これはスレッジホッケーの
日本チームの活躍も楽しみですね~。
- 大日方さん
- あ‥‥‥‥。
- NHK_PRさん
- あっ!西本さんっ! それは言わない!
パラリンピック関係者の前では禁句!
- 大日方さん
- じつは、前回のバンクーバーパラリンピックでは
銀メダルだった日本チームが。
今回は最終予選で負けちゃったんですよ‥‥。
- 西本
- すみません。勉強不足で‥‥。
- 大日方さん
- バンクーバーまでは、
個人技で突破力のある選手が
得点源だった日本チームですが、
今回の最終予選でその選手が徹底的にマークされて、
潰されちゃったんです。
日本の個人技を重視した突破型の戦術が、
ヨーロッパ、アメリカの組織型の戦術に
やられてしまったんです。
- NHK_PRさん
- 選手や関係者だけでなく、
取材するメディアの担当者たちも
行く気マンマンでしたからね。
みんな、もうショックでショックで…。
- 大日方さん
- でもね、バンクーバーパラリンピックでは
準決勝でカナダを破っているわけですよ。
それはカナダの人たちにとっては
「えーっ!」「ありえない!」
というような出来事だったんですよ。
- 西本
- リオオリンピックのサッカーで
日本がブラジルに
勝っちゃうようなことだ!
- 大日方さん
- そのとおり。
日本がカナダに勝った日、
つまり、カナダが日本に負けた日は
バンクーバーの街は喪に服したかのようでした。
翌日、バンクーバーの町を歩いていたら
「ん。日本人? 昨日、よくも、
うちのチームをやってくれたわね!」
って、ちょっと冷たいんですよ(笑)。
冬季パラリンピックでもグローバルに
大人気なのがスレッジホッケーですからね。
でも今回も、ホッケー大国のカナダは要注目。
そしてアメリカ、ロシアの試合も、
注目しておいたほうがいいですよ。
- NHK_PRさん
- いろいろな話を聞いていると、
韓国も強そうです。
2018年の平昌(ピョンチャン)
冬季大会に向けて、
パラリンピック競技専用の
ナショナルトレーニングセンターまで
造ったそうですから。
- 西本
- アジア人の中でも大柄な韓国人は、
荒くれ者の集まりのスレッジホッケーの世界でも
ひるまずに立ち向かってくれそうです。
もしかしたらジャイアントキリング(番くるわせ)が
あるかもしれませんね。
ほかに、日本選手が出場してないけれど、
この競技はオススメ! という競技があったら
ぜひ教えてください。
- 大日方さん
- ならば、ぜひ、バイアスロンの
視覚障害カテゴリーを見てもらいたいですね。
- 西本
- ん? バイアスロンって、
クロスカントリースキーと
射撃が合わさったスポーツですよね。
視覚障害カテゴリーって、どうするんですか?
「心の眼で射つ」ってこと?
- NHK_PRさん
- ちょっと近いかもしれません。
こちらの映像をご覧ください。
2分30秒あたりから射撃の映像がでてきます。
- 西本
- なんと!レーザー銃ですか!
- NHK_PRさん
- この道具がすごいんですよ。
目の見えない選手が
的を狙うのに使っているのは「音」。
つまり「耳で撃つ」んですよ!
- 大日方さん
- 選手はヘッドフォンをつけて
射撃をするんですが、
ライフルからビームが出てるんですね。
的に近づくと音が変化するという仕組みです。
その一瞬をとぎすまして発射するんですけど
まず、クロスカントリーで心拍数があがっている中で
音を聞きながら、一番音が高くなった瞬間に
引き金をひくわけです。
- NHK_PRさん
- 心拍数のあがった状態では、
ふつう、身体は思い通りには動きませんよ。
ということは、
どれだけ冷静になれるかというスポーツなんですね。
- 大日方さん
- 選手に話をうかがうと
心拍数はあがっても
その鼓動にあわせて
ピタッと止めることができる瞬間があるらしいんですよ。
自分の脈と揺れを合わせて
「今だ!」というタイミングがわかるんですって。
しかも、隻腕の選手は
片腕だけでライフルを射つ決まりです。
- NHK_PRさん
- もう、ありえない世界でしょ?
私もパラリンピアンのお話を聞くたびに
この人達、いったいなんなんだ!?
と、なんども思っているんです。
そうそう、
あとは今季から採用されたスノーボード!
- 西本
- ハーフパイプとかってことですか?
- NHK_PRさん
- いえ、スノーボードクロスとよばれる、
一斉にスタートして、
お互いに押し合いへし合いしながらゴールを目指す、
というかなり荒っぽい競技です。
- 大日方さん
- エックスゲームズ(離れ業系の比較的過激なスポーツを
集めた競技大会)的なレースです。
- 西本
- ここまでお話を聞いてきて思ったんですが、
パラリンピアンって闘う系が好きですね(笑)。
- 大日方さん
- そう!実はそうなんですよ!
- NHK_PRさん
- うむむむ。確かに攻撃的な競技が多いかも。
- 大日方さん
- この前も選手と話していたんですけど、
パラリンピックって夏でも、冬でも
ほとんど採点競技ってないんです。
唯一の採点競技が馬術くらい。
規定演技が採点競技なんですって。
ほかは、スピード命! か、
より多くの点を入れたほうが勝ち!
というような、わかりやすい競技ばかりです。
- 西本
- どの競技も怪我と背中合わせですよね。
競技をしているうちに
別のところを怪我をして
別のカテゴリーに移るということも
あるんじゃないですか?
- 大日方さん
- そういう例は結構あるんです。
昔立って滑っていた選手が
チェアスキーでカムバックという例はよくありますし。
日本でも青木辰子さんという選手は
立位で世界選手権に出られてましたが、
その後、スキーの練習で怪我をしたことがきっかけで、
車いす生活となって、
チェアスキーヤーとしてカムバックされたんです。
「あきらめない」んですよ。
- NHK_PRさん
- きっとみんな、
スキーやスノーボードが大好きなんですね。
大好きだから、好きなことをやりたいからこそ、
時には大きめのハードルがあっても
簡単にはあきらめないんだなって思うんです。
(つづきます。)
2014-03-13-THU
開会式
3月8日 総合午前1時10分~4時まで
冬のパラリンピックで初めて開会式を生中継。
30分のダイジェスト番組
その日の競技ダイジェストを毎日放送。総合テレビでは15時台から16時台の中で
(放送開始時間が日によってかわります。)Eテレでは午後8時から。日本人選手の活躍はここでチェック。
それぞれの番組詳細はNHKソチパラリンピック特設サイトをごらんください。
3月8日からスカパー!では24時間パラリンピック専門チャンネルを開設。
生中継60時間を含む、200時間以上の放送を予定。
スカパー!に加入すると無料放送でお楽しみいただけます。
詳しい視聴方法やなどはスカパー!ソチパラリンピック特設サイトをごらんください。
速報や競技動画はソチパラリンピック公式サイトに次々とアップされる予定。
各競技動画は【videos】もしくはYoutube Paralympic チャンネルをチェック!