「で、考えたのですが、
カバーを2枚つくっちゃうっていうのはどうですか?」
ここで、一瞬、進行係の顔が曇ったのを、
藤井さんは見逃さない。
「1冊の本に、2枚のカバーをまくという
ダブルカバーという方法もありますが、
裏表で印刷して、1枚におさめるという方法もありますよ。」
藤井さん! ナイス!
ぶっちゃけた話、紙代が1枚分で済みそうです。
「裏写りはしませんか?」
と、清水さん。
あああ、しまった!
小銭の神様に足をすくわれて、
そのことを考えられませんでした!
「そうですね、完全復刻ということで
カバーの紙の厚さもだいたいわかりましたが、
そのくらいあれば、裏写りはしません。」
そして、永田が。
「だとしたらさ、ハードカバーのカバーの周りも
現代版に差し替えないといけない部分とかも、
残せるんじゃない?」
え? あの社長の3枚目の写真も?
「そうそう。あれもね‥‥。」 |