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── |
うちの仲間が去年の「フェニックス」に
大感動しまして。 |
小泉 |
そうですか。 |
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── |
たまたま新潟出身者もいたので、
その者に「フェニックス」の話を聞いているうちに
もう、どんどん見たくなりまして。 |
小泉 |
なるほど。 |
── |
インターネットにいろんな人が撮った画像が
あったのでそれを見たりしました。
すごい! と思いながらも、
画面の横幅に「フェニックス」が‥‥。 |
小泉 |
おさまりきらないですよね。 |
── |
ええ。
なので、本物をみるのがほんとにたのしみです。 |
小泉 |
ぜひ、みにきてください。 |
── |
最初の「フェニックス」は、
何年前になりますか。 |
小泉 |
ええと、昨年が5回目ですから、
今年が6年目になりますね。 |
── |
「フェニックス」は
小泉さんが打ち上げてらっしゃる。 |
小泉 |
「フェニックス」という花火に関しては、
3社で打ち上げをやってるんです。
もともとそのお話は、
「3社の若手でやってもらいたい」
というふうな依頼だったんです。
なので、3社それぞれの
いわゆる担い手の人間が主体になって
構成をして打ち上げるのが、
「フェニックス」なんです。 |
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── |
それが始まったのが6年前。 |
小泉 |
はい。
震災の翌年ですね。 |
── |
震災にあった人々のために。 |
小泉 |
そうですね。
地震にあったみなさんの落ち込んだ気持ちを‥‥
なんて言いますか、
元気にしてさしあげたいという意味と、
あとは、支援をくださった全国のみなさんに、
長岡はこれだけ頑張ってるんだよ、
というものを見せたいと。
それが「フェニックス」という花火だと思います。 |
── |
必ず平原綾香さんの
『Jupiter』がかかるんですね。 |
小泉 |
はい。 |
── |
それはなぜその曲に? |
小泉 |
それはですね、震災があって、
震災以降のラジオとか、いろんなところで
あの曲が非常に多く流れたらしいんですね。
私は新潟市のほうに住んでいて
大きい被害は受けてないので、
現地の状況は正直わからなかったんです。
でも仮設住宅にみなさん移られていて。
そういった気持ちがすごく落ちているときに、
あの曲が非常に多くかかり、
あの曲を聴いて勇気づけられたとか
元気になったという方が
すごく多かったらしいんです。
それで、実行委員の方たちから
この曲を使いたいということに。 |
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── |
なるほどぉ。 |
小泉 |
あの曲を使うために、
平原さんの事務所に何度もうかがって
調整を繰り返しました。
もともと『Jupiter』は5、6分の曲なので、
短く編集したものをわざわざ作っていただいて。 |
── |
フェニックス用に。 |
小泉 |
3分にしてもらったんです、曲を。 |
── |
それにしても、あの規模、
というか横幅がすごいですよね。
さっき信濃川を見てきたんです。
「あっちから、あっちまで」と説明されて、
いまだにちょっと信じられません(笑)。 |
小泉 |
上流に長生橋という橋があって、
下流側に大手大橋という橋があるんですね。
通常は、このふたつの橋のあいだで、
花火が上がっているんです。
長岡まつりでの花火大会は、
ずっとそこが打ち上げの現場でした。
大手大橋の下流側というのは、
花火を打ち上げたことがなかったんです。 |
─── |
はい。 |
小泉 |
それが「フェニックス」のために、
ぜひそっち側を使って上げてほしいと、
そういうお話があったんです。
それで、最初の年は、
約1.6キロメートルを総延長として、
6箇所にわけて花火を打ち上げました。 |
── |
それが最初の「フェニックス」。 |
小泉 |
で、去年は5年目ということで
今までにないものをぜひ、ということで、
川またぎをしたんです。 |
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── |
川またぎ? |
小泉 |
今までは同じ平行線上のところで
花火を上げてたんですが、
川をまたいだこっち側でも打ち上げをしました。
最大で15箇所から一斉に花火が。 |
── |
えー!
もう、どこを見たらいいんだろう(笑)。 |
小泉 |
総延長は2.7キロメートルになったのかな。
よりワイドに。 |
── |
すごいですよねぇ‥‥。
それと、規模もそうなんですが、
最後に不死鳥が、
フェニックスがあらわれる演出にはしびれました。 |
小泉 |
あれは、型物といいまして。 |
── |
型物。 |
小泉 |
うちでも「キティちゃん花火」というのを
つくっています。 |
── |
キティちゃん花火!
打ち上げるとキティちゃんが? |
小泉 |
そうです。ちゃんとサンリオさん認定の。 |
── |
サンリオのかたが認定しにこられた。 |
小泉 |
ええ。
サンリオさんがこちらまでいらして、
この近くで打ち上げた試作花火を見て、
「あ、これならいいです」と。 |
── |
「これはキティちゃんです」と(笑)。 |
小泉 |
はい(笑)。 |
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── |
すばらしいです。
「フェニックス」の形も、
そういう型物のひとつなんですね。 |
小泉 |
はい。
花火っていうのは、
どこから見ても丸なんです。
球体の中に仕込まれた星が、
四方八方に飛んでいくので。
型物というのは、玉の中に
たとえばハートマークとか、
そういう絵を平面で描くんです。
こんな具合に(描く)。 |
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── |
お絵かきですね。 |
小泉 |
そう、星を並べてお絵かきをする。 |
── |
なるほど。 |
小泉 |
これを打ち上げると、
どの位置で破裂するかわからない。
正面から見ればハートだけど、
真横から見れば、ただの線です。
斜めから見れば、ひしゃげたハート。 |
── |
なるほど、そうですよね。 |
小泉 |
花火は必ず回転して上がります。
無回転って絶対ないんです。
だから絵の向きは決められません。 |
── |
はい。 |
小泉 |
だから、型物のときはたいてい、
同じ型物を同時にいくつか上げるんです。
そうすれば100パーセントではないですが、
どれかがちょうどいい形で
見えるというわけですね。 |
── |
なるほど。
「フェニックス」の不死鳥も
いくつか上がっていました。 |
小泉 |
そう、そうなんです。 |
※小泉欽一さんの会社、
「新潟煙火工業株式会社」のHPはこちら。 |