ほぼ日手帳 ニュース

手帳チームのメンバーが、日々の情報をお届けします。

TS2019 バブルシープ

大変長らくお待たししておりました
TS2019 バブルシープの
オリジナルカズン
いよいよ16日(金)に発売になります。
楽しみにしてくださっていた皆さま、
発売が遅れて、大変申し訳ありませんでした。

さてこのバブルシープ。
さかのぼること11ヶ月前、
昨年の12月頃に、
TS(=Taku Satoh)シリーズを
プロデュースくださっている佐藤卓さんの元へ
TS2019の候補となる革が届けられました。

今回も私が尊敬してやまない
コチラでもご登場いただいた
協進エルの田辺さんに
セレクトして頂いた革たち。
毎年のように候補にあがるベーシックな革から
型押しや表面加工に凝った
新しいことに挑戦している個性的な革、
更にはTS2018で惜しくも落選した革も加えて
佐藤卓さんに見ていただきます。
そこで返ってきたお返事は…

「ホワイト系はどうだろう?」

実は見て頂いた中に、1つだけ黒ではない革、
白っぽい癖のあるものを混ぜていたのですが…

「白であれば、もっと均一に白く
それでいて、革の質感も
きちんと出ているものを。」

というリクエスト。
ついに、来たかあ!白!

白はすごくやりたいけれど、
どうしても一歩踏み出せない色。
汚れが気になるかなー、なんて思ってしまって。
でもTS企画であれば、
これはやりましょう!となりますね。

そして改めて田辺さんに
白い革、という基準でセレクトして頂きます。
卓さんならこれかな?なんて
勝手に推測しながら卓さんにご覧いただきます。
そして…我々の推測は見事に外れ、
選ばれたのは全くのノーマークだった革。

「これ、というものを選びました。
『バブルシープ』。
見た目も手触りも柔らかく
女性にも好まれそうです。」

ふわふわのバブルシープ!
おおお!これかあ!と一同ビックリ!

女性向け・男性向けと
意識しているわけでないので
結果として、女性にも好まれそうな革が選ばれた
ということなのですが
TSシリーズは、卓さんの好きな革を選ぶ
ということもあって、2017のBlack Domopack
2018のバトラーと、男性っぽい革が続いた事もあり
(それも全然良いのですが)
とっても新鮮に感じます。

卓さんのおっしゃるように
まず見た目が柔らかい。
色目のイメージも、温かみのある感じ。
シボの感じも柔らかさを感じさせます。

触ってみると、シープならではの柔らかさ。
ふんわりとしていて、温かみを感じます。

ちょっと想像してみてください。
白い革の手帳が自分のバッグから出てきたら…
もう最高にカッコいいです。
ただ、このバブルシープの最大のポイントは
白い、ということだけでなく
白くて柔らかい、ということ。
白って無機質だったり、
スタイリッシュ過ぎたり、
なんて時があるのですが
このバブルシープは、
ふかふかやわらかいんです。
白というカッコいい色を、
このふわふわした素材感が
ちょうどいい感じにしてくれています。

と、なんだか分かったような
分からないような説明になってますが。

そもそもこの革シリーズは、
卓さんに見ていただく時点で
いい革(高級、という意味ではなく)ばかりなんですよ。
何しろ田辺さんが、
卓さん用に選んだ革ですから。
田辺さんは、ユーザーのみなさんにも
会ってお話して頂きたい!と
私がつよく思うほど、革への愛情、
ご自身のお仕事への情熱に満ち溢れていて
お会いするたびに胸を打たれるんですね。
(ほぼ日手帳の2018年6月9日にも
田辺さんの言葉が選ばれていますから
是非手帳を読み返してみてください。)
その田辺さんが、「卓さんにご覧頂くから」と
緊張しながら気合を入れて
選んでくださる革ですから
もうその時点で面白いものが揃ってるわけです。

そしてそこで更に
卓さんのセンスで1枚の革が選ばれます。
毎回、田辺さんも
「そう来ましたかー。いや、さすがですね。」と
おっしゃる革を、卓さんは選ばれるわけです。
卓さんはほとんど直感で選ばれます。
直感って、思いつきとは違いますからね。
これだけのお仕事をされてきた卓さんの直感で
選ばれた革なんです。

で、まあ、取り扱いにくいような革、
製品にする時に、
気を付けなければならないポイントが
たくさんある革が選ばれることが多いんですね。

それで、製造を受けてくださっている
これまた革が大好きな伊勢丹の籠浦さんが、
「うわー、大変なの選ばれちゃったなー」
なんて言いつつ
「この革かあ。いい革選ばれるなあ。」
と、とってもうれしそうに
試作に取り掛かってくださるわけです。
(籠浦さんは、少し古いですが
コチラコチラにご登場頂いています。
こんなに昔からお付き合いくださっています!)

今回の革は、とっても柔らかく伸びやすいし
白いので、汚れやダメージが付かないようにと
いつも以上に気を使います。
初めは小さく切り取った
手のひらくらいのサイズの
革サンプルで選んでいるので
羊まるごと1枚の革を取り寄せて
個体差をチェックして、
それをカバーに仕立てて、
カバーになった時の状態をチェックして。
量産用の革ができてきたら、
それをまたチェックします。
表側には、この革を使って
内側のポケット部分には
このあたりのこういう革を使って
と細かい指示を出していきます。

こうして、それぞれの過程で
それぞれの人の「いいもの作りたい!!」
という思いのこもった
手帳カバーができあがるんです。

1つだけお伝えしておきたいのが
この革、柔らかくて伸びやすいので
ポケットに名刺やカードを
たくさん入れると革が伸びます。
ずっとたくさん入れたままなら良いですが
入れる量を減らすとスルスル落ちやすくなるので
そこはご注意ください。
あとはもちろん、白いので
当然黒より汚れが目立ちますが
それも味だと思います。

ちなみにこの革、とっても柔らかいので
昨年まで作っていたトートバッグは
荷物を入れたときに伸びちゃうから
作れなかったんです。
そこから話が発展してできたのが
予想以上の大人気商品で
現在品切れ中(すみません!)の
TS手帳バッグなのですが
長くなってしまったので、
その話はまたの機会に。

本当は撮影の話もしたいんですけど…
(このイメージ写真に使われている場所
佐藤卓さんのオフィスなんですよ!)
それもまた別の機会に。

それでは、TS2019 バブルシープを
どうぞよろしくお願いいたします!