そして、今日のこぼれ話的なこと、
もうひとつあるんです。
ずいぶん個人的なことですが。

実は今日「コート・ドール」に行ってた
明るいビルのチームに、
ぼくは１冊の本を託してたんですよね。
斉須政雄さんの『調理場という戦場』。
大昔、ほぼ日の連載が
単行本になったものですけど。

この本がもう、ぼくは昔、学生時代に
もう、大好きで、大好きで。

「こんなに何も無い自分が、
これからどう生きていけばいいんだろう」
とずっと落ち込んでいた
二十歳ぐらいの自分がですね、
斉須さんの言葉に
めちゃくちゃ勇気づけられて。
就職活動中とか、ずーっとカバンの中に入れて、
お守りのように持って、
何十回と読み直していたようなものなんですけど。

それを、みんなが
「サインもらってくるよ」と言ってくれて、
斉須さん御本人が今日、
すごく丁寧な、胸にひびくメッセージを
時間をかけて書いてくださって。

もう、こんなの、泣くんですけれども。

から受け取って読んだとき、
ほんとにぼくは泣きましたよ。

斉須さんが書いてくださったのは、
こういう言葉でした。

『言えなかった事
　出来なかった事
　思い通りにならない
　環境と歳月が
　研ぎ澄ました
　感性の刃となって、我が身を社会へ
　彫り出してゆく』

二十歳頃の自分が、時を越えて、
あたたかく肯定してもらったような気がしました。

斉須さん、本当に、ありがとうございます。
もらった言葉に恥じないように生きます。

そして、それを自分のことのように喜んで、
笑顔でわたしてくれる仲間の、
乗組員のみんなの存在というのもありがたくて。

ぜんぜんうまく言えないですけど、
「ほぼ日」って、こういうことがある
メディアなんだよなあ、と思って。
生きててよかったな、と思って。

今日はただ、みんなでおいしく
ごはんを食べる日というだけだったんです。
でも、こういうことだって起こるんです。

ものすごく個人的な思いですけど、
そんなきっかけをくれる
「ほぼ日」という場所が、今に至るまで
26年間続いててよかったなあ、と思うし、
これからもまた続いていってほしいんだ、
と、すごく思いました。