『岩田さん』の書店発売から
2ヵ月が経とうとしています。
ひとつ、どこかで書こうと思っていた
エピソードがあって、
なんとなく書きそびれていたので、
今日はそれをお伝えします。
そんなにおおきなことじゃないんですけど。
お知らせしているように、
『岩田さん』という本は、
ほぼ日刊イトイ新聞に掲載されたコンテンツと、
任天堂の公式ページに掲載された
「社長が訊く」のなかから、
岩田さんのことばを再編集するかたちで
構成されています。
ですから、この本のなかに
岩田さんのまったく新しい発言というのは、
基本的にはありません。
対談を録音したデータを洗い直して、
未掲載の発言を掲載する、ということも、
やろうと思えば不可能ではなかったのですが、
岩田さんがチェックしていない発言を
本の中に掲載するというのは、
マナー違反だろうとぼくは思っていました。
しかし、じつは、この本のなかには、
この本でしか読めない岩田さんの発言があります。
すごく厳密にいうと、
「岩田さんにチェックしていただいたものの、
WEBには掲載しなかった発言」が、
ほぼ日のコンテンツにして
1ページ分あったのです。
それは、2007年に、ほぼ日に掲載された、
岩田さんの話を当時の乗組員たちが聞く、
という形式のコンテンツで、
その読み物は全11回で構成されているのですが、
ぎりぎりで掲載を見合わせた回があったのです。
内容は、岩田さんが、
当時の任天堂前社長である
山内溥さんについて語る回でした。
ぜんぶの回をまとめたとき、
この「山内さんを語る回」を、
ぼくは、掲載してもしなくても
どちらでも成り立つように全体を編集しました。
というのも、岩田さんが山内さんを語るというのは、
岩田さんの公式な振る舞いとしては、
かなりめずらしいことでしたから。
たぶん、掲載はむずかしいだろう。
しかし、それがとても惜しいほどおもしろい。
そこで、ぼくは岩田さんにその特別なパートを
「こういう回もつくってみたのですが
どうでしょう?」
という註釈つきでお見せしました。
岩田さんからのお返事はつぎのようなものでした。
すごくおもしろいですが、
やはり、いま対外的に出したいことでは
ありませんね、と。
そして岩田さんは、その後のやり取りのなかで、
また違うタイミングで掲載できたらいいですね、
というふうにもおっしゃいました。
いまあらためて読み返してみると、
岩田さんが語るその部分は、
やっぱり、とても、おもしろいんです。
そこでぼくは、この本の監修をしてくださった
任天堂の方にそのことを説明しました。
内容そのものには岩田さんの
チェックをいただいているということ。
できればこの本に掲載したいということ。
結果的に、任天堂のみなさんに、
内容も含めてご理解をいただき、
岩田さんが山内さんを語るその部分は、
じつに発言から12年ぶりに、
世の中に出ることになりました。
といっても、
ショッキングな内容ではまったくありません。
岩田さんが、山内さんのことを、
とても尊敬しているということが
しみじみと伝わってくるような発言です。
発言の内容自体は、おそらく他のメディアの
取材でもおっしゃったことがあると思います。
でも、やっぱり、とてもおもしろい。
その発言は、『岩田さん』の本のなかでは、
第四章「岩田さんが信じる人」の
121ページから124ページにかけて
掲載されています。
ぼくはこの部分、とても好きなんです。
とくに、いちばん最後の、
「いまの任天堂があるのって奇跡みたいなことなんだぜ」
というところの「だぜ」、というところが。
その他にも、宮本茂さんと糸井重里が
岩田さんを語る第六章は、まるまる新しい取材で、
この本でしか読めないところです。
「岩田さんの過去の発言はぜんぶ読んでる」という方も
ぜひ、読んでみてください。
長くなってしまいました。
『岩田さん』という本について、
いつか話そうと思っていたことを
お伝えいたしました。
2ヵ月が経とうとしています。
ひとつ、どこかで書こうと思っていた
エピソードがあって、
なんとなく書きそびれていたので、
今日はそれをお伝えします。
そんなにおおきなことじゃないんですけど。
お知らせしているように、
『岩田さん』という本は、
ほぼ日刊イトイ新聞に掲載されたコンテンツと、
任天堂の公式ページに掲載された
「社長が訊く」のなかから、
岩田さんのことばを再編集するかたちで
構成されています。
ですから、この本のなかに
岩田さんのまったく新しい発言というのは、
基本的にはありません。
対談を録音したデータを洗い直して、
未掲載の発言を掲載する、ということも、
やろうと思えば不可能ではなかったのですが、
岩田さんがチェックしていない発言を
本の中に掲載するというのは、
マナー違反だろうとぼくは思っていました。
しかし、じつは、この本のなかには、
この本でしか読めない岩田さんの発言があります。
すごく厳密にいうと、
「岩田さんにチェックしていただいたものの、
WEBには掲載しなかった発言」が、
ほぼ日のコンテンツにして
1ページ分あったのです。
それは、2007年に、ほぼ日に掲載された、
岩田さんの話を当時の乗組員たちが聞く、
という形式のコンテンツで、
その読み物は全11回で構成されているのですが、
ぎりぎりで掲載を見合わせた回があったのです。
内容は、岩田さんが、
当時の任天堂前社長である
山内溥さんについて語る回でした。
ぜんぶの回をまとめたとき、
この「山内さんを語る回」を、
ぼくは、掲載してもしなくても
どちらでも成り立つように全体を編集しました。
というのも、岩田さんが山内さんを語るというのは、
岩田さんの公式な振る舞いとしては、
かなりめずらしいことでしたから。
たぶん、掲載はむずかしいだろう。
しかし、それがとても惜しいほどおもしろい。
そこで、ぼくは岩田さんにその特別なパートを
「こういう回もつくってみたのですが
どうでしょう?」
という註釈つきでお見せしました。
岩田さんからのお返事はつぎのようなものでした。
すごくおもしろいですが、
やはり、いま対外的に出したいことでは
ありませんね、と。
そして岩田さんは、その後のやり取りのなかで、
また違うタイミングで掲載できたらいいですね、
というふうにもおっしゃいました。
いまあらためて読み返してみると、
岩田さんが語るその部分は、
やっぱり、とても、おもしろいんです。
そこでぼくは、この本の監修をしてくださった
任天堂の方にそのことを説明しました。
内容そのものには岩田さんの
チェックをいただいているということ。
できればこの本に掲載したいということ。
結果的に、任天堂のみなさんに、
内容も含めてご理解をいただき、
岩田さんが山内さんを語るその部分は、
じつに発言から12年ぶりに、
世の中に出ることになりました。
といっても、
ショッキングな内容ではまったくありません。
岩田さんが、山内さんのことを、
とても尊敬しているということが
しみじみと伝わってくるような発言です。
発言の内容自体は、おそらく他のメディアの
取材でもおっしゃったことがあると思います。
でも、やっぱり、とてもおもしろい。
その発言は、『岩田さん』の本のなかでは、
第四章「岩田さんが信じる人」の
121ページから124ページにかけて
掲載されています。
ぼくはこの部分、とても好きなんです。
とくに、いちばん最後の、
「いまの任天堂があるのって奇跡みたいなことなんだぜ」
というところの「だぜ」、というところが。
その他にも、宮本茂さんと糸井重里が
岩田さんを語る第六章は、まるまる新しい取材で、
この本でしか読めないところです。
「岩田さんの過去の発言はぜんぶ読んでる」という方も
ぜひ、読んでみてください。
長くなってしまいました。
『岩田さん』という本について、
いつか話そうと思っていたことを
お伝えいたしました。