気仙沼のほぼ日便り

こんにちは。気仙沼のほぼ日のサユミです。
先日、気仙沼のおとなり、南三陸町へ
港のスズメさん便りでもおなじみの
藤野さんと出かけてきました。
南三陸町の中心部へ行くには、
気仙沼からだいたい車で50分くらいです。

南三陸町は、「福興市」の取材以来で、
噂のキラキラ丼を確かめにいくことにしました。
何がキラキラなのかは……行ってみればわかります!

目指すは「南三陸さんさん商店街」です。
2012年2月25日にオープンした仮設商店街で、
店舗、観光インフォメーションセンターなどが、
30件ほど並んでいます。

「創菜旬魚 はしもと」にて、
さっそくキラキラ丼! を注文。

それがこちら! ウニ丼です。
ウニの粒がキラキラしてる!
テンションが最高にあがってしまいました。
正式には「南三陸キラキラうに丼」。
ウニの旬となる時期に、
南三陸の海で獲れたウニを
たっぷりのせたどんぶりを、
各店が提供しています。
ところでこのお店、
中に入ると仮設店舗とは思えぬ豪華な内装です。
座敷席もあり、
ゆったりくつろぐことができました。

商店街をぐるっと見渡しまして、
ほかにもたくさんの
気になるものが販売されていました。

洋菓子店の菓房 山清さんで
販売されているタコぷりん。
練り製品の及善蒲鉾店のタコ入りあげボール。
ここ南三陸町は、水ダコの名産地であり、
「オクトパス君」という
タコのご当地キャラクターもいるほど。
「置くとパス(合格)」する縁起物として、
全国の学生さんが買って行くそうです。

帰りがてら、オクトパス君グッズの主力商品
ゆめ多幸鎮(たこうちん)」という、
文鎮を作っている工房
「入谷Yes工房」にもお邪魔してみました。
こちらは、廃校となった木造の
入谷中学校を改装したところだそうで、
どこか懐かしい感じのする素敵な建物でした。
工房では町民の方を中心に、
さまざまな年代の方が制作に励んでいました。

ご案内していただいたのは、
NPO団体のETICによる「右腕派遣」プロジェクトで
南三陸復興ダコの会を運営を
手助けしている村井香月さん。
右腕派遣プロジェクトは、
被災地域のリーダーとなる方や
事業主さんを支援する人材を派遣するもので、
藤野さんもこの右腕の一人です。

村井さんのお隣の男性は、
南三陸町出身の大森さん。
震災から1年経ち、
町の復興に関わって行く仕事をするため、
こちらで働かれるようになったそうです。

Yes工房では、その広いスペースを活用して、
オクトパス君グッズ以外にも、
被災木を利用した企業のノベルティグッズの制作や、
まゆ玉をつかったアートフラワー、
そのほかにも雑貨店販売用の木製スツールなど、
様々なものづくりが行われていました。

周りは田んぼに囲まれていて、
いかにものどかな風景です。
ここは、南三陸町のなかでも山側にあたる場所、
海からは少し離れています。
村井さんからは、
「南三陸町は、
町の62%が津波の被害を受けてしまったんです」
と伺いました。

震災前後の写真を比べてみると、
そのことが良く分かります。
人口が、1万7000人ほどの町で、
浸水範囲内の人口が1万4000人。
お恥ずかしながら、隣町の被害状況すら、
私はよく知っていませんでした。
沿岸部はその地形や、町の中心部の位置によっても、
その後の被害状況が大きく異なるということを
改めて知った気がします。

ところで、今回ここに至るまで、
途中のガソリンスタンドで道を聞きました。
とてもさわやかで、分かりやすく、
笑顔で道を教えてくれたお姉さん。
お礼もしたいし、帰りにそこで
ガソリンを入れて帰ろうということになり、
立ち寄って、少しお話をしました。

今は鉄骨だけになった南三陸町の防災対策庁舎。
その横にガソリンスタンドがあります。
ここは、震災後にガス配給所としても
使われていたそうです。

「助けられたり、助けたり、
 いろんなことがありますね。
 また、南三陸町に遊びにきてください!」

そう話すお姉さんの笑顔が、
やっぱり素敵で、
車から写真を撮らせていただきました。
また、遊びにいきたいと思います。