気仙沼のほぼ日便り

遠くからお客様がいらしたので、
一関→陸前高田→気仙沼とご案内をしました。

とはいっても、今回のご案内の企画は、
斉吉商店の和枝専務とアンカーコーヒーの紀子さんプロデュースでした。
このおふたり、気仙沼のおかみさん集団「つばき会」のエースとして、
矢野顕子の音楽の稽古場の「おいしい打ちあげごはん」を
仕切っていただいたこともあります。
信頼と実績のつばき会! まさに気仙沼おもてなしのプロであります。

ということで、私はお手伝いをさせていただいただけ……というより、
お客様に便乗して、おいしいものをただ沢山食べただけになってしまいました。
(そして、今回はそれを紹介するだけ! いいんでしょうか。)

まずは一関市、世嬉の一酒造さん併設のレストランで昼食。
自分ではっと(すいとんのようなもの)をちぎって
お鍋に入れていただく「手ぎりはっと膳」と、
名物の「果報もち膳」をみなさんでいただきます。
一関って、何百種類とお餅の食べ方があるそうで、
お祝いの席ではこういう「もち膳」が
ふるまわれるんだそうですよ。

で、果報もちっていうのは、お椀の中に萩の枝が一つ入っていて、
それが当たった人は幸運になれると、そういうものなんですが、
自分の食べたクルミ餅のお椀に、枝のようなものが……。
ガーン。お客様を差し置いて当たってしまうワタシ……!
黙っていたのですが、
お膳をさげにいらっしゃったお店の方が
「枝が当たった方はどちら様ですか?」とお聞きくださいます。
ひえー。なんだか申し訳ない!
「……あれっ!?もしかして、これですかね〜?」
などと、しらじらしく、自分から申し上げました。
当たると、世嬉の一酒造のお酒をいただけます。
嬉しいんですけどね〜、ああ、すみません。
この写真の表情にもこの微妙な心境が表れています。

その後、唐桑の盛屋水産さんのところへ。
船で、牡蠣とホタテの養殖いかだのあるところまで乗せていただくのですが、
なんと突然の雨!(しかも結構強い)
盛屋水産のおかみ、一代さんが大漁旗をババっと広げ、
みんなでその中に入って雨をしのぎます。
写真中央でカメラを見ている黄色のベストの方が一代さんです。
いつものことですが、この時の一代さんは、
このまま歌って踊れそうなくらいテンションが高かったです。

しかしなんだろう、この写真。味写?
右上のほうにウミネコがゆうゆうととまっているのがなんとも言えません。
大漁旗で雨しのぎというのは、なかなか見ない光景ですね。
これは良い思い出だねーなんていいながら、
養殖いかだにつく頃には晴れました。

その場で、むいた殻をお皿にして、牡蠣とホタテを頂きます。
すんごい身が厚くて、甘いんです。
海産物って、新鮮だと全然生臭くなくて、甘いんですよね。
気仙沼に着てから知りました。
ホタテの貝柱の繊維っていうんですか、
縦方向の繊維みたいなのを感じます。
牡蠣も甘いんです。
私、もともと牡蠣の生臭い感じが苦手だったんですけど、
いったい何で苦手だったんだっけ?と思うほど、
この牡蠣はおいしかった……。
あー、すでに、また食べたいです。

最後に、斉吉商店さんのばっぱの台所でご飯です。
こちらは、あんこのワークショップでも使わせていただいたキッチンスペース。
この日のお客様のために、ご飯を用意していただきました。

メニューは、今が旬のわかめのしゃぶしゃぶです。
わかめは、お湯にくぐらせると、茶色からきれいな緑色に変化します。
わかめはクニャクニャしていると思っているみなさま!
旬の生わかめはすんごいシャキシャキした歯ごたえなんですよ。
さっぱりしたポン酢でいただくと、またおいしくて、いくらでもいけます。

そしてさらに、出していただいたのが海鮮丼と、さんまのつみれ汁……。
うう、おいしい。気仙沼に来てよかったー!!!

と、このように、ご案内というのは非常においしい仕事なんです。
今回も、ごちそうさまでした。

私も気仙沼に来てからもう一年経ちました。
サユミちゃん太ったねという説もありますが、
それはしかたのないことなんですよ!!