気仙沼のほぼ日便り

台風26号が過ぎ去った気仙沼は、
空気が澄んで太陽の光が美しく輝いていました。

震災で地盤沈下がおきているので、
ただでさえ冠水することが多い気仙沼です。
大型台風がくるという予報を聞いて、
事務所も浸水してしまうのではないかと
心配していましたが、
結果、浸水には至りませんでした。

風が収まった後、街に出てみたら、
車通りは少なく感じたものの、
内湾には台風で避難してきた
漁船でいっぱいになっていました。
どこのお店も漁船員さんたちで
大賑わいだったようです。
これも港町ならではの光景ですね。

冠水はどうだったかなと思って街を見渡すと、
やっぱり、至る所が
湖のようになっていました。
でもこれは、大雨や満潮などによっても
よく起こるので、
見慣れた光景になってしまいました。

道路はかさ上げされているので、
車で通ることができますが、
低くなった土地にまた建物を建てるには、
土盛りをしなければ使う事ができません。

今年の2月に「気仙沼の今の様子」を
まとめたものがあります。
2013年2月の気仙沼ー階上、岩井崎編ー
2013年2月の気仙沼ー鹿折、南町、南気仙沼編ー
です。
あらためて振り返ってみると、
‥‥見た目はあんまり
変わらないような気もしますが、
ほんの少しずつ変わっています。

街に住む「人」のほうは、
今がチャンスと、次々に新しいことを始めています。
それを強く感じたのは、
さんま寄席の朝、気仙沼魚市場で行われた
市場で朝めし。」です。
8000人の来場者で賑わったイベントを成功させた
実行委員のみなさんには、
イベントの実現までに、
そうとうな大変なことが沢山あったのですが、
そういうときはいつも、震災を引き合いに出して、
「わたしたちは、あんな時があったんだから!
もう、なんでもできるよ」と、
笑いながら言っていました。
不安が漂う空気もぱっと消えて、
力がわいてくるような、
とても頼もしい言葉でした。

「これからの被災地域には、
良い事しか起こらないんだ」と言いながら
がんばっている人たちと一緒にいると、
小さな悩みはどうでもよくなりますね。