気仙沼のほぼ日便り

みなさんこんにちは。今日は、東京都にお住まいの
さんから
ご依頼をいただきました。

「僕は、凧あげが大好きです。
 しかし、僕の住むあたりでは、
 なかなか自由に凧あげをすることができません。
 気仙沼には、ひらけた場所もあるし、
 伝統の『日の出凧』という凧もあるそうなのですが、
 その『日の出凧』を見たことすらありません。
 探偵さん、どうか僕の『日の出凧を大空に舞わせる』
 という夢をかなえてくれないでしょうか。」

‥‥ということで、唐突ですが、
そんな山下さんから依頼をうけました、
探偵のです。
ちなみに、これは先日、アンカーコーヒーさんの
カッパとウサギのコーヒーさがし
の取材の後に調査を行ったため、
福田利之さんにも「凧さがし」に
付き合っていただいております。

日の出凧とは、
朝日が海に登る様子を描いた図案の凧で、
気仙沼の人からはよく聞くのですが、
実は私も実物を見た事が無いんです。

いろんなところで情報をあつめた結果、
加藤斉克(まさかつ)さんという方が
「気仙沼凧の会」の会長を
されているということがわかり、
加藤さんに直接電話することになりました。

「日の出凧を作っていらっしゃる加藤さんですか?」
「そうです。」
「日の出凧を、あげてみたいのですが、
 凧の販売とか‥‥そういうのは
 されていらっしゃいますでしょうか。」
「少しならお譲り出来ますよ」
「ええ!本当ですか! ‥‥あの、しかも、今日
 取りにうかがうのは可能でしょうか?」
「いま、家にいますので、どうぞ」

なんと! すぐその場でOKをいただき、
加藤さんのご自宅に向かう事になりました。
すると、加藤さんは、
家の前で出迎えてくださっていました。

「こちらです。どうぞ。」

お家の中は凧、凧、凧‥‥
見たことの無い量の凧が並んでいて、
驚いていると、加藤さんから
「これがほんとのタコ部屋」
というジョークが飛び出しました。

こころよく凧を譲ってくださった。加藤さん。
帰り際には、凧をもうひとつ、
プレゼントしてくださいました。
「今日は、あまり風が吹いていないですけど、
あがりますかね?」と聞くと
「あがらない凧は作りません。」
そう語って、くるりときびすを返し、
颯爽とご自宅へ戻られたのが印象的でした。

かくして、三陸の海が目の前に広がる岩井崎にて、
我々は念願の凧あげをすることができました。

山下さんが糸を引くと、
凧が、ぐんぐん上に昇って‥‥。
と、まあ、風がなかったので、
そこまで、上にはあがりませんでしたが、
私たちには、曇り空に
ちいさな太陽が輝いているように見えました。

山下さんは、帰り道「涙がでそうだったよ」
と言っていました。
理由はわかりませんが、
なんとなくその気持ちは分かる気がしました。

以上、サユミ探偵からの報告でした。
そんな、日の出凧‥‥。
なんと、さんま寄席にご来場いただく皆さん向けの
日の出凧づくり、凧あげの
ワークショップがあります!
講師はもちろん、加藤斉克さんです。
完全に凧に心をうばわれた山下さんと私は、
このワークショップにまだ空きがあることに
驚きを隠せません。

会場はアンカーコーヒーさんの新店舗ですので、
コーヒーと一緒に、凧づくり、凧あげを
お楽しみいただけたらと思います。

お申し込みは、こちらから!