気仙沼のほぼ日便り

アンカーコーヒーがオープンした次の日、
気仙沼に、もうひとつうれしいニュースが。
そうです、待ちに待った
「気仙沼復興商店街 南町紫市場」のオープンです。

気仙沼のメインストリート
「南町商店街」にあった
140店舗のうち、51の地元のお店が入った
この「南町紫市場」には、
寿司屋、居酒屋、焼き鳥屋、バー、スナック、
割烹、喫茶店などのあらゆる飲食店だけでなく、
魚屋、八百屋、酒屋、豆腐屋、
惣菜屋、菓子店、コロッケ屋。

それから、食べること以外にも
生活に欠かすことのできない、
床屋さん、美容室、お花屋、薬屋、電気屋、
洋服店、雑貨店、印鑑屋さん、
そして、そして、ピアノ教室、
マッサージ屋さん、学習塾!
と、まあ、一息では、
到底読みあげきれないほどの、
たくさんのお店、
なんというか、町そのもの!

被災地で復興を目指す仮設の商店街としては
全国でも最大規模とのこと。

オープンのその日は
12月24日ということもあって、
たくさんのサンタさんがイベントを盛り上げ、
地元の人がオープンを喜び合う様子を
多くの取材陣があちこちで取材する、
なんともにぎやかな日でした。

これだけたくさんのお店があると
すべては回れないのですが
わたしたちがお邪魔した
揚げたてコロッケ屋の「コロッケ」と
喫茶マンボの
「醤油ラーメンとチャーハン、
 チョコレートパフェ」
は、たいへんおいしかったです。
また、食べに行きます。
(いちおう、補足しておくと
 一度に、ではなく、
 2日に分けて食べました。)

南町紫市場の向かいには、
ガラス張りの中に、部屋の中の木の雰囲気が
ひときわ目立つ、あったかそうな建物が。
こちらは、震災後、子供たちの遊び場が
めっきり少なくなったことを、
なんとか解消できないかと、
元は薬屋さんだった場所を改装して
地元の青年会、商店街が運営をする
子供たちのための集会所です。
場所の名前は、「cadocco」(かどっこ)です。

この日は、黒板に絵を書いたり、工作をしたり、
各々自由に過ごしていました。
これからは、部活やお祭りの太鼓の練習、
ダンスや劇、などを、
こちらの場所でやっていく予定とのこと。
不定期ワークショップも開催予定だそうです。

「cadocco」の壁には、
気仙沼の避難所で発行されていた
「ファイト新聞」のレプリカがありました。
避難所で生活する小学生たちの、
手作り壁新聞。
どんなことが書かれているのかを、
本で読んで知ってはいても
(じつは、おもしろいんです。)
その壁新聞があった
数ヶ月の避難所での生活を思うと
ジーンと込み上げてくるものがありました。
彼ら(彼女ら)がいて、救われた大人たちが
たくさんいたのではないかと。

壁新聞の前では、とってもかわいらしい
元編集長が取材を受けていましたよ。

そうそう、この日、
ジーンとしたことがもうひとつ。
商店街のほど近い場所に、
わたしたちが通りかかった
ちょうどそのとき、
信号機が設置されていました。

次の日には、警視庁や全国の県警から
応援に来ていた
「特別交通支援隊」のみなさんが、
それぞれの県に帰られたという話を聞いて、

「よかった! 信号がついたからですね。
 寒い中、ほんとうにおつかれさまでした。」

という気持ちと同時に、
さまざまな県のナンバーをつけた
警察車両を見かけることは、
これからめっきり減る、
ということに、はっと気がついて、
何とも言えない、
ちょっとさみしい気持ちになりました。
たくさんの警察関係者のかたには、

「今度は、お休みの日に、ぜひ、観光で!」

ということも、お礼と一緒にお伝えしたいです。

24日は、クリスマス寒波と呼ばれる、
とーっても寒い一日でした。
でも、商店街のオープンに立ち会った
わたしたちは、
港町のサンタさんから
「ジーンとして、ぽかぽかする気持ち」
という、プレゼントをもらった気がします。

本格的な冬の到来を控え、
気仙沼のようすも、
わたしがはじめて行った夏の頃とは
がらりと雰囲気が変わって来ました。
明日は、さらにもう一段と、
寒いところに行ってきたようすを
報告しますね。