気仙沼のほぼ日便り

クリスマス寒波がやってきた、
12月25日に大島に行ってきました。

気仙沼に訪れるたびに
「大島」という言葉をよく耳にします。
天然の防波堤になって気仙沼を守ってくれた大島。
気仙沼ちゃんの民宿がある大島。
米軍の空母が救助にきた大島。

「大島」とは気仙沼市の市街地から海をみて
正面にある大きな島です。
気仙沼からならだいたいどこからみても見える大島。
行こう行こうといいながら、
なかなか行けなかったのですが、
クリスマスにやっと行くことができました。

大島について話す前にひとつ。
冬の気仙沼、本当に寒いです。
気温は0度前後なので
東京の深夜でも同じくらいになることがあるし
まぁ想像できる範囲かなと
思っていたのが大間違い。
風が、風が冷たい! 
気仙沼は海の街、風はかなり強いです。
僕は東北の冬の寒さを甘くみていて、
手袋も帽子も持っていかなかったのですが、
本場の寒さは、ホント厳しいです!
冬の気仙沼に行かれる方はど厚着でお越しを。
(ちなみに僕以外はみんな完全防寒でした。)

気仙沼出身、東京在住の方が、
「東京は秋が深まってきたと思ったら、
 そのまま春になる感じがする。」
といっていたのがよくわかりました。

さて、本題にもどりまして、
大島に行くにあたり
僕が前々から楽しみにしていた事がありました。
それは「車のままフェリーに乗る」ということ。
フェリーに乗るだけでも楽しみなのに、
車のままフェリーに乗れるなんて!
気仙沼と大島を行くフェリーは、
40分に一本でています。
普通に乗る分には事前予約はいりませんが、
車で行く場合には事前予約が必要です。
※フェリーの時刻表はこちらをご覧ください。

終電ならぬ、終船が終わってしまったら、
大島に泊まることになってしまいますので、
お気をつけくださいね。

実際に車でフェリーに乗り込んだ時は、
今から旅に出るぞ!
という感じで興奮しました!

大島は車で移動すると、
30分で一回りできるくらいの大きさです。
歩いて回ることもできるようなのですが、
冬に歩いて回るのはちょっと大変かなと思います。
タクシーやバスもあるようなのですが、
どちらも本数が非常に少ないようなので、
レンタカーで来ている方は
カーフェリーがおすすめです。

海から見る気仙沼港は、
舟がずらっと並んでいて、
あらためて漁業の街なんだなと感じます。
そして、海がとても静かなのです。
気仙沼はいつきても波が穏やかで、
大島が天然の防波堤になっていることを
あらためて実感しました。

大島まではフェリーで約25分。
景色に感動していたり、
写真を撮っていたりしたらあっというまに
大島の玄関口、浦の浜に着きます。

大島に着いてまず感じたのは、
冠水の大変さでした。
ちょうど潮が満ちている時だったのですが、
船着き場の回りはかなり浸水していて、
フェリーに乗り降りする際には
ちょっとドキドキするくらいの、
水たまりを越えて行きます。

土をもって道路を高くしているとは思うのですが、
それでもこんなに冠水することへの驚きと、
元通りにすることへの大変さを感じました。

浦の浜でフェリーを降り、車でまっすぐ登っていくと、
数分で登りが終わり、交差点を渡って下ると
これまた数分で反対側の田中浜につきます。
震災の際にはなんとこの交差点の両側、
つまり島の両側から波がきて、
全部を飲み込んでいってしまったそうです。

大島に行く前に、
気仙沼の方に聞いていたのですが
実際に車でいって、
この高さまで波がきて
全てをもっていってしまったんだということに、
あらためて衝撃を受けました。
(WEBの地図で【気仙沼 浦の浜】と検索して
 いただければ、大島の感じが分かると思いますので、
 よろしければご覧になってみてください。)

大島の東側にある田中浜を抜け、
時計回りに回って行きまして
次についたのが「小田の浜」。
ここが本当にキレイな浜辺でした!
海もキレイなのですが、
砂浜も白くて回りは森に囲まれていて、
とても雰囲気のあるいい浜辺ですよ。

後で知ったのですが、
小田の浜は環境省の選ぶ「快水浴場百選」の特選に
選ばれた事があるらしく、
なるほどなと思わせる景色です。

続いてむかったのは、
大島の最南端に位置する「龍舞崎」。
駐車場から松林を10分くらい
登り下りをしながら岬に向かいます。

先に進む程、険しくなっていき、
高い所が苦手な僕には結構厳しいものがありましたが、
ついた先からみる景色は絶景でした!

そして、ここの崖の下の海は本当に青くてキレイでした!
高い崖と青い海、
そして肌を刺すような寒い風は
サスペンスのドラマっぽい
雰囲気を感じさせる場所です。
大島に行った際はここには行った方がいいと思います!

ところで、気仙沼の森や林に行くと必ずある
森林を大切にしようという看板。
森からでる栄養分が海の生物達を育てるということで、
気仙沼の人達は森を大切しているとのこと。
色々な所で繋がっているのですね。

さて、龍舞崎の松林に入る所に、
竜舞道祖神というあるものをモチーフにした
石が祀られています。
何がモチーフにされているのかというと!
直接行って確かめてみてくださいね。

龍舞崎を後にし、
最後に真逆の北に位置する大島神社に向かいました。
大島北部の亀山の中腹にある大島神社は
以前はフェリー乗り場の近くにある
山頂に登れる亀山リフトに乗って
行けたそうなのですが、
現在はリフトが被災してしまったために
営業していません。

大島神社はとても立派で古く、
御神体としてお宮の中にとても大きな石が祀られていて、
不思議な感じがするお宮でした。

そして、境内から臨む海の景色は
気仙沼の街並みが一望できる安波山とはまた違い、
太平洋を見渡せる絶景でした。

大島神社でビックリしたのが、
手水舎(手を洗う所)の水が凍っていたことです!
本当に寒いとは思っていましたが、
まさか手水舎の水まで凍るとは!
取ってみたら1センチ近く氷が張ってました。

以上が大島に着いてから、
帰るまでに回った場所だったのですが、
今回、島にいた時間は90分でした。
時間があればもう少し
ゆっくり見たかったです。

大島も気仙沼市街と同様に
瓦礫の山や、解体の目処がたたないような、
建物が立ち並んでいる場所もあり、
被災地なんだということをあらためて
感じさせられました。

ゆっくりみても半日かからずに
一周できると思いますので、
気仙沼に行かれる際には
大島もお楽しみ候補に入れてみてはいかがでしょうか。

それではまた。