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2022/12/21 11:02
akiko.kusaoi

驚異的読書家の
本の読み方

「人は分類する生きもの。
役に立っても立たなくても、
私たちは分類してしまう。
役に立たない分類ほどおもしろい」
ほぼ日の學校で、こう話してくださった
進化生物学者の三中信宏さん
最近のお仕事を調べたら、今年はじめに
『読書とは何か 知を捕らえる15の技術』
という本を出していらっしゃいました。

研究者として専門書を読むのは
当たり前のこととして、
読売新聞読書委員でもある三中さんは、
専門外の本も山のように読んで、
書評を書いていらっしゃいます。
加えて本の蒐集家でもある。

この本では、
そんな三中さんの本の読み方、
「読む技術」が披露されます。
一例として、渡辺政隆さんが新訳された
ダーウィンの『種の起源』の
読み方が紹介されています。
三中さんの読み方は、
内容をメモしてまとめながら
読み進めていく(往路)。
(メモをツイッターにあげていく方法も
紹介されています)
そして読み終えたら「道中」のメモを
振り返ってその本の内容を再構築する。
これが読書の(復路)。
この「往復」があって初めて
一冊の本を読んだと考える、と。
うわー、なかなか大変な精読! と
思いますが、もちろん三中さんでも
読みかけや積ん読(いつか読む)はあると
書いてあってちょっとほっとします。

息をするように本を読む三中さんは、
目的の本を決めずに本屋をうろつくと、
本棚に差された本の「背」に、
呼ばれることがあるそうです。
「ほら、手に取ってみなさいよ」と。
そんな風にして呼ばれた本のひとつが、
ほぼ日の學校でも披露してくださった
「世界宗教系統樹」が付録についた
希少本だったそうです。
神田小川町にある
洋書専門の古書店・崇文荘書店で
この本に呼ばれたと書いてありました。
どんな本屋さんなのか気になります。

本との出会いを大切にする三中さん、
気になる本はすぐに読めなくても
できるだけ買っておくそうです。
その理由は……
「いつまでもあると思うな本と版元」
まったくその通りですね。

ほぼ日の學校でのお話は、
本ではなくて「分類」の話
これもおもしろいので、
ぜひ聞いてください。