プリグラフィックスさんの
事務所にいます。
『さよならペンギン』を校了するのです。

誰に言われたわけでもなく、
チームの４人で連絡し合って
そう決めました。

プリの清水さん、凸版の藤井さん、
そしてモギと永田です。
この４人でいったい何冊
本をつくってきたんだろう、
というくらい、気心の知れたチームです。

安全と、仕事の優先順位と、
作業工程の見通しと、家族の承諾と、
ぜんぶ合わせて考えて４人で決めました。
昨日、大混乱だったという凸版の工場も
「七割方復帰してます」と
藤井さんが教えてくれました。

じゃあ、校了しましょう。
そうしましょう。
ぼくも向かいます。
いま出ます。
そんなふうに４人で話して決めました。
あの、ぜんぜん、
無理してませんからご安心を。

地下鉄は遅れてたけど、
誰ひとり文句を言う人もなく、
みんな静かに電車を待ってました。
ホームの売店ではおばちゃんが
ふつうに働いてて、
なぜかちょっと泣きそうになりました。

どこかから帰ってきたのか、
どこかに行く途中でやめたのか、
大きなスーツケースを持った
女の子たちが乗っていて、
笑顔でおしゃべりしているんだけど、
駅で誰かが降りるたびに、
「気をつけて」「気をつけてね」って
かならず言い合ってました。

そういえば、昨日から、
ぼくも何度も言ったり聞いたり
書いたり読んだりしています。
「気をつけて」
「気をつけて」

駅を出ると、
開いてる店と閉まってる店があって
開いてる店では
ほんとにふつうに人々が働いてました。
「てんや」に寄って、
４人分の弁当を買いました。
お金を払って受け取るとき、
ありがとう、と口から出ました。

できることをやろう。
昨日校了する予定だった
『さよならペンギン』を校了します。
いい本ですよ。これ。

朝、メールボックスを開けると
「今日もほぼ日を更新してくださって
　どうもありがとう」という
メールがたくさん届いていました。

ですから、いつもどおり、
この「ただいま、製作中！」を
アップしようと思いました。

みなさんも、どうぞ、お気をつけて。